崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「主体思想」

2013年08月15日 05時32分56秒 | エッセイ
 昨日姜氏夫婦を人類学ミュージアムと角島大橋へ案内した。車内で姜氏に後ろからテープレコーダーを私の口元近くにして韓国文化人類学の初期活動についてインタビューされながら走った。10時過ぎに豊北町の人類学博物館についた。前回新聞記者と取材に来た時は不親切さを感じたのでまず客としてチケットを買い、弥生遺跡の実現展示を見ている時に学芸係長の吉留徹氏、学芸員の高椋浩史氏の二人が迎えに来てくれた。吉留氏は自己紹介で熊本大学時代に私の集中講義を聞いたといい、私は嬉しかった。高椋氏は骨からみた性別の特徴を説明してくれた。特に男女の身長、骨盤、耳骨などによって差を見つけるという。記念写真を撮り、野外展示をみて休憩室に入って、偶然に安倍総理大臣の奥様の安倍昭恵氏に会って、大学行事に招待したいということも含めて本当に短時間だったがお話もでき、記念写真を撮った。
 ミュージアムから角島は目の先のように近いのに渋滞でのろのろ運転、ようやく大橋を渡り、島を一周しても駐車場とレストランはどこも満員で入れず向かい側のホテルで高級昼食をご馳走になった。姜氏との対話やインタビューが長く続いた。姜氏は韓国の生涯口述史として資料集を続刊しているので参考にするようであるが、私は別に気をつかわず韓国の学問を総合的なイメージとして北朝鮮の標語の「主体思想」と表してしまった。ナショナリズム、国粋主義、それより強い意味であろう。アカデミズムと政治が分離されていないことを強く指摘した。「入国禁止」フォービドンカントリーforbidden countryの国際化の特徴をそのように表現した。時代は変わっても人の心は変わり難い。ショックが必要であろう。