昨日あたりから、自民党の宣伝?か広報活動か何かで、本当はダーウィンが言ってない言説という話が盛り上がっているらしい。それに触発されたこともあり、自分も過去に気になっていたので少しネットで調べてみた(あくまで私個人の見解です)。
それがこの「雄弁は銀、沈黙は金」である。書いたのは07年9月だった
>https://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/9dcee2297efebc944ca4a69c13150229
元はデモステネスの「沈黙は金」がよく知られており、だが、ネット検索で上位の説明ではそれが本当かどうか謎で、むしろ「ガセではないか」とする意見が見られていた。
それを見て、当ブログでも「ガセらしい」と述べた模様。あまり詳しく調べたわけではないので、適当にそう書いてしまったのだな。
で、本日改めて探してみた所、非常に参考になるブログを発見
こちら>https://hyorohyoro.hatenadiary.org/entry/20061012/1160666016
トーマス・カーライル説ですね。英語では
『Speech is silvern, silence is golden.』
である、と。
一応wikipediaも見てみる>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%AB
『衣装哲学』(1833~34年?or 31年?)によれば、スイスで見たドイツ語の石碑の碑文とのこと。ブログの説明と合致してる。なるほど。
で、元のドイツ語というのは何か?
ドイツ語の単語で検索してみたら出てきたのがこちら
>https://www.btn-muenzen.de/finanzmarkt/geld-im-volksmund/ausdruecke-fuer-geld/reden-ist-silber-schweigen-ist-gold
『Reden ist Silber, schweigen ist Gold』とある。
DeepLの翻訳のお陰で、随分と助かりました(笑)。ここでは、先のトーマス・カーライルの他、グスタフ・フライターグ、ヨハン・G・ヘルダーなどの19世紀頃の研究者たちの名前も挙がっている。
16世紀以降のラテン語文献での
"Narratio argentea, Silentium vero aureum est"
との記述を発見、ともある。随分と前からあったものであろう。
が、トーマス・カーライルが見たドイツ語碑文は何処からきたのか?
更にドイツ語で検索すると、デモステネスと繋ぐ本を発見!
>https://books.google.co.jp/books?id=hYQOAAAAQAAJ&pg=PR2&lpg=PR2&dq=Historische+und+philologische+Vortr%C3%A4ge,&source=bl&ots=3bf1v80a3p&sig=ACfU3U1E8D2jCyQB9ZmX1PTjeh59xcrZ3w&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjkpd7KxpTqAhUqw4sBHVG3Bw8Q6AEwAXoECAkQAQ#v=onepage&q=Historische%20und%20philologische%20Vortr%C3%A4ge%2C&f=false
1848年に書かれたもので、ドイツ語のうえ字体が見慣れない活字で判読が難しかったが、名前が分かった。
Barthold Georg Niebuhr
である。wikipediaは日本語ですw
>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%BC%E3%83%AB
ニーブールの本は、1848年のものであるが、死後に発行されたもので、題名が
『Historische und philologische Vorträge,an der Universität zu Bonn gehalten』
です。DeepL訳では「ボン大学で開催された歴史的・言語学的講義」となります。
ニーブール教授は、ボン大学に1825年から所属し、本は29~30年の講義をまとめたものと思われます。つまり、「カーライルの碑文」本よりも以前の講義、ということです。
で、殆ど内容が分からないわけですが、p474にデモステネスの記述がありました(google先生、ありがとう)。
それによると、
『Reden ist Silber und Schweigen Gold zu seiner Zeit.』
です。(詳しくはドイツ語が分かるかたがじっくり本を研究して下さいませ、お願い致します)
当初探してたドイツ語文は、
"Reden ist Silber, schweigen ist Gold"
でしたよね?
けれども、ニーブール教授の講義では微妙に違っていたことが分かります。「zu seiner Zeit」が時代とともに消えてしまったみたい。
DeepL訳では「語りは銀、沈黙は時の金」と出ますが、ちょっと違うような気も(素人のくせにゴメンナサイ)。
諺風に言うなら、「雄弁は銀だが、沈黙は時には金」とかですか?
ニーブール先生は、デモステネスの項を設けているほど詳しい方なのでは?
そして、古代ローマ時代の文献研究が熱心だったものと思われ、デモステネスがその諺(オリエント由来らしい?)を知ってた(言ってた)と紹介していたものと思います。
なので、「デモステネスが言ってた」説はニーブール先生によれば妥当かもしれない、とも思いますが、どうなんでしょうか。
スイスの碑文に何故ドイツ語の諺が刻まれたのかは、分からないです。それがどこで、今どうなっているのかな?
ドイツ語圏で、19世紀頃にどうしてこんなに広まっていたのかも不明ですね。
意外な発見があったことは確かです。ドイツ語の活字も読み難すぎだしw
それがこの「雄弁は銀、沈黙は金」である。書いたのは07年9月だった
>https://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/9dcee2297efebc944ca4a69c13150229
元はデモステネスの「沈黙は金」がよく知られており、だが、ネット検索で上位の説明ではそれが本当かどうか謎で、むしろ「ガセではないか」とする意見が見られていた。
それを見て、当ブログでも「ガセらしい」と述べた模様。あまり詳しく調べたわけではないので、適当にそう書いてしまったのだな。
で、本日改めて探してみた所、非常に参考になるブログを発見
こちら>https://hyorohyoro.hatenadiary.org/entry/20061012/1160666016
トーマス・カーライル説ですね。英語では
『Speech is silvern, silence is golden.』
である、と。
一応wikipediaも見てみる>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%AB
『衣装哲学』(1833~34年?or 31年?)によれば、スイスで見たドイツ語の石碑の碑文とのこと。ブログの説明と合致してる。なるほど。
で、元のドイツ語というのは何か?
ドイツ語の単語で検索してみたら出てきたのがこちら
>https://www.btn-muenzen.de/finanzmarkt/geld-im-volksmund/ausdruecke-fuer-geld/reden-ist-silber-schweigen-ist-gold
『Reden ist Silber, schweigen ist Gold』とある。
DeepLの翻訳のお陰で、随分と助かりました(笑)。ここでは、先のトーマス・カーライルの他、グスタフ・フライターグ、ヨハン・G・ヘルダーなどの19世紀頃の研究者たちの名前も挙がっている。
16世紀以降のラテン語文献での
"Narratio argentea, Silentium vero aureum est"
との記述を発見、ともある。随分と前からあったものであろう。
が、トーマス・カーライルが見たドイツ語碑文は何処からきたのか?
更にドイツ語で検索すると、デモステネスと繋ぐ本を発見!
>https://books.google.co.jp/books?id=hYQOAAAAQAAJ&pg=PR2&lpg=PR2&dq=Historische+und+philologische+Vortr%C3%A4ge,&source=bl&ots=3bf1v80a3p&sig=ACfU3U1E8D2jCyQB9ZmX1PTjeh59xcrZ3w&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjkpd7KxpTqAhUqw4sBHVG3Bw8Q6AEwAXoECAkQAQ#v=onepage&q=Historische%20und%20philologische%20Vortr%C3%A4ge%2C&f=false
1848年に書かれたもので、ドイツ語のうえ字体が見慣れない活字で判読が難しかったが、名前が分かった。
Barthold Georg Niebuhr
である。wikipediaは日本語ですw
>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%BC%E3%83%AB
ニーブールの本は、1848年のものであるが、死後に発行されたもので、題名が
『Historische und philologische Vorträge,an der Universität zu Bonn gehalten』
です。DeepL訳では「ボン大学で開催された歴史的・言語学的講義」となります。
ニーブール教授は、ボン大学に1825年から所属し、本は29~30年の講義をまとめたものと思われます。つまり、「カーライルの碑文」本よりも以前の講義、ということです。
で、殆ど内容が分からないわけですが、p474にデモステネスの記述がありました(google先生、ありがとう)。
それによると、
『Reden ist Silber und Schweigen Gold zu seiner Zeit.』
です。(詳しくはドイツ語が分かるかたがじっくり本を研究して下さいませ、お願い致します)
当初探してたドイツ語文は、
"Reden ist Silber, schweigen ist Gold"
でしたよね?
けれども、ニーブール教授の講義では微妙に違っていたことが分かります。「zu seiner Zeit」が時代とともに消えてしまったみたい。
DeepL訳では「語りは銀、沈黙は時の金」と出ますが、ちょっと違うような気も(素人のくせにゴメンナサイ)。
諺風に言うなら、「雄弁は銀だが、沈黙は時には金」とかですか?
ニーブール先生は、デモステネスの項を設けているほど詳しい方なのでは?
そして、古代ローマ時代の文献研究が熱心だったものと思われ、デモステネスがその諺(オリエント由来らしい?)を知ってた(言ってた)と紹介していたものと思います。
なので、「デモステネスが言ってた」説はニーブール先生によれば妥当かもしれない、とも思いますが、どうなんでしょうか。
スイスの碑文に何故ドイツ語の諺が刻まれたのかは、分からないです。それがどこで、今どうなっているのかな?
ドイツ語圏で、19世紀頃にどうしてこんなに広まっていたのかも不明ですね。
意外な発見があったことは確かです。ドイツ語の活字も読み難すぎだしw