崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

韓国における「日流」

2006年01月15日 05時52分28秒 | エッセイ
 韓国・慶南大学校の張竜傑教授から面白い本が届いた。土佐昌樹・青柳寛編『越境するポピュラー文化と想像のアジア』(めこん、2005)には張教授の「韓国青少年が夢中になる日本のポピュラー文化」をはじめ沖縄、台湾、香港、韓国の大衆文化の国際性について論じた7編の論文が入っている。これらは最近のマス・メディアやインターネットなどによる文化の国際性に触れている。文化は政治家や知識人に先導されて越境するわけではない。今中国や韓国では政治家たちの反日的発言が続いているが、大衆文化はそれに逆行する。張教授は韓国の「楽観的な未来図」として民族主義的な優越感から脱皮して新たな文化的コミュニケーションの可能性を提示している。さる12月1-3日にフランスパリで開かれた「日本学とは何か」という国際シンポジウムでBouissou氏がフランスなどでは版権が高い文化商品は簡単に作れないところに日本の漫画が輸入され大流行している事情、ハイカルチャーからポップカルチャーへ、そしてストリーの展開の速さ、登場人物の多様性の日本漫画が好きである。だからといって日本が好きだということではないと述べている。

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