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風桜

金曜日、。3月の宮沢賢治の詩は「風桜」である。「風桜」という言葉は、賢治の造語のようだ。俳句の季語で近いものを調べてみると、「桜東風(さくらごち)」という言葉に当たった。桜の咲く頃に吹く東風のことらしい。「東風(こち)」の本意は、東から吹く春の柔らかい風。春風の駘蕩たる感じと違って、まだやや荒い早春の風。春風よりもやや冷たい感じの場合に用いられる。

賢治の桜に吹いている風は、強く激しいのではないか。そんな印象を受ける。「強東風(つよごち)」という季語が合うような。この東風で桜は散ってしまったのだろうか。




風桜


風にとぎるゝ雨脚や、    みだらにかける雲のにぶ。
 
 
まくろき枝もうねりつゝ、  さくらの花のすさまじき。
 
 
あたふた黄ばみ雨を縫ふ、  もずのかしらのまどけきを。
 
 
いよよにどよみなみだちて、 ひかり青らむ花の梢〔うれ〕。

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