崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「先生の日」

2016年05月16日 05時56分46秒 | 旅行
一昨日は日本では「ストッキングの日」と聞かされたが、韓国では5月15日は「先生の日」であった。日本や韓国の教え子から感謝の音信があった。中国、韓国、台湾、香港などでは「教師の歌」があるがなぜ日本にはないのだろうか。アメリカでは教師という職業は特別なものではなく、清掃業の一つ上のランクに位置すると言う。戦前は教師を聖職と考えて、教育勅語、二宮金次郎銅像を校庭に立てたり軍国主義教育をした負の歴史があるからではないかとも考えられる。しかし韓国では医師、牧師、教師の3師は尊敬される職種という伝統がある。1963年恩師の日、それを師匠の日'스승의 날'に改名し現在に至っている。先生を尊敬するという行事なども多く行われている。
 私は1965年から50年以上教鞭をとっている。決して良い先生と言えないかも知れないが師範大学ではさまざまな教育学や教育哲学などの講義と実習をして教員になった。それらが教育の基礎となっているのはもちろんであるが、それより私の先生たちによる人格的な影響が大きい。恩師の一人尹泰林先生は京城帝大出身者、日本時代に郡守をし、弁護士、そして教授、総長の経歴の方であった。先生が総長の時はすでに80歳でも私的に公用車を利用しない、公私の区別をはっきりされていた。今、東京都知事のことが報道されているがそんなことを聞くにつけても恩師への尊敬感が湧いてくる。その先生が尊敬している先生は帝国大学の日本人の先生であった。、