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芭蕉の俳諧:猿蓑(19)

■旧暦7月7日、水曜日、

(写真)秋の花(名称不詳)

朝晩、ずいぶん、涼しくなった。朝、江戸川でストレッチと太極拳。川辺の風と一体になったような気分になる。事情があって、仕事を拡大してゆかなければならない。いくつか、計画はあるのだが、今日はその関連で、新宿へ絵本の原画展を観にゆく。絵本は、作家の個性を表しているばかりか、その国の社会や文化を深いところで表わしていて、侮れない。中には、大人が読むと、怖くなるような鋭い絵本もある。



デイヴィッド・G・ラヌーによる一茶の英訳

down in the shadows
lurks the ant's hell...
mountain cuckoo

shita kage wa ari no jigoku zo kankodori

下陰は蟻の地獄ぞかんこ鳥

by Issa, 1815



芭蕉葉は何になれとや秋の風   路通

人に似て猿も手を組む秋のかぜ
   珍硯

加賀の全昌寺に宿す
よもすがら秋風きくや裏の山
   曾良

■芭蕉葉と路通の相互浸透的な対話。路通の気分は、一種投げやりだが、ある意味で、路通というアウトサイダーを通して歴史が垣間見せた真実の一つとも言うことができ、惹かれるところがあった。珍硯の句は、猿を人間の下に見ている点が気になったが、動物シリーズの笑いに分類できるもので、ユーモアがあって好きである。ただ、現代で、この発想をする場合、いかに作為を回避するかが問題になると思う。秋風の音で一晩中眠れないという曾良。秋の風は、複雑なニュアンスを持っているが、この句からそれが感じられて惹かれた。



Sound and Vision

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