崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

見えないものへの感謝

2008年05月09日 06時17分32秒 | エッセイ
 多くの学生たちは奨学金をもらっていながらも金額以外に奨学金名などを知らないし、感謝も感じない。昔ある財団の理事長から聞いた話を思い出す。学生たちに一人ひとり個人的にポケットマネーを少しずつ上げたら非常に感謝し、人によって忘れず恩恵とさえ思う人もいるが、奨学金として制度化した形てあげると感謝しないのが普通だという。つまり彼に言わせると人は見えにくい存在からの恩恵には感謝しない人が多いという。人はそれだけではない。親や先生などへの感謝も感じない人が多い。まして神様への感謝を感ずる人は少ないであろう。「感謝」とは授受関係を超えて、生き方の本質に関わるものである。奨学会の理事長は個人との感謝関係を超えて、制度によってその貢献は社会制度から報われるはずである。しかし感謝されることは報われることや期待することではないし、感謝することはその人自身の生き方であることを悟るべきである。