崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

私の手作り料理

2010年04月25日 05時36分45秒 | エッセイ
 私は時々食事を作ることがある。結婚当初は家内に韓国式の食べ物の作り方を教える意味もあったが実は自分の口に合うものを作るのが主であった。そのレパートリーの数は少なくはない。ご飯も柔らかさから黒豆飯など自分の好みにして教えるのが基本であり、キュウリの漬物、もやしスープ、めんたいスープ、山菜の味付け、キムチチゲ、肉と豆の醤油味付け煮、豆もやし味付け、ビビンバップ、生姜と桂粉で作るスジョンガなどなど多くある。しかし料理とは言えず、母親から教わった味の田舎料理ばかりである。
 中には昔の手の込んだヤンバンの料理の二つのメニュもある。一つは以前にも触れたような緑豆粒を水に一晩透けて皮をはがして挽いて粉汁にキムチや味付けためんたい等を入れて丸く焼いた黄色のビンデトック(ブチンゲ)である。これは材料から手の込んだもので日本では見ることもないものである。偽物のようなジジミが流行している。
 もう一つは牛の赤肉を煮て油を捨てて醬油でニンニクと一緒に煮詰めてから切って焼いたゴマなどの薬味で味付けするものである。韓国でも韓定食にはたまに出るメニュである。私の自慢の料理と言っても失敗することがある。その失敗作でも家内は美味しく食べる。私は常に教育者(?)のように家内に韓国料理を教えると思ったが実は家内から「美味しい、美味しい」と誉められて一生懸命作ったのである。教育者の教育者、先生の先生に私が負けていることが今になって分かった。

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