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かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

こんな調子だと本当に一票行使する相手がいなくなるかも?

2009-08-18 21:50:30 | Weblog
 鹿児島県で開かれた民主党集会で国旗を「改造」して党のマークっぽく作った旗を掲げていた問題、まあ私などが取り上げなくてもネット上あちこちで話があろうかと思いますが、どうも民主党は脇が甘いと言うか油断していると言うか、この手のやらずもがななミスが以前から多いような気がします。総理に指摘されてから関係者を厳重注意といったって、ネット上には前代表、現代表代行がしっかりそれをバックに演説している風景が上がっており、この人は演壇に上がるときに何故「改造」党旗に気づかなかったのだろう? と、かえって私などは不思議を覚えます。まだわが国の民草は何はともあれ政権交代、で流れていってる感があり、そう簡単に支持率に響いてはこないところがありますが、選挙までまだまだ時間がある中で、いつまでもこんなことばかりしていたら、本当に愛想をつかされかねません。

 さて、そんなことはともかく、選挙を控え、ネットを色々観てましたら、ちょっと面白そうな企画があったのを見つけました。
 一般社団法人 インターネットユーザー協会(MIAU)と言うところが先ごろ実施した、東京の全25小選挙区と比例区から立候補される予定の人に実施した「インターネットユーザーからの10の質問」というアンケートです。詳しくはリンクhttp://miau.jp/1250512200.phtmlを見て頂いたらどうかと思いますが、なかなか興味深い話が並んでいます。
 あんまり時間も取れなかったのでとりあえずその回答をざっと斜め読みしただけなのですが、これを見る限りあんまり自民党の人と民主党の人には大きな差がないみたいですし、内容的に共産党の人の回答が一番しっくりくる気がして、あれま、今度の選挙は共産党に入れる? なんてことを考えさせられたりしております。共産党はとても政権を担う勢力にはならないでしょうし、なって欲しくもありませんが、江戸幕府の大久保彦左衛門のように、ある程度の影響力のある規模ではいて時の政権に「ご意見」を述べて欲しい、とは思うのです。小選挙区制では難しいとは思いますが。
 それにしても一番いろんな情報を見たい聞きたい知りたい選挙直前のこの時期に、毎度ばかばかしいお笑いにもならない選挙カーや政見放送くらいしか候補者の情報が手に入らないというのはつまらない話です。地上波放送だってデジタル化するのですし、いい加減そういうのを効果的に使って、有権者がいつでもどこでも欲しい情報が即座に手に入るというような選挙戦が実施できるようになってもらいたいものです。

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P2Pって、まだ逮捕者が出るくらい大はやりしているのですね。

2009-08-17 21:21:34 | Weblog
 月曜日は今ひとつ調子が整わぬもので、一日まんじりともせず過ごしました。昨日の運転の疲れとか、短かったとは言えそれなりに暑かった日々に蓄積した疲れ、いわゆる夏バテが重なったのか、眠気こそないもののなんとなく気怠い一日でした。幸い夜はすっかり涼しくなって寝苦しいと言うことはありませんから、とっとと寝て明日に備えたいと思います。

 さて、ひところはwinnyが大はやりで、暴露ウィルスに感染し個人情報や機密情報をさらしたりしてマスコミをにぎわせたP2Pですが、今はShareと言うのが主流なのでしょうか。昔々はNapsterやらMXやらLimeWireやらnyも少し触ったこともありましたが、何かと七面倒だったり、PCを点けっぱなしにしてなくちゃいけなかったり、ウィルスがうっとおしかったり、そもそもoldMacで使える物が少なかったりなどなどあって、ここ数年はすっかり使わなくなりました。たとえばnyってまだ生きているんですかね? 
 で、今日のニュースで映画館で盗み撮りした映像データをShareで流したとして逮捕されたヒトがいた、との話を見ましたが、まだそういうことをしたりするヒトがいるのかとちょっと驚いたところです。いくらデジカメの性能が進化しても、スクリーンを撮影したり、スピーカーから出る音声を内臓マイクで拾ったりするのはあんまり品質的によいものは得られないだろうと思いますし、そんなものを観たいと思うヒトがそんなにいようとはなかなか思えないのですが、そういうことをしようというからには、やはりそれなりに需要はあった、と言う事なのでしょうか。映画にもよるでしょうけれど、映画はやはり映画館での上映を前提に製作側も意識して作っていると思いますし、大スクリーンとサラウンドスピーカーの大音量に包まれて観るのが一番楽しめるものだと思います。最近マルチスクリーンな映画館が増えてこの田舎町でも2館ありますが、日を選べば大人でも1本千円で鑑賞できたりします。そのコストパフォーマンスから考えると、盗み撮りした劣悪なものを手間隙かけてダウンロードし、コーディックやら再生ソフトやらに頭を悩ませ、CPUやメモリ、HD、グラフィックアクセラレーターの性能や容量に拘泥し、PCの小さな画面で見る、と言う苦労は、どうも割が合わない気がするのです。
 私は今の著作権のあり方と言うのに若干の疑問を持っていますし、なんでもかんでもP2Pを悪者扱いするのも変だと感じているのですが、それはそれとしても、せっかくの映画作品を、あえて劣化させて観る、と言う行為にはちょっと理解に苦しむものがあります。
 でも、根絶するのはまず無理なのでしょうね。MXやnyでも逮捕者が出たときはそれなりに騒がれましたけど、結局その全てを検挙するわけにも行かず、しばらくたって事態が沈静化したら結局状況に変化無し、ということになっていたようですし、今回も同じ道をたどるのではないか、と感じさせられます。結局交通違反にしても違法P2Pにしても、取締りだけで何とかなることはけしてなく、今までとは全く異なった処方箋を発明しなければ、根本的な解決には至らないのでしょうね。

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新物好きの親父殿のお世話をしつつ、メーカーももっと年寄り向けの工夫をして欲しいと思いました。

2009-08-16 22:31:35 | Weblog
 今日はお盆と言うこともあり、枚方の実家に行ってきました。往復の道が想像以上に空いており、なかなか快適なドライブで普段からは考えられない短時間で行き来できました。これくらいで毎回往復できるのならもう少し頻繁に実家にも顔を出せるのですが、もう少し道の整備も進まないと、普段の渋滞はそう緩和されることも無いでしょう。

 さて、実家では、また新物好きな親父殿がデジカメと写真印刷機を購入していて、私がその操作方法を教えに来るのを待ちかねていた、と言う状況でした。まあ新しいデジカメといってももちろん一眼デジカメではありません。お年を召した両親は、既にコンパクトなデジタルビデオでさえ持ち歩くのが億劫になって私に払い下げているくらいで、新しく買ったものも当然の如く軽くてかさばらないコンパクトなやつでした。したがって特段な技術を必要とするものは何もないので、とにかくフルオートに設定してシャッター押すだけにしておきました。別に芸術的な写真を撮ろうというわけでもなく、旅行に行ったときのスナップ写真が目的ですので、余計なごてごてしたオプションは全て不要で、レンズ付フィルムの如く、そこそこの画質でそこそこの写真が得られれば十分なのです。デジカメメーカーもうちの両親のようなお年より向けに、コンパクトなやつは思い切って夜景とか逆光とか動きの早い被写体とか言うようなオプション設定は一切省き、更に日付や時間もあらかじめ設定しておいて、箱から出して電池とメモリカードをセットしたら即撮影できます、と言うような形にして出荷できないものでしょうか。また、写真印刷などはお店に任せたほうが安上がりで出来も安心ですので、高く付くし操作も年寄りには面倒なプリンタなどつけずに、その分本体を丈夫で軽く作ってくれないものかと思います。あのシチュエーション選択のオプションなんて、今のコンピューターとセンサー技術で自動的に最適な選択をカメラ側で判断できるように組み上げられないものでしょうか? 横文字のボタンが3つ以上になった途端操作が怪しくなるうちの年寄りのことを思うと、もっともっと老人と機械のマンーマシンインターフェースには工夫の余地があるように感じます。
 食事は、宅配ピザを食べたことがない、と言うので、ためしに取って見ました。私はこのピザと言う食べ物について、香辛料がやたらとキツイ脂っこい食べ物と言う印象があってあんまりうまいものとも思わないのですが、ごくたまに食べるとそれなりには食べられました。なにより、年寄り二人がしっかり食べられたのにはちょっと驚きでした。

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11 決断 その2

2009-08-16 09:38:43 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 ばさり、と音を立てて、改良ドラコニアンのテスト結果がケンプの足元に落ちた。釘付けになった視線の向うで、ぐったりとうなだれるシェリーのいたいけな姿がアップになる。その耳に、切迫した日本語が飛び込んでいた。
「……身長推定40メートルの怪物が、現在大阪城に向かっております! その手に一人の少女が囚われている模様です! 午後10時5分、大阪市中央区、都島区、城東区に避難警報が出されました。また、大阪市全域に避難勧告が出ております! 市民の皆さんは落ち着いて、大阪府警と自衛隊の誘導に従って下さい! 繰り返します、これは特殊映像ではありません!……」
「か、閣下、ど、どうしたら……」
 さしものケンプも2秒ばかり心が空白になっていたらしい。剛胆で鳴る信頼すべき部下の狼狽ぶりにはっと気が付いたケンプは、思わずびしりと怒鳴りつけた。 
「馬鹿者! フランケンシュタイン公国の栄えある戦士が、何をうろたえておるか!」
 その一言は、ケンプ自身をも落ち着かせる効き目があった。ケンプは一言で部下の狼狽を強制停止させると、努めて冷静に榊に言った。
「どう言うことか、落ち着いて正確に説明してくれないか」

 10分後、榊から大体の状況を聞いたケンプは、ここまで連れてきた信頼厚い腹心中の腹心4名を、応接室に集めた。
「殿下は御無事か?」
「はい。現在殿下は大阪への移動を見合わされ、京都で待機なさっておられるとのことです」
「そうか、では心残りはないな」
「閣下?」
 先任のハイネマンが、怪訝な顔でケンプに問いかける。ケンプは軽く手を挙げて未然にその疑問を封じると、おもむろに口を開いた。
「既に諸君もこの大阪の街を襲う脅威について知っているだろう。私の孫娘が置かれた状況も」
 無言で四つの厳つい顔が頷いた。
「フランケンシュタイン公国軍陸戦部隊統合司令官として命じる。貴官等はこれより直ちにカール皇太子殿下の元に参じ、その御心を安んじたまえ」
 思いもよらないケンプの言葉に騒然となる仲間を抑え、静かにハイネマンが問いかけた。
「閣下はどうされるのです?」
「儂はたった今除隊させてもらうことにした。一日遅れにしていたが、ちょうど良い機会だ。今度こそ陛下には儂のわがままを聞いていただこう」
「お嬢様を救いにいかれるのですね?」
 ケンプはこくりと頷くと、四人に言った。
「これまで皆よく儂に付いてきてくれた。これでさらばだ。貴官等の未来に栄光のあらんことを」
 ケンプは言いたいことは言った、とばかりに、手を振って解散を命じた。が、四人は動かなかった。
「どうした、一刻も早く殿下の元にいけ! これは命令だぞ」
「いいえ、その命令、お受けできません」
「何?」
 静かに、しかしきっぱりとハイネマンは言った。
「閣下はたった今除隊された以上、我々に命令する権限はありません。我々は、自ら情勢を判断し、行動させていただきます」
「な、何を言うのだハイネマン」
「貴方一人を行かせはしません。閣下」
「ば、馬鹿なことを言うな! これは儂の問題だ! 貴官等まで付き合うことはない!」
 ケンプが激するほどに、ハイネマンは盤石の岩のごとく静かになった。
「ケンプ将軍。我々はフランケンシュタイン公国軍陸戦部隊士官でありますが、それ以前に、栄えある公国騎士団の一員であります」
「公国騎士団……」
 フランケンシュタイン公国軍の組織は、古く公国騎士団をその母体としている。時は移り、戦いが騎馬戦から戦車戦へと変化しても、その気高い敢闘精神と高潔なる魂は、代々受け継がれてきた。特にケンプが直率する陸戦部隊は、精鋭を持って鳴るフランケンシュタイン公国軍の中でも、特段に高い戦闘力と厚い忠誠心を誇る、文字通り現代の騎士達なのである。
「そうであります! 公国の騎士たる我らは、我が国に徒なす邪悪なる者達をうち払い、公国の平和と安寧を守る義務を負っております!」
 ハイネマンの隣で、自他共に熱血漢で鳴るモーリッツが叫んだ。
「それぐらい判っている。だから儂は殿下を、と……」
「いいえ。あの少女も、れっきとした我が公国の民です。我らが今これを見放したとなれば、神の身元に召されるとき、我らの居心地が悪くなります」
「その通りです閣下。閣下は我らに天国において先達達の笑い者になれとおっしゃりますか?」
「ヨハン、シュナイダー……」
 次々と部下達が反旗を翻し、ケンプは呆気にとられてそれぞれの顔を見た。
「もう良いでしょう、閣下。我らもシェリーお嬢様救出の栄に浴したいのです。同行を許可願います」
 最後にハイネマンが締めくくり、ケンプの決断を迫った。ケンプは右目を瞠って四人の顔を順に見た。どの顔も、けして自分から目を離さない、強い意志を内に秘めている。ケンプは再びハイネマンのところで視線を止めると、おもむろに呟いた。
「皆、私に力を貸してくれるのか?」
「はい」
「もちろんですとも」
「閣下!」
「一言ご命令を。ついて来い、と」
 ケンプはじっと一人一人の目をもう一度見つめ、もはやその意志を覆すことなど出来ないことを否応でも悟った。それはそうだろう、とケンプは思った。皆、儂が手塩にかけて一から叩き込んできたのだから……。
 ケンプは決断した。
「では改めて貴官等に命ずる。この街を蹂躙する化け物を倒し、友邦国の街と市民を守るのだ」
「閣下、シェリーお嬢様は?」
「この街の市民保護を最優先とする。だが、私は一人の人間として諸君らにお願いしたい。どうかシェリーを助けるのに、手を貸して欲しい」
 四人は、敬愛する将軍がどれほど孫娘を大切に思っているかを痛いほど理解している。恐らく将軍は、今すぐでもこの部屋を飛び出していきたいに違いない。だが、敬愛する鉄の魂は、部下に対してあくまでも公務を優先するよう命令した。それでも四人の考えは微塵も揺らぐ事がない。将軍をお助けしてシェリーお嬢様を救出する。それが自分達の最優先任務であると理解したのである。
「閣下、さしあたってどうしましょう。この国の軍に武器を借りる訳には恐らく無理でしょうが……」
 場合によっては強奪してでも、と言外に匂わせたハイネマンに、ケンプは自信ありげに答えた。
「武器ならある。ここにもっとも頼りになる我らの剣が」
 ケンプは落とした書類を拾い上げ、にやりと笑みをこぼして見せた。それは、かつて無敵と言われた鍵十字軍団を迎え撃った時と同じ、獰猛な戦士の微笑みであった。
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核は孫子の理想を実現した最初の兵器なのかもしれません。

2009-08-15 22:39:07 | Weblog
 8月15日と言うと日本人には特別な日ということで、靖国神社に参ったとか参らないとかをはじめ、色々な話がマスコミをにぎわせます。私はそういうことをやるなら9月2日にしろ、と前々から主張しているわけですが、まあそれはともかくとして、戦後64年を経て、少しずつ日本も変わってきているのかな? と感じるような話も出てきているようです。たとえば非核3原則という国是がありますが、これも2,30年前でしたら見直し論なんて口にすることすらはばかられるような一種のタブーだったように感じますが、今はかなりおおっぴらにそういう話が出てきて、とりあえずこれについて議論してみよう、という芽が吹き出しているような気がしますし、日本も核を保有すべし、という話も、ちらほらと見ることができるようになりました。そのこと自体、タブー視して思考停止に陥るよりはよほど健全で理性的な事だと思いますし、願わくば、もっと広範な国民的論議になって、この特別な日以外でも、国の方針として日常的に議論を戦わせるような世界になってくれないか、と期待しています。
 一方で、何故核だけがかくも特別視されるのか、ということに、素朴な疑問もないではありません。確かに一発で都市を破壊する驚異的な攻撃力や爆発以後も長期的に人々を苦しめる残留放射能など、それまでに登場した兵器に比べると明らかに隔絶した異質の兵器と言う印象はあります。でも、1発で10万人殺せる兵器は特別で、1発で10人殺せる兵器は普通、という感覚もどうなんだろうな、と思うのです。たとえば広島長崎でざっと20万人の方が亡くなっていますが、東京大空襲でも10万人以上の人が一夜にして殺されています。焼夷弾38万発と言う大量爆撃の結果ですが、それだけの国力があれば、何も核兵器でなくとも民間人を万人単位で殺傷する方法は現に存在するわけです。
 でも、現実問題として、このわが国に使われた2発以降、戦争はあちこちで起こっているのに核兵器がその戦場で使われたと言う例はもちろん一つもありません。それどころか、インドとパキスタンのように、不倶戴天の敵同士として争い続けてきた国が、互いに核兵器を持った途端いがみ合いをやめ、ともかくも話し合いをするようになるなど、単なる兵器が国同士の関係に大きな変化を与えるほどの影響力を持つようになっており、過去このような絶大な効力を発揮した兵器は存在しなかったことを思えば、やはり核というのは特別なものと認識してしかるべきなのでしょう。
 その昔、戦艦大和を建造した日本海軍は、この大和の存在をアメリカに公表すれば、アメリカはわが国との戦いを躊躇するのではないか、というような話があったと何かで読んだ記憶がありますが、つまるところ軍事力と言うのはそういうもので、孫子も戦わずして勝つのを兵法の上策としているように、いかに「本番」をやらずに済ませるか、と言うのが軍事の究極の目標なのでしょう。その理想的な戦い方を初めて実現したのが核兵器だった、と言うように考えてみると、非核三原則、なるものももう少し検討の余地があるのではなかろうか、と私には思えます。
 オバマ大統領の理想は理想として高々と掲げていただき、また我々もそれを応援するとして、その理想実現までの過程の中で、色々なオプションを検討し、現実問題とのすりあわせをしていくのが政治の役割でしょうし、願わくばそういう議論のできる人が国会に集まって欲しいと思います。
 それにしても昨日は民主党に入れようか、なんて書きましたけど、田中真紀子が民主入りした、と聞いて、やっぱり民主党には入れられないな、と感じました。月末の選挙、本当にどこに一票を行使したものか、悩ましいですね。

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日本版NASAを本当に発足させてくれるなら、投票してもいいかも?

2009-08-14 22:25:43 | Weblog
 天気予報で、雨の後空気が入れ替わる、と聞いておりましたが、確かに明らかに変化しましたね。湿り気が一気に昇華したというか、昼間の暑さも不快さが感じられなくなっていますし、帰宅後の風呂上り、窓を開けていると網戸越しの微風が冷ややかで心地よいです。もっとも、このままですと早晩寒気を覚えて風邪の一つも引きかねませんが。今年はなかなか夏が来ないうちに、とうとう夏が終わりつつあるようです。そんな気候のせいか、今年はさほど体調を崩すことなくここまで来ていますし、暑いときは暑くないと作物の実りも悪くなる、と思う一方で、こういう涼しい夏はやはり過ごし易くていいな、と思ってしまいます。

 さて、選挙を控え、民主党が党の政策集に複数の省庁にまたがる宇宙行政を一本化するという話を盛り込んだそうです。早速検索してその政策集とやらを見てみますと、「宇宙開発利用体制の再編一元化
わが国の宇宙開発利用を強力に推進していくために、2009年度中に各省庁の宇宙関係セクションと宇宙航空研究開発機構(JAXA)企画部門を内閣府のもとに再編一元化するとともに、将来的にはJAXAを含む独立した組織の創設を検討します。」
と書いてありました。
報道記事には日本版NASAとありましたが、なるほど、本当にこういう組織ができたら、そういう冠もそう不思議ではない気がいたします。
 宇宙開発に限らず、たとえば幼稚園と保育園とか、一般庶民から見たら何がどう違うの? というような話を各省庁が厳密に縄張りを定めてやってる例がたくさんあります。中には、食品衛生法と農薬取締法のように矛盾した現場泣かせな法律を互いに振りかざして囲い込みに懸命になっているのもあったりしますし、そんなこんなを見ていますと、本当に国のこと、国民のことを考えて仕事をしているのか、と不思議になるのは無理からぬように感じます。いっそ宇宙に限らずあらゆる分野で似通った話はひとまとめにして既存省庁から取り上げていったらよいのではないか、と思ったりもいたしましたが、宇宙開発のような、まさに国力をかけて行う一大事業が、文科省だの国交省だの経産省だのと細分化されてややこしい足の引っ張りあいをしているかのごとき現状は、是非改善されてしかるべきだろうと思います。民主党の公約には、わが国の農業に止めを刺しかねないものなど許容できない話が多いのですが、この日本版NASA構想だけは手放しで賛成したいと思いました。いっそこれだけで民主党に一票投じてみようか、と言う気にすらさせられるのですが、政権とった暁にはちゃんと実現してくれるのでしょうか?

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不思議なことに、去年と全く同じ日に不眠になりました。

2009-08-13 21:09:22 | Weblog
 昨夜は何故かうまく寝付けず、ずっとまんじりともせず、一夜を明かしました。少なくとも夜中の2時くらいまではあまり眠気もないまま左右に寝返りを打ち続け、その後少し眠りが訪れたようですが、朝5時ごろには目が覚めてしまい、そのまま起床時間の6時まで、布団の上でまたごろごろと行ったりきたりしておりました。
 多少暑いようでもありましたし、夜中は扇風機のタイマーが働いて止まった途端暑苦しさに余計目が冴える、という繰り返しはありましたが、例年に比べればさほどでもない暑さで、昨夜よりもよほど暑い日でもちゃんと朝まで熟睡しておりました。また、このところずっと右足の腰からひざのあたりが痛くて、胡坐がかけない状態なのですが、昨日は妙に痛みが強く出て、それが気になっていたのですが、これも、以前よりのことなので今更ではあります。結局原因不明のまま朝を迎え、そのまま仕事に出ましたが、睡眠不足の割りに別段疲れるとか眠いとか言うこともなく、通勤の上下も特段危ないこともないまま、今ブログをつけております。その今になっても、眠気は余りありません。なんとも不思議な状態ですが、年に何度かはそういうこともあるので、今は気にしないようにしています。ただ、驚いたのは昨年のブログでも、同じ日に「眠れない」と書いていることでした。最近過去のブログを読み返すことが習慣になりつつあったために気が付いたのですが、まさか同じ日付でほぼ同じ事を書くことになろうとは思いませんでした。ただ、今年は体調がよいのかして、昨年のような夏風邪には縁のないまま過ごしています。このまま気持ちよく秋まで行ってくれたら、今年は何がなくてもともかく健やかに一年過ごすことができた、と言える年になってくれるかもしれません。これも、ひょっとしたら移動手段をバイクから車に変えたせいかもしれませんね。こ年のような天候でもぬれねずみになることはありませんし。
 さて、今日の雨を境に空気が入れ替わり、じめじめした不快な暑さからからっとした暑さに変わり、朝夕涼しさが増してくるのだそうです。なんだかあんまり朝夕暑苦しいと思ったこともなかったのですが、昼間の蒸し暑さが幾分でもましになるのならありがたい話です。

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『御巣高山』から24年。真相究明の日はやはり来ないのでしょうね。

2009-08-12 21:56:16 | Weblog
 24年を経て、事故当時のものと見られる残骸が発見されたそうな。救命胴衣や酸素マスクと見られる残骸らしいですが、本当によく見つかったものだと思います。それにしても御巣高山の日航123便墜落事故、もう24年も経ってしまったんですね。当時はなんとなく圧力隔壁の修理ミス、という説に疑問もなく納得していたのですが、その後、圧力隔壁が破壊し、尾翼が吹っ飛ぶほどの急減圧が起こった、というには不可解すぎる数々の状況を知るにつけ、このような謎をそのまま放置しているのがいかにももどかしい限りに感じています。でも事故当時なら色々な利害関係やら何やらで公にはできなかったことも、そろそろ四半世紀になろうという今なら明らかにできることもあるだろうし、今こそ純科学的に事故の有様を徹底究明しておく時期だろうと思うのですが、「寝た子を起こすな」がモットーのわが国では難しい話なのでしょう。事故調査委員会も、4年前、再調査はしないと正式に表明していますし、もはやそれらの謎が明らかになる日が来る見込みは無さそうです。
 それでも、NTSB(アメリカ国家運輸安全委員会)あたりが、そろそろ真相究明してみましょう、と言い出してくれないか、ボーイング社の偉いサンが退職するに当たって、実はあの真相はこうだったんです、などと真相暴露するとかいうような話があったりしないものか、というかすかな期待がぬぐえずにいます。
 我らが公営放送も、埒もない偏向台湾特集番組流して集団訴訟なんて事態を招いている暇とお金があったら、こういう本当の謎を解明することを目指すような特集番組をヒトと時間とお金をかけてやったらどうか、と思います。

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地震で道が崩れたり本が崩れたりする事故、人事ではないとちと怯えています。

2009-08-11 21:30:30 | Weblog
 今日は朝5時に目が覚めてしまいました。全然気づかなかったのですが、ひょっとしたら地震で目覚めたのかもしれません。まあ全然ゆれていた、と言う記憶もありませんし、多分ほぼ確実には、そのときから強く降ってきた雨の音で目が覚めたに違いないのですが、出勤して、別のヒトが今朝の地震で目が覚めた、と言ったものですから、私までなんとなくそんな気がしたのでした。奈良県はさほど揺れていないはずですが、住んでいる場所や住まいによっては、意外に大仰に揺れたところもあったのかもしれません。
 地震の被害もなかなか恐ろしいものですね。東名高速の道路がえぐられたように削れ崩れておりましたが、本当に昼間の交通量の多いときでなくてよかったものです。当分復旧することはなかろう、とテレビのニュースを見て思いましたが、夕方までには、13日までに仮復旧できるようにする、というコメントを見て、日本の土木技術も大したものだな、と感じ入りました。夏コミに行かれる方で夜行バスなど高速を使う予定のヒトも、これで一安心ということでしょうか。
 地震で怖いなと思ったもう一つの話は、静岡市内のマンションで、大量の本に埋もれて亡くなった女性のニュース。はっきり言って他人事ではないので、気をつけないと、と真摯に思いました。崩れ立った本があんまり他人に観てもらいたくない類の本だったりした日には、あまりに恥ずかしくて死んでも成仏できないかもしれません。まあ冗談はともかく、本に埋もれて、と言うよりも本棚が倒れてきて下敷きになる、ということなら十分にありえそうなので、倒れないように工夫しておく必要がありそうです。
 
 今日、今年始めてのミンミンゼミの声を聞きました。ついこの間までヒグラシが目立ち、最近はずっとアブラゼミのジージー鳴く声ばかりしていましたので、やっと夏らしい声を聞けたと満足しております。昨年は気が付いたのが明日なのですが、2年連続して今頃、と言うことは、蝉の一生には異常気象とかはあまり関係ないのかもしれません。一方、今日は初めてツクツクホウシの泣き声も聞きました。いつもはもう少し遅い登場のような気がするのですが、蝉の主役がアブラゼミやミンミンゼミからツクツクホウシに変わる頃には、秋の気配が少しずつ感じられるようになってきます。私の一番好きな季節が早く来てくれないか、と心待ちにしているところです。

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あと何年もしないうちに、ナノマシンでガンを治療する、と言う時代が本当に来るのかも?

2009-08-10 21:47:30 | Weblog
 ここ数年の今日のブログを読んでみますと、暑い日が多かったことが判ります。2年前は、前日くらいまでは涼しかったのに、立秋を越えた途端暑くなった、と書いてありましたから、比較的今年と似通っているようです。もっとも台風前に2,3日日が出て暑い日があったくらいで、日曜日からは台風絡みの雨空で気温もさして上がらずじまい。台風が行ってしまった後は暑いお日様が帰ってくるのでしょうが、そうこう言ってるうちにまた涼しくなることでしょうから、今年は本当に文字通りの冷夏で終わりそうです。

 さて、東大病院で、脳腫瘍の治療に遺伝子改変ウィルスを用いる試験を、厚生労働省認可の元に実施するのだそうです。用いるウィルスは、ヒト単純ヘルペスウイルスI型 (HSV-1)と呼ばれるもの。ヘルペスウィルスは、くちびるに水疱をつくる病気のウィルスですが、種類を問わずヒトの細胞に感染でき、細胞を殺す力が比較的強いなどの特長を持っています。一方、がん細胞は以前からウィルスに弱く、正常細胞よりも感染しやすい特性を持つため、昔からウィルスによるガンの治療、と言う可能性が検討されてきましたが、これまではウィルスを制御できなかったため、実現はしませんでした。それを、遺伝子組み換え技術が解決したえわけです。
今回は、この単純ヘルペスウイルスI型から、正常細胞では必要でがん細胞で
は不要な遺伝子を取り除き、がん細胞だけで増えるウイルスを造ったとのことです。研究者によると、脳腫瘍に限らず、あらゆるがんに有効であると考えられるそうですが、今回あえて脳腫瘍で行うことにしたのは、脳腫瘍の中でももっとも悪質な膠芽腫(グリオブラストーマ)というガンに効果のある治療法を確立するためとのことです。このガンは、手術、放射線治療、化学療法と現在ガンで試みられている様々な治療法の粋を尽くしてみても、平均余命1年、2年生存率は30%以下と非常に致死率が高く、治療効果の上がらないガンで、このガンに対抗するためには画期的なブレイクスルーが求められていました。そのブレイクスルーに相当するのが、今回のウィルス療法、と言うわけです。
 もっとも、今回はウィルスの安全性評価が第一の目的で、治療できるかどうかを問うものではありません。公式サイトの紹介ページhttp://trac.umin.jp/hospital/ct/G47Delta.htmlで評価試験に参加してくれる患者や医者の募集をされていますが、この試験に参加しても、病気の回復に結びつかない可能性があると明記されています。それでもこの試験をきっかけにウィルス治療の安全性が確立されれば、今後より能力の高いウィルスの開発なり、接種方法等の改良などで治療効果を上げられる画期的な方法に育てるためのきっかけになります。是非安全性の確認がしっかりできますよう、更に願わくば少しでもいいから治療効果が患者で見られるようになって欲しいものです。
 それにしても、ここまできたら、これはもう一種のナノマシンですよね。今は自然界に存在するウィルスを改変したものですが、いずれそのうち、最初から治療を目的に最適化設計された人工ウィルスが生み出されるかもしれません。すごい時代になったものです。

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また大雨到来で心配なのは、今年の台風の数です。

2009-08-09 21:25:54 | Weblog
 今日はうっかりしていて連載小説の更新が遅れてしまいました。気を取られた原因は、突如南海上に出現し、北上を続ける熱帯低気圧と、その低気圧が原因と目される大雨です。高校野球で奈良県代表天理高校の試合が流れた、と言うようなことはまあどうでもよろしいのですが、この大雨で四国・早明浦ダムの貯水量が急増し、恐らくこのまま行けば、この熱低一つで一気に満水まで行ってしまう可能性が見えてきたことです。朝から数時間ごとに速報値を観てその急上昇振りに注目しているうちに、すっかり自分ところの更新を忘れていたのでした。
 しかし、今年は台風多いのでしょうか? 今年は夏の終わりからほぼ毎月のように、東京はもとより、鹿児島やら秋田やら、南に北に走り回らねばならない予定なので、なるべくなら交通の便に影響するような気象条件は勘弁願いたいのですが、天気にはどうあっても勝ち目はないですし、万一のときはあきらめも肝要、と腹をくくるより無さそうですね。
 
 さて、『アルケミック・ドリーム 向日葵の姉妹達』もいよいよ中盤を越えて終盤に差し掛かりつつあります。今年2月に連載を始めた折は、大体半年、ちょうど今時分には終わるかどうか、と言うところかな? と思いつつ始めた連載ですが、ちょっと見込みが甘かったらしく、この分ですと大団円まではあと3ヶ月くらいはかかりそうです。どんなに遅くとも今年中にはしっかり終えて、次のことを考えていきたいと思います。

 
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11 決断 その1

2009-08-09 17:12:28 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 夜も一〇時を過ぎようとしている。
 ケンプはようやく終えた一連のテストのデータを、疲労の滲む右目で睨み付けた。
 秘密裏に事を運ぶため、公式日程の合間に無理矢理組み込んだ視察だったが、まあ結果は悪くなかった。主力戦車ドラコニアンの後継は、我が国を守る楯として、十二分な働きを示してくれるだろう。ただ、ケンプにとって残念なことに、最もテストしておきたかった「特殊装備」の性能までは今回試せなかった。そもそもそんなものを試す方法があるのかどうかさえケンプには判らないのだが、何とかして方法を見つけ、有効性を確認しておかねばならないとは、実戦経験豊富な指揮官として当然の要求であろう。ましてやあのような理解不可能な敵が相手とあっては……。
 ケンプの脳裏に浮かんだのは、ジュリアン事件の真犯人の姿である。
 漆黒の闇その物をまとったようなその姿は、歴戦を経たケンプでさえ、背筋にぞっとした冷気が下るのを禁じ得なかった。
 それに、強力無比なドラコニアンを初めとするフランケンシュタイン公国軍の精鋭を翻弄し、甚大な損害をもたらした化け物達。
 今でもあれは夢ではないのか、と疑うほどの信じがたい存在だが、自身前線で、その戦慄すべき光景をいやと言うほど見せつけられては、もはや疑う余地はない。それまで、新鋭戦車としてその性能に絶大な自信を持っていたドラコニアンを急遽改良するよう指示を出したのは、あの惨劇を目の当たりにしたからなのだ。わざわざヴィクターの友人である鬼童海丸の指導を仰ぎ、この日本において搭載させた新システムであるが、あの「精神物理学」なる胡散臭い学問の成果が本当に役に立つのか、ケンプには正直疑問であった。
 それでもその装備を中心に据えるよう指示を下したのは、現状ではそれしか手がなかったからに他ならない。
 つまり、そんなものに手を出すほどに、ケンプはかつてない焦燥感を覚えていた。それは、いつか近い将来、あの化け物達と我々人類が、その未来を賭けて雌雄を決しなくてはならないのではないか、と言う予感である。しかも、ドラコニアンがまるで通用しなかったように、現代の兵器工学ではあの化け物達に対処できないことは明らかだ。
 対抗可能な力。
 例えばケンプがまだ生まれる前の世界でなら、それは教会の聖職者達に期待できるだろう。いや、今でもまともに対峙できるのは、それ以外にはなかろうとケンプは思う。だが、実のところ当てにしていいのかどうか、ケンプには確信が持てなかった。それというのも、ジュリアン事件を調べるうちに、ヴィクターの研究グループの一員であるボリスと言う科学者が、ジュリアン暴走の引き金を引いたことが判りつつあったからだ。
 このボリスはただの科学者ではない。
 バチカン科学アカデミーに所属する、正真正銘の聖職者なのである。その聖職者が、人造人間という存在を許容できず、自ら処分しようとしたのがジュリアンを狂わせたきっかけだったらしい。
 聖職者にしてこの体たらく。単にボリス一人が神の恩寵を受け損ねた堕落者だったという可能性もあるが、ケンプには、彼ら聖職者達の実力を計る術がない。万一、普段は教会の聖壇でしかつめらしく説教を垂れている坊主どものほとんどが、いざというときボリス同然だったと知れでもしたら、我々は一戦もせぬうちに滅亡の憂き目を見せられるだろう。彼らの力を確かめられない以上、自分達に出来ることを精一杯やるしかない。それがたとえ胡散臭い代物だったとしても、いずれ研究が進めば、更に有効な手だてが出来るかも知れないではないか。その時に備えて、今手に入る機材で可能な限り経験を積んでおくことは間違っていない、とケンプは信じていた。
 分厚い報告書の束を一旦閉じたケンプは、目に手をやって瞼の上から圧迫した。軽い疼痛と心地よさが同時にじんわりと広がる。明日は再び使節団の一員となり、殿下の共をして大阪を表敬訪問しなければならない。だが夜には、気の置けない異国の友人とくつろいだ一時を過ごせるだろう。それまでの辛抱だ。
 ケンプは連日の激務に軋む体を叱咤して立ち上がった。そろそろ投宿地のホテルに引き上げなければならない。
「閣下、榊警部より連絡です。大至急ケンプ将軍に取り次いで欲しいとか」
 ケンプがちょうど立ち上がったところへ、部下のスーツ姿が扉を開けて携帯電話を差し出した。
「大至急だと?」
 ケンプは、首を傾げながらその携帯を受け取った。まず疑ったのは、皇太子殿下に何かあったのかということだ。だが、それなら榊からでなく、侍従の誰かからまず連絡が入るだろうとすぐに思い直した。しかし、他に思いつくことはと言うと、せいぜい日本側で探知したテロ計画でもあったかというくらいのことである。
「私だ。ケンプだが」
『ケンプ将軍! 大変ですぞ!』
 ケンプは苦笑しながら榊に言った。
「榊警ち着きたまえ、君らしくもない……」
 しかし、榊はケンプの言葉を無視したまま、口早に言った。
『お孫さんが、シェリーちゃんが大変なんです!』
「何?」
 さすがにその名前にはケンプの眉もぴくりと上がる。いったいシェリーの身に何が……。その疑問を問う前に、榊がまくし立てた。
『テレビ! 将軍の近くにテレビはありませんか!』 
「テレビだと?」
 ケンプは部屋をねめ回し、部屋の隅に、少し古ぼけた大型テレビが一台、鎮座しているのに気が付いた。テストレポートに目を通していたときには、ついぞ気にも止めなかった代物である。
「確かにあるにはあるが……」
『とにかく点けて! チャンネルはどこでもいい!』
 ケンプはなおも首を傾げつつ、自らテレビに近づくとスイッチを入れた。ぶぉおん、とブラウン管独特の起動音を奏でて、テレビの画面が明るく代わる。
「なんだこれは?」
 ケンプは、ようやく灯ったその映像に、不快その物の声で言った。
「おい、君は私にこんな子供番組を見せて何が言いたいんだ?」
『子供番組ではありませんぞ! よく見て!』
 榊は切迫した声を崩さず、ケンプを叱責した。
「閣下! お嬢様が、シェリーお嬢様が!」
 傍らで電話が終わるのを待っていた部下が、わななく指でテレビ画面を指さした。
「貴官まで何を言って……」
 ケンプはそう言いかけて、アップとなったその一部に今度こそ愕然となって目を瞠った。
「な、……ど、どうしてシェリーがあんなところに……」
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これも一つの時代の区切りですね。

2009-08-08 21:13:40 | ドリームハンター麗夢
 ようやく梅雨明けしてからはじめての休み。一日家におりましたが、やっぱり暑いですね。あまりの暑さに昼間はぐてっとしてPCのスイッチを入れる気にもなりませんでした。今年は立秋になってから本格的な夏が到来したみたいです。

 さて、先だってリニューアルされた麗夢の公式サイトhttp://dreamhunter.jp/に、御大の個人HP「
Project-永久機関」http://dreamhunter.jp/eikyukikan/のリンクが追加されておりました。早速クリックしてみると、アニメ三国志のTop絵が出迎えてくれました。
 早速ブログを拝見、とクリックしてみたら、更新用と思われるユーザー名とパスワード入力ウィンドウが出て面食らいましたが、4回キャンセルをクリックいたしますと、ようやく本文が表示されました。

 私は、もう遥かな昔、麗夢同人サークル「Avenue REM」主宰のうつりぎ ゆき様よりお誘いを受けて訪問して以来、およそコミケごとに、また時には東京に仕事で出向いた折に、吉祥寺の事務所に御大へご挨拶に伺っておりましたが、あの事務所をついに引き払われたのだということを、このブログで知りました。初めて好きなアニメの原作者にして監督という、まさに生みの親にお会いできた感動から毎度の楽しいひと時を味わわせていただいた空間が幕を閉じると言うのは、一つの時代、それも熱くひたむきだった時代が終焉を迎えたということなのでしょう。
 まさに一期一会、と申しましょうか。
 全ては記憶の中にだけ残り、私個人としては、多分恐らくは今後再び吉祥寺を歩くことは無さそうにも思えます。ただ、今はとりあえずその熱かった時代の記憶を反芻するのに頭の大分が使われており、まだこれからのことを考える余裕ができないみたいです。
 での、変化してこその人生。これからも世の中や人々のいろんな移り変わりを経験しながら、私自身の最後の幕引きである死に向かって歩んで行くことになるはずですが、願わくばその将来の歩みが、過去のそれを凌駕するくらいに面白く充実した歩みでありますように、と自らを叱咤激励して行きたいものです。
 といいつつ、今夜くらいはその歩みを止め、記憶の海にダイブして懐かしき過去を振り返ることにいたしましょう。


 
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非核三原則ってそんなにかたくなにならねばならないほど重要なお話なのでしょうか?

2009-08-07 22:10:56 | Weblog
 今は昔の冷戦時代、アメリカ海軍の艦艇が核兵器を搭載したままわが国に寄港することを黙認するという密約を、日米両政府間で取り交わしていた、とされる疑惑で、外務省は「確認不能」というなんだか煮え切らない話でお茶を濁そうとしているのだそうな。
 報道機関が、例によって「根拠不明」の「方針を固めた」なる紋きり決め付けしてるのを信じられれば、という保留はつきますが、まあその内容自体はなんとなく官僚の方々がやりそうなことでもありますし、考え方としてはたぶん検討想定している中の一案には違いなさそうなので、そのまま話を鵜呑みにしておきます。
 この「固めた」方針とやらの根拠は、1981年に全省的に行われたらしい、外交文書の調査のとき、そのような密約を示す文書が発見できなかったから、とのこと。疑わしきは罰せず、と言うのと似たような理屈なのかもしれませんが、まあ今現在現役の官僚の方々の大部分にとっては、そんな昔の話今更言われても、という感じなのかもしれません。こざっと30年前の調査結果とやらも、多分今現役でも大分上の方の人たちがまだペーペーの頃に、なんだかよく判らないまま時の上司の指示で省内の書類をひっくり返してたのをかろうじて記憶しているくらいのものでしょう。ごくごく一部の、枢機にかかわりを持つ上層部の一握り以外は、小説かドラマでも観ている様な気分なのではないのでしょうか。
 ただ、アメリカ側にはちゃんと公文書があって、それがしっかり公開されていますし、引退された官僚の方が証言もしています。また、実際問題として、核搭載艦がいちいち日本に立ち寄るのにその領海の外で核兵器だけ下ろしてから入港し、また出て行ってから積み直す、なんていう馬鹿げたことをやるはずもないことは、ちょっと考えればわかりそうなものです。ゆえに、煮え切らない黒に限りなく近い灰色な答えで何とか今は取り繕おう、なんて姑息なことを考えている暇があったら、真っ正直に「昔はそんなこともしていました」と話してしまえばいいんじゃないのでしょうか。そりゃ一部の人たちは烈火のごとく怒るでしょうしマスコミも大騒ぎするでしょうけれど、案外国民の圧倒的大多数は、さもありなん、と納得してくれると思うのですよ。民主主義の国なんですから、その結果で満足してればいいと思うのですが、それじゃ駄目なんでしょうかね。
 第一、アメリカ側の公文書と言う物証まで上がっている話をなかったことにするのは、素人にはちと無理がありすぎるように感じます。そのアメリカの文書は真っ赤な偽物だ、と外務省が理路整然と証明でもしてくれないと、誰も納得できないでしょう。何でこんな判りきったことで無駄な努力を積み重ねようとするのか、私には理解できかねます。

 ただ私としては、非核三原則なる話がそんなに重要なものとはどうしても思えないのです。核兵器、なんていっても所詮ただの武器の一種。でかい爆弾、という以上のものではありません。そんな単なる武器についてどうのこうの言うよりも、たとえば『二度と特攻などと言う馬鹿げた戦術は認めません』という非特攻原則でも宣言してくれた方がよほど有意義な気がいたします。いや、もう特攻なんてやりっこないよ、と言う意見もあるかもしれませんが、案外アニメ等では特攻が頻繁に出てきて、それも主人公の悲壮な最期の決断! とかで結構美化されていたりして、特攻と言う戦術は、日本人のメンタリティに結構なじむ要素があるように感じるのです。そんな戦術ともいえない破滅的行為をたとえ追い詰められるようなことがあっても二度と指導層が選択したりしないように、きっちり宣言しておいてもいいんじゃないでしょうか? それに、世界には殉教という名の特攻が現実に存在します。そういうところにこそかつての日本の惨状を教示し、「馬鹿な真似はおよしなさい」と言ってあげるのが、かつて大多数の若い命を特攻に捧げてもらった国がやるべき外交ではないかと思うのです。

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ヒトの体って案外古いフォーマットをかたくなに守っていたりするんですね。

2009-08-06 20:54:06 | Weblog
 私は基本的に胃腸が弱いので、夏はまず腹からばてて来ます。ゆえに、できるだけ冷たいものは避け、職場でも、喉の渇きを癒す基本は、熱い緑茶。お茶に飽きて冷水機で冷やしている麦茶を飲むときは、ポットのお湯を差してぬるく暖めてから飲む、栄養ドリンクも冷蔵庫で冷やしたりせず、室温のぬるめのものを飲む、といった具合に極力体を冷やさないようにしております。それでもやもするとおなかを壊したりすることもままあるもので、言うことを聞かない自分の体には、いつもやきもきさせられます。
 そんなわけで不思議が一杯な人間の体には前々から興味があって、医学系の入門書などはよく好んで見てたりするのですが、今日、ちょっと興味深い記事をネットで見つけました。
 ナショナルジオグラフィック ニュースの特集で、
『“痕跡器官”とされた脾臓の役割解明』http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=30633971&expand
と言う記事です。
 人間には、虫垂とか脾臓とか、進化の過程で役割を失い、痕跡だけ消えずに残っている臓器がある、と教わってきたような記憶があるいわゆる痕跡器官に、実は結構重要な役割があった、という話です。
 たとえば脾臓には、白血球の一種である単球がたくさん貯蔵されており、心臓発作などいざと言うときには脾臓からこの単球が放出され、損傷したところを修復するのだそうです。また、虫垂も実は食べものの消化を助ける善玉菌の貴重な貯蔵庫で、不潔な環境で下痢性の病気に罹りやすいようなところに住むヒトにとっては、病気に罹った後、この虫垂に蓄えられている善玉菌が健康回復の貴重な戦力になっているのだとか。
 また、人間のひじやひざ、肩などには、血管が詰まったり損傷を受けた時に、別のルートで血液の流れを確保できるようになっている部分があり、これを側副血行路と呼ぶそうですが、生命の危機に直結する脳とか心臓にはそういう便利なフェイルセイフ機構は備わっていません。これは、そういう風な体の設計図が出来上がったときには、脳卒中や心筋梗塞になり、血流のバイパスが必要になるような年になるまで長生きできなかったから、と言うのです。確かに、我々の体の基本は、ずっとずっと昔、いわゆる原始時代と呼ばれるような時代に生きてきた人々の中で完成してきました。それから何十万年か経過して、寿命も生活様式も想像を絶するほどに変化したと言うのに、体自体は思いのほか変わっていません。まあ色々と変わったのは本当にここ100年ほどのことなので、その変化が体の進化に影響を及ぼすには到底時間が足りないということなのでしょうが、そんな、原始人と現代人の変化のなさ、と言うこと自体が実に不思議で、面白いと感じさせられました。



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