大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第122回

2011年07月07日 13時12分45秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第122回



「あのねえ、お医者さんになるとか 弁護士さんになるとか 学校の先生とか そう言った特殊な職業を 目指してるとか 何かやりたいことがあるとか そんなのなら そうかも知れないけど 陵也が何を目指したいか 今分かんない訳でしょ、そうしたら少しでも 目指したいものが 見つかったときに 有利になるように 大学卒業の肩書きだけでも持ってると 楽な訳じゃない。 もし 陵也が行きたい と思う会社が見つかったとするでしょ そこの会社が大学卒業していることが 一つの募集資格だったらどうするのよ それからでは遅いでしょ」

「まあ、そうかも知れないけど でも行きたい所なんてないよ それに大学に行ったからって 何をやりたいか 見つかる保証なんて無いんだし」 それに母様の希望とやらは 何処に消えたのだ。

「陵也はいっつもそうなんだ、見つからないんじゃなくて 見つけようとしないんだ、だから見つからない。」

「そんなこと無いよ、見つかれば いいなって思ってるし・・・思ってるし・・・」  あ・・言葉がない。

「ほら、何事に関してでも 後ろ向きで 前向きになろうとしない。 だから見つからないのよ 何でも良いから やってみればいいじゃない。 『せっかく何処々の 大学を出たんだから それに関係するところに ちゃんと就職しなさい』 とか、全然違う畑で働いたからって 『せっかく大学を出たのに 何でそういうところで働くの』 なんて事は お母さん言わないわよ。 働くために 大学に行くんじゃなくて 学生の時にしかできない 自由な時間を 有意義に使って 色んな経験とか 色んな事にチャレンジするとか 友達増やすとか ハチャメチャなこととかをやりに 大学に行きなさいって 言ってるのよ。 友達が増えたら 陵也の今まで知らなかった 色んな世界を 知ることもできるじゃない そうすれば こんな事もあったんだって 興味がわいてきたりして それをしてみたいと 思えるかも しれないじゃない。」

「普通そんなことを 親は言わないよ」 遊びに行けとでも 言ってるのだろうか。 ハチャメチャなのは母様だ。



そんな会話があったり なかったりという日が 何日か続き 学校で進路の説明会があったらしい。

しっかり母様は出席した。 ・・あたりまえか・・・。 そしてそのおかげで 母様の説得攻撃に 拍車がかかった。

あまりの攻撃に ああ、もうどっちでもイイやと思い

「分かった。 楽して入れる大学があるなら行く」 そう言った。

「絶対?」 確認する。

「でも、もう二度と 勉強はしたくないからね」 受験勉強を したくないという意味で言った。

「二度と、って 陵也がいつ二度の前の 一度でも勉強したの?」 僕の『行く』 の一言で もう余裕といった感じで 今までの懇願の姿勢とは 一転して強く出てきた。

すごい変わり様だ。

「悪かったわね」 言い返せない分 女言葉で逃げた。 何の深い意味もない。






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