崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

『Homo Deus』

2019年03月18日 06時22分22秒 | 旅行

 京都の国際日本文化研究センターでの研究会から昨夜無事に帰宅した。無事とは前回に比べて健康状態も良く、指定席であって、予定通りに帰り、韓ドラの連続テレビに間に合ったことである。研究会でも日韓、日中の関係が悪いと言われても民間レベルでは関係が悪くないと発言した人もいた。
 帰りの電車の中で『Homo Deus』を読んだ。これからは戦争は起こらない。経済が重要な抑止力になると述べている。文大統領は南北統一という反日平和商品で人気を図ったが経済的に困るだろうというメッセージが読み取れる。
前回の京都での講演について書いた新聞コラム「日本人は勤勉と正直」の掲載紙が届いている。

 

 
「日本人は勤勉と正直」
崔吉城

 京都とは縁が古い。国際日本文化研究センター、大学などで研究会や講演に往来している。現在も井上章一教授のプロジェックトの「近代東アジア風俗史」研究会に定期的に参加している。先日、京都でタクシーは古い道、一方通行のような街をジグザグ走った。私にとっては見物するのに都合が良い。今度初めて京都の古い道を楽しんだ。奥様が在日、自称「親韓派」という京都大学の小倉紀蔵教授の配慮により32日と3日の両日、京都市国際交流会館と京都大学で講演があり、京都に一泊した。
32日の演題は「小倉紀蔵教授と対談:中立派文化人類学者、日本と朝鮮半島を語る」であり、最悪といわれる日韓関係を言わざるを得なかった。私はつい最近韓国側から3回も講演依頼がキャンセルになったバッシングを受けた話から始めた。その一つで、ある釜山のある私立大学校から「海外名士招請講演」が前日にキャンセルになったが京都市と大学では無事に行われること。小倉教授のリードによってスムーズに進行された。
京都市国際交流会館に着き、早速打ち合わせになった。満室、補助椅子が出された。民団の元団長や大阪の「コリアンワールド」同胞新聞の李相善社長をはじめ関係者も参加した。私の古い知人の朴潤氏らも参席した。嬉しかった。休憩をはさんで10数人の質問に答える形式で終わった。「親日」ということばは親米、親中とは異なって韓国では売国奴ほどの悪口であることを初めて知ったという人もおられた。韓国の反日、親日には市民の異様な表情が印象に残っている。
 私は風邪で辛さが残っていた。古い飲み屋通りの中にある伝統的な旅館で一休み、夕食会に行った。提灯が多い四条の川辺通りの居酒屋で酒席に招かれた。同志社大学元教授の林廣茂氏、1940年朝鮮扶余生まれアメリカで商売、経験豊かな方。サハリンからの留学生チョン君、そして主催の小倉先生の4人の集いだった。
私は商学専門の林氏に、「勤勉であれば金持ちになれるか」と質問した。植民地と戦争で悪名高い日本人がその地に残したのは「日本人は勤勉と正直」ということだったと言ったところ小倉先生から大反論された。「勤勉と正直」だけでは金持ちなれない。私は言う。日本人がアジアに残している貴重な遺産、それが今の日本人は勤勉も正直も薄れていく。特に政治家の不正、森友、加計学園の嘘などは残念なことである。
風邪薬でふらふらしていながらも楽しい時間が続き、提灯町の真ん中の伝統的な旅館に泊まった。京都大学では、「日韓関係の過去と現在から『尊厳』を考える」であった。教授、大学院生、一般人が参加して、長時間、楽しい時間だった。連続的に日本京都で予定通り講演が無事に終わった。韓国のバッシングで大変屈辱的な敗北感の連続だったが、恨みを返した気分だった。やっと平均感覚を取り戻した気分である。京都駅まで小倉教授らが見送りしてくださった。感謝である。

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