崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

端島(「軍艦島」)

2009年04月28日 06時03分50秒 | エッセイ
 軍艦島が一般に公開されているという。数年前サハリンの炭鉱での朝鮮人労働動員に関する調査の一環として長崎の炭鉱にも関心をもって調査に行ったことがある。在日(総連)の故朴文奎氏が高齢にもかかわらず戦前三菱工場で働いた現場に案内して当時の労働事情と被爆の状況を語ってくれたのを思い出す。
 この島は周囲1200メ-トルの小さな島であるが三菱が石炭の海底炭鉱地として発展させた。地下600メ-トルに達する海底炭坑で朝鮮人約500名・中国人約200名の労働者が死亡したという。
 上水流君と船を貸切りにして、私は船の先端にビデオカメラを固く握って座って出かけた。船は30ノット以上の超高速で走った。その時はさすがの私も風に飛ばされそうで怖かった。この島に近づいてから周囲を回りながら観察した。高いコンクリ-トの絶壁に囲まれていたが九階建ての高層ビルが立っていることに驚いた。強制労働など、日本の負の歴史を背負っいるこの島が公開され、世界文化遺産の話にもなっている。
 新石器時代の「ゴミ」捨て場も文化遺跡として指定されていることも含めて悲惨な歴史も持っている島も文化遺産になる。それは納得するが、このように考えると全世界が「世界文化遺産」になりうるかもしれない。