崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

香は外見より品格

2009年10月22日 05時50分05秒 | エッセイ
 今は秋、キンモクセイの香がする(写真は東亜大学正門のところ)。どこから来るのか周辺では見当たらない。遠くから来るようである。韓国語ではあまり知られていないが、千里香(천리향)に当てている、千里とはずいぶん誇張してつけた名前である。韓国や中国では千里香とか金木犀とかは名前も実物もあまり知られていない。金木犀は中国南部が原産地であり丹桂というが、韓国語の千里香は一般的に知られていない。それほど香に関心がなかったようである。日本では全国的にポピュラーな花の香になっている。トイレ用の芳香剤ともなったほどである。
 日本では主に庭木として観賞用に植えられているが、以前にも言及したように春日井市で住んだ我が家の庭の金木犀の香が長く濃いので枝を大部剪定したことがある。この木は秋になると小さいオレンジ色の花を無数に咲かせ、芳香を放つ。花よりは香である。花に香がないのはただの花の絵のようであり、美女が化粧をして香水をつけていないのと同じように実感がうすい。香を通して美を実感する部分も大きい。また線香の香によって仏も来訪すると言われている。香は外見より品格を表すものである。日本の香りの文化は格調が高いといえる。
 
 

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