崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

痴漢罪

2009年04月16日 06時08分47秒 | エッセイ
 十代の少女たちがミニスカートなど、過剰に露出しているのを見ると、女性という体に男の視線が引かれるということに存在感を感じているように思う。男は女より性欲が強いようであり、性欲管理が人生そのものともいえる。カトリックの神父やある仏教の宗派の僧は禁欲生活が厳しく戒律を守っている。聖書には性を思うだけでも姦淫だという。一般的に男が性的に危険人物であるならば、女淫は男性にとって落とし穴なのだろうか。
 フロイドは性欲が生きる力の「生命力」だとも考えた。男女の性愛は生理的、社会的、文化的に貴重なものであり、男女が一緒に生活をするのは重要なことである。その上、守る掟や法律があり、痴漢罪が問われることもある。痴漢罪に問われた防衛医科大教授名倉氏(63)が最高裁で無罪判決を勝ち取った。その判決の適否は私は分らないが60代という年齢としては性欲を制御できる年齢と、性を過剰に見せようとする十代の少女との対照的な関係として異様な感じがする。
 日本ではアメリカのハラスメントを受け入れて女性専用車両など被害者保護主義が過剰に問題視されている。人間も動物も男女が共に生きるという大前提、その中で互いに注意すべき「性と制御」を考える判決である。