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Cioranを読む(99) Hegel et nous(8) 1932


■旧暦2月6日、月曜日、

(写真)2月尽

結果がどのようなものになったのか、まだよく見渡せないが、一つの山を越えたのは確かなようだ。新しい峯がはっきり見えてきたから。何重にもストレスがかかって、かなり厳しい局面の連続だった。今度は、目のまえのその峯を登らないといけない。気力は十分であるが、体力が怪しい。

今日は、非常に寒かった。石油ストーブを出してきた。

ショスタコーヴィチという人がどうもよくわからない。わからないのに、というか、わからないから、気になる。そんなことってないだろうか。れっきとしたクラシックなのに、映画音楽みたいに通俗的でゆるいところに、反発を感じるのだが、他方で、全体的に見て、人間の多様性・多面性・矛盾が集約されていて、なんだか、鏡を見ているような気分にもなってくる。そういう気持ちでいつもいたので、アレクサンドル・メルニコフがショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ」作品87を全曲演奏する、というリサイタルを知って、即、出かける気になった。全曲演奏して3時間は超えていたろうか。演奏は素晴らしかった。スタンディングオペレーションと拍手が鳴りやまない。曲全体を聴いて思ったのは、この作曲家は、喰えんオヤジだというのが正直なところである。ショスタコーヴィチは、よく言えば、音楽のモラリスト、悪く言えば、事情通である。隣の若い男の子が、手でリズムをとりながら、楽しげに聴いていたが、そうした無邪気な楽しみ方が、ある意味で「現代人的な」作曲家のためには、いいのかもしれない。一つ、はっきりしていることがある。それは、好きかどうかは別にして、今後も、ショスタコーヴィチを聴き続けるだろうということである。鏡の隣人、ショスタコーヴィチ。



Le fait que la pensée philosophique de notre époque se tourne vers la dialectique (Kröner, Jonas Cohn, Liebert, Litt, Heidegger, etc) prouve qu'il est nécessaire de dépasser une pensée rigide, purment analytique, qui enferme la connaissance dans une sphère improductive. La dialectique est un processus synthétique et productif. La progression synthétique et dialectique ne doit pas être entendue dans un sens formel. La dialectique part d'une transcendance du formalisme, mais pas du schématisme, car celui-ci peut avoir une fonction concréte. Le formalisme est toujours transcendant; le schématisme a une immanence concrète.    Cioran Solitude et destin(1991) p. 166

われわれの時代の哲学的思考が、弁証法を志向しているという事実(クレーナー、ヨーナス・コーン、リーベルト、リット、ハイデッガーなど)は、ただ硬直的に分析するだけで、知識を不毛な領域に閉じ込めてしまう思考を乗り越えてゆく必要があることを示している。弁証法は、統合と生産のプロセスである。統合的で弁証法的な展開は、形式的な意味で理解してはならない。弁証法は、形式主義の超越性から出発するが、それは図式主義ではない。というのは、図式主義は、具体的な機能を持つからである。形式主義は常に超越的だが、図式主義は具体的な内在性のことである。

■形式主義と図式主義を、こういう区分で分けているのは、面白いと思った。だが、形式が超越的なだけで、機能を持たない、という考え方は、どうなのだろうと思った。つまり、形式は理念的・超越的であるがゆえに目的定立行為と関連する。その意味で、使用目的がある。形式と図式を分けるのは難しいように思うのだが。この後の展開が楽しみである。
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