崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

少年漫画

2016年05月13日 05時16分05秒 | 旅行
 一昨夜のプライムニュースで桜井よしこ氏の北朝鮮は今年中にも崩壊するかもしれないという発言には驚いた。しかも彼女の広い識見、明確な論理などの説得力は高い。昨日の観光人類学の時間では北朝鮮観光をテーマにした。冒頭に延世大学韓国語堂に2年間留学した柴田君を登場させ、韓国留学の体験と板門店観光について話をしてもらい、学生たちと質疑を行い、私の板門店観光や2002年北朝鮮旅行の話に繋がり、私が撮影したアリラン祝祭の映像を見せた。板門店を危険な場所として緊張感を売り物としている韓国側の観光ガイドについて柴田君は印象的な話をした。ミニスカートやジーンズなどの服装は禁止、カメラ写真規制とは対照的に北朝鮮側からは服装や写真について自由であったことについて意見を求めた。次の時間で議論をしたい。
 蓮日北朝鮮の少年漫画のような指導者への偶像化、英雄化が報じられている。ヒトラーの再演のような禁じられた国、ニュース源としてメディアが喜んでいるように感ずる。経済制裁で苦しい状況下でも楽園と叫ぶ国民たちが可哀想である。以前私は高麗ホテルで滞在しながら2万人が操るカードセクションのアリラン祝祭、壮快な創出演芸を楽しんできた。戦前の戦況下の日本の「聖戦」を想像し、李承晩大統領の聖人化、朴正熙大統領の開発独裁化の歴史の流れを考え、北朝鮮の3代続きの王国化に戸惑っている。桜井氏の発言の意味は何だろう。