いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

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鑑賞能力

2009年11月22日 11時50分07秒 | 俺のそれ
世の中、いろんな好きずきがあるだろうから、別にいいんだけど。
via 田中先生>2009-11-21 - Economics Lovers Live#p7#p7


小説なんかにどういった認識でいようと、書評などに書かれるような批判などがあろうと、それは普通のことだろうから、別に構わないんじゃないかな、と思います。けれど、単なる架空の物語に一体どれ程の社会的影響力を持っているのか、ということに疑問を抱くことはないのかな?


「過った経済認識の起源」と思うのもご自由ですし、”城山三郎伝説”とまで昇華させるのも結構ですが、本当に世の中にそんな影響力を有してきたのか、ということについては、何らの疑問も抱かないのかな、と思わないでもない。小説家の書いたセリフの方が、世間一般に肩書きとして認められている経済学者の説明よりも、はるかに「一般人には信じられている」ということなんでしょうか(笑)。

城山三郎作品がベストセラーとかになっていて、話題となっていた時代を私は知らないですが、かなり昔の話なのであれば、何十年前かの認識が固定化されて、その後も続くということに驚きますわな。因みに、読んだ人たちというのは、数百万人にものぼったんでしょうか。発行部数は知らないので、なんですけれども。そんなに広く一般に知られているものなんでしょうかね。「伝説」とか言われるくらいまでに有名なんでしょうか?

政策担当者たちが、多くが城山作品を読んでおり、なおかつそれに毒され、過った認識を持つに至るってことでもなければ、政策に何かの影響を与えるなんてことがあるとも思えませんけど。「『坂の上の雲』のせいで、~~となったのだ」みたいなご意見なんかも近いかもしれませんね。


現実に、小説だけに限らず、映画、ドラマ、漫画等で「社会に影響力を持ち、過った認識を与えた、作品○○のせいだ」というふうに見えなくもないことはあるかもしれません。しかし、それをもって「けしからん」というのは、そもそもそういった架空ほ話を見るべきではありませんな。架空で作ることが許されないということになってしまいますな(笑)。まるで、現実世界との区別のない錯誤みたいなもので、いちいち架空の世界の話を真に受ける人たちって、本当にそんなに多いんでしょうかね。疑問ですな。個人的な好き嫌いの問題ではなく、「過った情報を与えるから、クソ小説」とかいう基準を適用されてしまえば、それはもう「書けない」ってなことになりますわな(笑)。

例えば、『白い巨塔』はけしからん、『ブラック・ジャックによろしく』は間違いだらけだ、とか、他の作品でも何だって言いようがありますわな。社会に間違った認識を与えた元凶である、とか認定ですか。まあ、そういう粘着だかオタクだか、特殊な趣味趣向を持つ人たちは必ずいるでしょうから、別にいいんですがね。戦争モノとか軍事モノの映画なんかでも、間違ってるとか、有り得ないとか、「細かく指摘すればキリがない」作品なんてものは、それはもう多数あるでしょうな。SFモノとかでもそう。そういう間違いが許せないという人は、現実に存在するもの、正しい情報だけを与えてくれるもの以外を排除する運動でもやったらいいのに(笑)。
いや、拙ブログでもいくつかの映画とか小説なんかに、いちゃもんを付けたくなることはあったし、何度か書いたとは思うけど、そんなに深刻に「社会の間違った認識の元凶」とかまでは考えなかったよ。


で、紹介先のコチラ>大学では教えられない歴史講義 「官僚たちの夏」は来ない! - 憲政史研究者・倉山満の砦ですが、「大学では教えられない歴史講義」とか銘打っていて、多分どこかの大学の研究者の方なのかもしれません。
随分前にドラマは終わったし、細かい話は憶えていないから読むのが苦痛なんで全部は読んでませんけれど、よくぞまあこんなに熱心に細かい指摘ができるのね、とは思いましたな。もう「単なるテレビドラマ」という範疇は、彼個人の中では超えているんでしょう、きっと。
私から見れば、ただの「架空の話」なんだけど(笑)。

歴史講義とか書いている割りには、
9月21日の回では、
『十九世紀、アジアで独立を保てたのは日本と泰である。

日本は自らの力で列強を跳ね返した。泰は次々と譲歩して領土を割譲していき、事実上は英国の軍事力に守られながら、形式的な独立を守った。戦後の日本はこの泰と同様の立場である。これがイヤなら興隆期の大日本帝国の道を考えるべきではないか。』

とか書いていますな。

これって、新たな歴史創作ですか。
秦の始皇帝とか、なんか、そういう話でも混ぜようということなんだろうか。で、”大日本帝国”礼賛とか、なんか、そういう方向性を肯定ということなんだろうか。いずれにせよ、ワケが判らんな。


こういう人の手にかかれば、どんなドラマであっても、逐一ツッコミを入れて「有り得ない、間違っている」の連発ができますわな。
そんなに力まんでも、架空の話なんで(笑)。

この異様とも思える細かさは、かえって恐ろしい。


参考:

『官僚たちの夏』~第2回

「経済を成長させる政策」とは何か?

日本のエネルギー政策を振り返る~通産省の国家プロジェクト



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ん? (Unknown)
2009-11-23 23:40:29
泰はタイのことではないでしょうか。
でしたら、歴史創作とは言えないような……。
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んー (まさくに)
2009-11-24 17:40:34
なるほど。そうですね、タイでしたか。年を取ったせいか(笑)、字を読み間違えました。よく見えず、泰とはうっかりでした。

といいますか、タイの漢字表記が泰というのを知らなかったので、パッと見で思い浮かばなかった、というのもありますね。
どうも有難うございました。
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