崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

亀松邸の茶室

2009年02月09日 06時10分04秒 | エッセイ
 下関に来て奇縁ともいえる亀松邸の茶室でお茶をいただいた。中部大学時代の同僚であった井上教授の友人である亀松氏の奥さまと同じバプテスト教会の教友になったのは全く偶然である。この奇縁を彼女は神様の導きだといった。関門の海を見下ろせる「亀松邸」に招待を受けた。背後の小山は借景になり、広い敷地の日本間の茶室に案内された。掛け軸、和紙の窓の傘模様と水仙の生け花などが美しい空間になっている。そこに着物に「変身」(着かえ)したような日本人美女の茶道には細かい仕草のいちいちが幽玄の静的世界として神秘的に伝わってきた。井戸から水を汲み、炭火でお湯をわかして、お茶を立てる。赤いふくさばきなど歴史的古い日本文化そのものであった。亀松氏は木造の仏像のような日本人美男としてその空間を飾っているようであり、微笑を絶やさない。豪華な邸宅が幸せな風景に映る。集まった人の話題も自然に心配りのある優しい「愛の物語り」のようであって、幸せな時間であった。

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