崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「命令と服従」

2016年05月04日 05時30分48秒 | 旅行
先帝祭は暴雨で残念であった。その分、韓国ドラマ「太陽の後裔」の鑑賞を終えることができた。中央アジアウロック(仮名)に派遣された特殊部隊と医療奉仕団の活動、戦争と地震など極限の環境の中で軍人と医師のヒューマンラブストーリーである。中国と同時放映したということも気になったが、女軍尹中尉の話は中国朝鮮族の朝鮮語のような話し方が視聴率をあげたのかもしれない。冬のソナタでも男性主人公が人気があったように今度も中国で男性主人公のユ大尉のソン・ジュンギのイケメンが話題になっているようである。それは視聴率を上げた女性ファンが多いことを意味するだろう。普通美貌といえば美女を思い出すが、映画やドラマでは男性美が注目されるのも現代メディア中心社会を表す。私は韓国軍の大尉出身であり、ユ大尉が陸軍士官学校を卒業してアメリカのウェストポイントを終了したことは軍のエリートコースといわれた人物像、同階級の将校として共鳴するところが多かった。軍隊と軍人は一般社会とは異なる。階級主義、「命令と服従」の世界、そこには人脈、権力関係によって出世もできる。軍人の出世は将軍になることである。政治には中立的であり、死を覚悟している。一般人からは不思議、異様な世界への関心を引く。その面白さを映像が映している。
 質問と答えの対話は一般の話し方とは異なる。それは滑稽な感があり、ユーモアを持たせる効果がある。会話だけではなく、韓国ドラマはマンネリズム、結婚反対、川で自殺を図る、交通事故など安易な設定でも視聴率の高さを自慢する風土がある。映画を見て、一緒に食事をするなどしてゴールインへの恋愛コースが決まっている。そんなドラマを毎日楽しむのはなぜであろう。このドラマでは「愛国心とは何か」を語る。訓示などの形式をはるかに超えた高次元の話である。女医のソン・ヘギョはユ大尉と恋愛コースから外れた離合を繰り返しながら愛情を深め再会するハッピエンディングである。中国では人民軍との投影により人気があったのではないだろうか。6月から日本でも放映が決まったようであるが、このドラマに日本人はどんな反応をするのだろうか。