崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

植民地建築保存

2008年04月15日 06時50分36秒 | エッセイ
 朝鮮総督府庁舎を壊すことに反対しその過剰な言説を分析して日本民俗学に掲載したことがある。反日思想の中で植民地研究を始め、非難されながら新しい時代を待ったが韓国でその植民地建築を保存すると発表された。20年ほど前から非難されながら、死後にでも認められたらそれで良いと思っていたのに、今目前に展開されているので戸惑う感じである。振り返ってみると被差別集団の巫女を調査する時、迷信打破運動で苦悩したが、いつの間にか彼ら彼女らが人間文化財になっている。世の中の価値観とは、正義とはどこに基準があるのか。今私が持っている価値観もいつ無効になるかわからない。ミクロに身の回りにも私の価値観とはまったく異なっている人が多い。この世はそれが普遍的な現象である。社会はいつも正義らしい正義もなく、汚れた世界を見せている。「私は正義である」といった聖書を開いて読んでみる。