崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

日本は劣化している

2012年01月23日 05時25分27秒 | エッセイ
今日は旧正月である。韓国が旧暦で正月を祝うようになったのは最近のことである。行政的に休日化してから完全に旧暦正月化されている。二人の韓国人と韓国出身の弟子からお歳暮と祝いの電話を受けて二回目の正月の雰囲気に包まれている。
 今朝の「毎日新聞」に二件読み物がある。一つは「余録」に私の知人である韓国の又松大学校の李根元教授の話が引用されたものである。李氏が日本に出講して、最近の日本は「劣化」していると印象を語ったといい、たとえば日本の車内で本を読む風景がなくなったという。一昔前まではアジアで日本が先進国のモデルであったが、最近には日本が廃れていくような話を国外から多く聞くようになった。それは本当であろうか。それが本当であれば、「豊かさ」に育った人と文化がしぼんでいくことであろう。国際化時代、グローバル化時代でも日本は鎖国的(?)な政策をとっているからであろう。
 もう一つは下関版の「支局長評論」(三嶋祐一郎)に芥川賞受賞作家の田中慎弥氏に関する文である。下関にはなぜ作家や俳優などが続出するかの見識である。彼は大陸との関係、人や文化が往来交流して常に住民が刺激されているからではないかという。私は先日地域新聞の「長周新聞」に寄稿した「港町の下関」で映画関係の人材が続出することに触れたが、三嶋支局長の文を読んでその背景が分かったような感がして嬉しい。
 田中氏の小説「共喰い」を完読した。先日本屋に行ってもなかったが「すばる」10月号を手に入れることができた。一晩で読み終えた。明日感想を書こうと思う。
 

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