元同僚であり、現在でも大学院に関わっておられる川村博忠氏が先週広島大学で開かれた日本人文地理学会で学会賞を受賞した。彼の業績は既に山盛りであり、私はもっと一般的に読まれるように新しく執筆を願ったり話し合ったことがある。そして執筆中の話を時々伺っており、去年は巨作の著書『江戸幕府撰日本総図の研究』(古今書院,2013)をいただいた。冗談でも学問以外のことは言わないような真面目な学者である。私は東亜大学に赴任して以来、親しくお付き合い頂いており、互いの人生や学問を知っている。最初の話題の火元は彼が1935年当時京城で生まれたこと、秋田に疎開したことであった。秋田は私の家内の故郷である。そして彼の絵図の研究の話に引き込まれて、絵図研究グループにまで招かれてソウル大などの調査にも参加した。彼が受賞されたことは嬉しい。多くの受賞には意外な感があるが、彼に関しては当然だと思う。大なり小なり受賞と聞くとおめでたい、うらやましい、やきもち、無視するなど複雑なきもちが生じるであろう。つまり 肯定的、否定的な感情を引き起こすのである。そのために賞制度が存在するのかもしれない。
昨日韓国では全国的に大学入試の修能試験、いわば日本のセンター試験に当たるものが行われた。その試験に合格することによって身分が上昇する。現代版の科挙試験である。親たちの合格祈願に韓国では私がしばしばテレビ出演して説明したことを想起する。韓国の名門大学はソウル大である。大学の特徴や専門性による名門と言われるのは二の次である。トップへの一直線的な順位は替わりはない。この試験が家門の栄光になる意識は変わりのない学歴社会である。ソウル大学は戦前の京城大学が前身である。今は古い建物をほぼ壊して校舎も移転しているが図書、博物館、遺物などそのまま伝授しており、李朝の科挙制度や植民地教育を強く引き継いでいる。
昨日韓国では全国的に大学入試の修能試験、いわば日本のセンター試験に当たるものが行われた。その試験に合格することによって身分が上昇する。現代版の科挙試験である。親たちの合格祈願に韓国では私がしばしばテレビ出演して説明したことを想起する。韓国の名門大学はソウル大である。大学の特徴や専門性による名門と言われるのは二の次である。トップへの一直線的な順位は替わりはない。この試験が家門の栄光になる意識は変わりのない学歴社会である。ソウル大学は戦前の京城大学が前身である。今は古い建物をほぼ壊して校舎も移転しているが図書、博物館、遺物などそのまま伝授しており、李朝の科挙制度や植民地教育を強く引き継いでいる。