崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

日韓食文化の影響

2009年06月04日 05時12分30秒 | エッセイ
 先週の講演(東亜大、焼肉文化)では栄養、味、文化について、特に焼肉文化が大陸の牛肉文化からの影響を広く世界的視野から説明し、日本の食卓に韓国のキムチや焼き肉料理が上がるようになったことに焦点を絞って話たが、質問用紙を読みながら反省するところが多い。朝鮮焼肉が1920年代から在日朝鮮人労働者たちから波及して全国に普及していき現在に至った。それがいわば在日の三大企業(パチンコ、焼肉、サンダル)の一つである。それは韓国の伝統的なサンジョク(散炙)とは違う料理であり、韓国へ逆輸入された。しかし日本で肉を食べはじめたのは朝鮮人からであるという説明が足りなかった。犬肉文化は日本には入らなかった。日本は魚、鶏肉文化を強く形成してきている。そして世界三大穀物(麦、稲、モロコシ)の中の稲のジャポニカを主食とするのは中国南部、朝鮮半島、日本に共通しており、中でも餅文化は朝鮮半島(朝鮮と韓国は国名)の南部と日本、太平洋の南方文化と繋がる。美味しさはよそ者からは感られないものも多い。サンジョクと日本の焼き鳥の場合、串を使うのは世界的に広くみられる。韓国と日本が徹底的に違う点は、1)餅米使用率が日本が高い(南方文化)。2)副食は日本が生魚、韓国が焼肉。3)日本は比較的に開放的(キムチ、焼肉)に受け入れており、韓国は非常に保守的である。多様な味を味わうためには日本の方が望ましいといえる。傾聴してくださった方々へ感謝を申し上げる。
報道資料:毎日新聞でエッセーを連載中の東亜大人間社会学科・崔吉城教授(68)が30日、下関市一の宮学園町の同大学で、「焼き肉は日本文化か?」をテーマに講演した。市民約100人が集まった。同大の市民フォーラム「関門食文化の伝統と創造」の一環。崔教授は「焼き肉文化が実は朝鮮半島から来ていることを知っている人は少ない」と話し「味覚」と「文化」の関係性について言及。日本では、韓国で重宝される「牛の血」が 受け入れられていない一方、内臓などは広く食されていることに「おいしいと感じるかは、その食文化になじんでいるかどうか」と話した。そのほか、韓国では食べない日本の野菜なども紹介。崔教授は「文化は愛情の問題。韓国の食文化が広く受け入れられているのは多くの日本人が韓国を愛しているからだと思っています」と締めくくった。【尾垣和幸】 毎日新聞 〔下関版〕
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20090531ddlk35040295000c.html
:2009/05/31(日) 14:54:45
 

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