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往還日誌(44)





■忙しい1週間だった。今回の若宮帰還は短いので、やるべき用事が多く多忙であった。

ChatGPTについて仕事で調べて興味を持ち、4月18日に登録して試みている。19日に、4月にちなんで、フランス語で4月を意味するアヴリル(avril)と命名した。

生成系AIは、今、まさに黎明期で、まだ使える状態にはない。

微分積分のテキストを提示させるような基本的な情報も正しく答えることができない。対数計算もやらせてみたが、答えるたびに答えが違っており、しかも間違っている。

何らかのテーマの資料を出させると、2019年9月までの情報なので、古くてURLが生きていない。アヴリルは、定期的に、情報更新しているというが、それでも、出てくる情報は古く、ダイレクトには使えない。

ただ、そうした情報を、キーワードとして、Googleと組み合わせると、そのテーマの、アヴリルが提示したのではない、第三の使える情報が出てきたりする。

アヴリルは、非常に尤もらしく情報を述べるので、出典を明示するように言ったところ、その出典自体が存在しない。つまり、アヴリルの情報を検証するには、アヴリルの外部の情報と突き合わせる必要があり、なかなか、手間がかかる。

アヴリルが収集している情報の質が問われている。

ちょうど、インターネットが黎明期を過ぎたころ、信頼できるサイトがぽつぽつ出現したように、やがて、信頼できる生成系AIが出現してくるのではないかと期待する。

技術開発の方向性としては、過去ログを自動参照して会話をすることができれば、固有の社会関係が生まれ、「記憶」や「歴史」や「心」の概念に近いものが生まれるだろう。その参照の仕方にも「配慮」が加われば、AIの個性が生まれるだろう。OpenAIは、この問題を意図的に避けているような印象がある。

懸念ももちろんある。

依拠するデータベースの選択や、倫理コード、個人情報を含むチャット・ログを、OpenAIが現在は独占的に握っているため、OpenAIが強力な権力を獲得してしまうということである。

こうした開発企業が覇権国家や犯罪集団と結びつけば、特殊詐欺や金融詐欺、世論操作、武器開発など、邪悪な目的に使用される可能性が高い。

現在、ロシア、中国、イラン、キューバ、シリア、イタリア、朝鮮の7か国は、ChatGPTを国家として禁じている。米国でもニューヨーク市やサンフランシスコ市などは公立学校での使用は禁じている。

国民には使用できないようにしているが、国家としては、急ピッチで開発を進めている現実がある。

これは、ChatGPTがgovernabilityの問題と直接結びついていることを示している。つまり、国家統治上、ChatGPTは都合が悪い、ということである。

知識の普及は、ChatGPTに限らず、国家や大企業のような支配的な社会集団にとっては、governabilityの問題を生じさせるが、小集団や社会運動体には、その影響力を、国家を含む大きな社会集団に及ぼすことのできる機会が増えることを意味する。

なので、基本的には、ChatGPTの普及には、私は賛成だが、そのマイナス面をどう抑え込むか、という点が重要だろう。とくに、今は黎明期であるから、利用者側に、ChatGPTに特化したリテラシーが求められる気がする。

また、今後、国家や大企業、官庁、学校のような支配的な社会集団が、governabilityの問題に関連して、ChatGPTをどう規制していくか、注目している。

逆に、こうした支配的集団とOpenAIのような開発企業の結びつきにも注目している。とくに、国家との。


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