崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

医術は「人術」

2008年10月23日 06時07分00秒 | エッセイ
 昨日は医療工学部の学生に、以前広島大学院で私が指導した中村八重氏の博士論文を中心に生命倫理について講義をした。完全「死」、死体の「人格」と葬式、生体の変形や移植と死者処理、クローンなど問題点を数多くあげて講義した。あまりも大きい問題に学生たちは唖然としていた。医療に携わる人は特に生命や人権を意識しなければならないと強調した。
 その直後歯科に行って治療台に目を閉じていろいろと振り返ってみた。子供の時には松の実を剥くペンチで歯を抜かれたことがあった。中国少数民族で道端で抜歯するのも見たことがある。私は20年ほど前に韓国から日本に転職して来た時、一本の歯が動いて抜かないといけないが歯科に行く時間がなく、そのまま名古屋へ引っ越してきて、さっそく歯科に行った。抜くと思った歯を張り金て止める処置をしてくれて未だに使うようになった。常に感謝している。当時の歯科医療の質が日韓でかなり大きい差があると感じた。しかし日本の中でも歯科の差は激しい。それは設備の差であることもあるが、もっとも基本的には歯科医師の技術の差である。それは医療を勉強する学生の差からくるものであろう。古くから医術は「人術」「仁術」とも言われているように医術が倫理観をもって行われることを望む。

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