崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

愛の物語り

2009年02月15日 06時49分30秒 | エッセイ
昨日は2月14日バレンタインValentineデーであった。家内と家内の友人からのチョコレートを食べた。日本ではこの日にチョコレートの消費量が一番多いと言われている。当初は女性が男性に愛を告白する日であったのが、もっとポピュラーに交際中の恋人や、夫婦の間、上司や同僚、ただの友人などの親しさや尊敬を表すためににもチョコレートを贈る。このような習慣は商業精神によって世界的に一般化された。
先日チョコレート工場の映画を見たことを思い出した。母の日にカーネションを送るようになったのが花屋さんの花売り宣伝から一般化されたように、この日にチョコレートが売れるようになったのは日本では1960年代に森永製菓が大々的にキャンペーンを行ってからであるという。バレンタインデーとはロマンチックromanticな愛の物語りが流行ったローマRomanus時代のロマンスromanceが関連付けられている。この記念日の起源はローマ時代の愛の物語りである。
 娘たちが紙に名前を書いた札を桶の中に入れ、それを取った男と祭りの間パートナーとして一緒になり、時にはそのまま恋に落ち、結婚するというロマンスである。またローマで兵士の婚姻禁止を犯してキリスト教司祭のバレンタインが兵士を結婚させ、処刑されたとされた記念日でもあるという。それがキリスト教の祭日にもなった。
 私は中国雲南の村で若い男女が歌で愛を語り、縁を結ぶロマンチックな民俗うたげを調査したことがある。また中国には七夕の愛の物語りが伝わっており、韓国ではそれに因んだ烏鵲橋が恋の象徴的な意味をもって語られることが多い。これらは特定の男女の愛の物語りであるが、バレンタイン物語りのロマンスは恋人以外に夫婦、友情、尊敬など幅広く、そしてチョコレートの甘さが結合された文化商品ともいえる。単なるチョコレート売りの商魂を超えて暖かい人間関係に潤滑に果たすことを望む。

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