崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

日本は金の国

2013年12月05日 05時32分14秒 | エッセイ
先日シンポジウムに一緒に登壇した地理学者の川村博忠先生が古今書院から出版されたご自分の力作の著書『江戸幕府撰日本総図の研究』を持って来られた。私はB5版の350余ページの大型の大作を出版準備段階から応援しており、うれしく限りない讃辞を述べて、独創性をうかがった。江戸幕府が権力をもって領土を確認確保するために作ったその日本地図の歴史の本幹をはっきりさせたものだという。そして日本はマルコポーロの『東方見聞禄』に金の国と書かれていてコロンブスが東洋の金の国のジパングを探しに航海して着いたのが西インドだという。世界最初の地球儀には中国や朝鮮半島は現れず日本が存在するのはそんなことからであろう。韓国で学んだ常識ではインドを探して行ったのでインドつまり後に西インドと命名されたという知識の誤りが指摘された。つまり韓国ではコロンブスの航海目的地が日本であったということはただの一度も聞いていないことは私の無知であるか、韓国の教育によるものであるか深く考えて見る必要がある。先生は私の無知を確認したようで長くマルコポーロに関する常識を述べられた。早速検索した。一般辞書などには私が知っている内容であった。新しく考えてみることにした。
 昨日はもう一つの出版の話題があった。私の準備中のエッセー集の『雀様が語る日本』が来週出版になるという連絡を受けた。日本に関して批判と称賛を多く語ったものである。漢字を国語としている日本で、私の苗字の「崔」を「雀」と誤認する日本人の文盲から文が始まる。「日本はもう先進国ではない」「日本はまだ先進国である」という相反する項目が並んでいる。またこの本は家内の幸子と出版社の幸子さんの校正によって私の日本語がある程度安定しているということになる。日本文学の専門書を多く出版している新典社によって、私の日本語が「下手」という劣等意識から解放され、日本文に少し自信を持てる気分になった。表紙は友人の建築学者の大久保裕文氏がわが家の窓から門司港を眺めスケッチしたものをもってデザインしたものであり、美しい。「雀」の字が若干ボケているように見えるのも意味深く感じられる。(写真は表紙)
  

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