かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

ヒトの体って案外古いフォーマットをかたくなに守っていたりするんですね。

2009-08-06 20:54:06 | Weblog
 私は基本的に胃腸が弱いので、夏はまず腹からばてて来ます。ゆえに、できるだけ冷たいものは避け、職場でも、喉の渇きを癒す基本は、熱い緑茶。お茶に飽きて冷水機で冷やしている麦茶を飲むときは、ポットのお湯を差してぬるく暖めてから飲む、栄養ドリンクも冷蔵庫で冷やしたりせず、室温のぬるめのものを飲む、といった具合に極力体を冷やさないようにしております。それでもやもするとおなかを壊したりすることもままあるもので、言うことを聞かない自分の体には、いつもやきもきさせられます。
 そんなわけで不思議が一杯な人間の体には前々から興味があって、医学系の入門書などはよく好んで見てたりするのですが、今日、ちょっと興味深い記事をネットで見つけました。
 ナショナルジオグラフィック ニュースの特集で、
『“痕跡器官”とされた脾臓の役割解明』http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=30633971&expand
と言う記事です。
 人間には、虫垂とか脾臓とか、進化の過程で役割を失い、痕跡だけ消えずに残っている臓器がある、と教わってきたような記憶があるいわゆる痕跡器官に、実は結構重要な役割があった、という話です。
 たとえば脾臓には、白血球の一種である単球がたくさん貯蔵されており、心臓発作などいざと言うときには脾臓からこの単球が放出され、損傷したところを修復するのだそうです。また、虫垂も実は食べものの消化を助ける善玉菌の貴重な貯蔵庫で、不潔な環境で下痢性の病気に罹りやすいようなところに住むヒトにとっては、病気に罹った後、この虫垂に蓄えられている善玉菌が健康回復の貴重な戦力になっているのだとか。
 また、人間のひじやひざ、肩などには、血管が詰まったり損傷を受けた時に、別のルートで血液の流れを確保できるようになっている部分があり、これを側副血行路と呼ぶそうですが、生命の危機に直結する脳とか心臓にはそういう便利なフェイルセイフ機構は備わっていません。これは、そういう風な体の設計図が出来上がったときには、脳卒中や心筋梗塞になり、血流のバイパスが必要になるような年になるまで長生きできなかったから、と言うのです。確かに、我々の体の基本は、ずっとずっと昔、いわゆる原始時代と呼ばれるような時代に生きてきた人々の中で完成してきました。それから何十万年か経過して、寿命も生活様式も想像を絶するほどに変化したと言うのに、体自体は思いのほか変わっていません。まあ色々と変わったのは本当にここ100年ほどのことなので、その変化が体の進化に影響を及ぼすには到底時間が足りないということなのでしょうが、そんな、原始人と現代人の変化のなさ、と言うこと自体が実に不思議で、面白いと感じさせられました。




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