崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

朝鮮通信使登城行列図を読む

2012年07月22日 05時22分52秒 | エッセイ
 東アジア文化研究所主催のシンポジウムの時(写真)、長府博物館古城館長が紹介した作者未詳の「朝鮮通信使登城行列図」を読んだ。古城氏の配慮で2回目の直接拝見であり、昨日は礒永和貴准教授と蔚山大学校の魯成煥教授と一緒にその複写写真を検討した。小童を含め300人の通信使が5月中旬から6月の中旬までの約1ヵ月間の移動過程の内容である。朝鮮からの出発からではなく、江戸城へ登城するところが描かれている。私がこれに関心を持つのは専門の絵描きさんではない、多少稚拙ではあっても絵と文で描かれた内容である。当時の日本人の著者が「唐人」「朝鮮人」を直接観察して絵と文で書いたものである。私は読んでいるうちに絵の順番と説明の順番などが異なっていることに気が付いた。
 私の関心に加わってくれた人はソウルのある出版社の社長である。彼は日本語を知らなくともこの絵に関心を持ってすでに二回も来られて出版向けの作業をしている。彼は学識のある父親から出版社を引き受けた社長であるが、学問への熱情と博識には驚かされている。以上の私を含め4人の共同作業になり、研究グループなど作れそうで嬉しい。通信使の精神は日朝友情であり、その友情が今生かされていきそうである。

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