verse, prose, and translation
Delfini Workshop
芭蕉の俳諧:猿蓑(19)
2009-08-26 / 俳句
■旧暦7月7日、水曜日、
(写真)秋の花(名称不詳)
朝晩、ずいぶん、涼しくなった。朝、江戸川でストレッチと太極拳。川辺の風と一体になったような気分になる。事情があって、仕事を拡大してゆかなければならない。いくつか、計画はあるのだが、今日はその関連で、新宿へ絵本の原画展を観にゆく。絵本は、作家の個性を表しているばかりか、その国の社会や文化を深いところで表わしていて、侮れない。中には、大人が読むと、怖くなるような鋭い絵本もある。
◇
デイヴィッド・G・ラヌーによる一茶の英訳
down in the shadows
lurks the ant's hell...
mountain cuckoo
shita kage wa ari no jigoku zo kankodori
下陰は蟻の地獄ぞかんこ鳥
by Issa, 1815
◇
芭蕉葉は何になれとや秋の風 路通
人に似て猿も手を組む秋のかぜ 珍硯
加賀の全昌寺に宿す
よもすがら秋風きくや裏の山 曾良
■芭蕉葉と路通の相互浸透的な対話。路通の気分は、一種投げやりだが、ある意味で、路通というアウトサイダーを通して歴史が垣間見せた真実の一つとも言うことができ、惹かれるところがあった。珍硯の句は、猿を人間の下に見ている点が気になったが、動物シリーズの笑いに分類できるもので、ユーモアがあって好きである。ただ、現代で、この発想をする場合、いかに作為を回避するかが問題になると思う。秋風の音で一晩中眠れないという曾良。秋の風は、複雑なニュアンスを持っているが、この句からそれが感じられて惹かれた。
◇
Sound and Vision
(写真)秋の花(名称不詳)
朝晩、ずいぶん、涼しくなった。朝、江戸川でストレッチと太極拳。川辺の風と一体になったような気分になる。事情があって、仕事を拡大してゆかなければならない。いくつか、計画はあるのだが、今日はその関連で、新宿へ絵本の原画展を観にゆく。絵本は、作家の個性を表しているばかりか、その国の社会や文化を深いところで表わしていて、侮れない。中には、大人が読むと、怖くなるような鋭い絵本もある。
◇
デイヴィッド・G・ラヌーによる一茶の英訳
down in the shadows
lurks the ant's hell...
mountain cuckoo
shita kage wa ari no jigoku zo kankodori
下陰は蟻の地獄ぞかんこ鳥
by Issa, 1815
◇
芭蕉葉は何になれとや秋の風 路通
人に似て猿も手を組む秋のかぜ 珍硯
加賀の全昌寺に宿す
よもすがら秋風きくや裏の山 曾良
■芭蕉葉と路通の相互浸透的な対話。路通の気分は、一種投げやりだが、ある意味で、路通というアウトサイダーを通して歴史が垣間見せた真実の一つとも言うことができ、惹かれるところがあった。珍硯の句は、猿を人間の下に見ている点が気になったが、動物シリーズの笑いに分類できるもので、ユーモアがあって好きである。ただ、現代で、この発想をする場合、いかに作為を回避するかが問題になると思う。秋風の音で一晩中眠れないという曾良。秋の風は、複雑なニュアンスを持っているが、この句からそれが感じられて惹かれた。
◇
Sound and Vision
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 飴山實を読む... | フランス語に... » |
コメント |
コメントはありません。 |
コメントを投稿する |
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません |