崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

厳しい教育であった

2006年07月20日 06時11分28秒 | エッセイ
 昔、私の講義において、ある4年生が出席未達で失格した。その学生はそれで卒業が出来ないということで問題になった。学長秘書から連絡があって、彼の父親は誰もが恐れていた権力機関の長であるというのだ。私は屈しなかった。お土産が届いたが現金が入っていた。家内が早速返送した。数日後彼の母親が尋ねてきて、はじめて先生らしい先生がいるということで感謝の挨拶をするためにきたという。幼稚園から今までよく権力や賄賂などで通ったのが、ここで詰まったので驚いたという内容の話であった。その言葉には私も感動したが、その母に私は自分の教育観を披露し、成績は出さず、彼はその年には卒業が出来なかった。心痛い教育であった。

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