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救急当番と即応部隊の運用は似ている

2010年01月31日 14時27分36秒 | 俺のそれ
普天間基地問題に関していくつか記事を書いてきた。その中で海兵隊の組織や編成について思うところがあるので、書いておく。
即応部隊の位置付けは、夜間や休日の救急センター的な意味合いである。まさに救急対応可能な体制を整えておかねばならない、ということである。海兵隊等の即応部隊の運用を医療に置き換えて例示してみると、次のような感じである。


救急当番センター = 即応部隊

この救急担当は、各病院等医療機関に配置される医師たちによって、順番に割当られているというようなものである。それら医師の供給源となるのは、次の医療機関である。

・A大学付属病院
・B保険病院
・C総合病院
・D企業病院
・Eクリニック
・F診療所

これらは、それぞれ通常時に配備されている基地と同じ意味合いである。医師や看護師等のスタッフが常駐している場所ということになる。

各施設から当番に当たった医療チームが、救急当番センターで受け持つということになるわけである。医療チームの習熟は、日々それぞれの施設で行われる。施設によって、設備内容や手術室の構造とか器具類に若干の違いがあり、それぞれ環境が異なるので、医師たちは慣れが必要となる。また、救急当番センターでのやり方というのも、他とは微妙に異なるので、時々配置換えをして慣れさせる必要があるのである。これら、A~Fと救急当番センターで環境が異なる、というのが、運用上では最大の問題となるわけである。

更に、大型の病院と小規模なクリニックとでは、編成されている診療科や医師たちの規模なども異なる。各科の連携具合についても、当然条件は異なるわけである。内科・小児科の診療所と、ほぼ揃っているA大学付属病院とでは、日々の業務や訓練が異なっているということである。医師や看護師というのは、軍隊で言うところの「部隊」ということになる。

医師個人を中心に見ると、色んな施設(=基地)で経験しておくのが望ましく、各科の連携具合も経験しておく必要があるということである。また、手術室の使い勝手が違うので早く動けないとか、看護師との息が合わない(笑)とか、そういうモロモロのことが現場にはあるので、時々一緒に仕事をしたりして相互確認をしておく、ということになるであろう。そういう意味では、医師(部隊)がローテーションで各施設を回るというのには、それなりに意味があるものなのである。

もし救急当番センターには、いつも決まってA大学付属病院だけから派遣、ということになっているとすると、その救急当番を割り当てられた医師と看護師チームは、他に比べてかなり疲弊するであろう、ということがある。救急当番に非常に慣れた医療チームと、そうではないチームとで、実力の格差を生じることも考えられる。そうなると、もっと大規模な数の医療チームを必要とされる事態では、「早く動けて業務をこなせる実力派チーム」と、「不慣れな実力に乏しいビギナーチーム」という混在になり、作戦失敗を来たすかもしれない。少数精鋭の実力派チームがあればいい、というのは、必ずしも間違ってないが、ある局所的な医療を担えるけれども、もっと広域の医療を全部できるわけではないので、自ずと限界があるのだ。そういう点でも、できるだけ各医師や看護師の実力を向上させるシステムを構築する方が、全体のレベルアップになるだろう、ということである。


救急当番センター以外の日常業務や訓練を行う場としては、小規模な「○○診療所」みたいな場所だけ数を増やしても、あまり有用とは言えないのではないか。医師や看護師の実力向上には、必ずしも貢献しないのではないかと思うが。そういう施設に派遣される医師たちには、ニッチな(特殊な?)能力を必要とされるかもしれないが、例えば「外科がない」「小児科がない」「産科がない」みたいな特殊な環境での業務に慣れても、救急当番センターでの業務遂行とは異なるからである。ローテーション施設が増えることになるのは、それなりのデメリットも覚悟すべき、というのは、そういうことである。


それから、普段は「○○診療所」業務であるのに、設備や器具類だけは「△△総合病院」なみのものを取り揃えておき、時折大学病院の医師団なんかがやってきてデモのオペをやって帰る、というのは、あまり賢いやり方とは思えないが。稀にしか使うことのない設備に多額の投資をしろ、それは「大学病院の医師団が年に数回やってきてデモを行う為である」とかいう理由で、普段はただの内科診療所でしかなく他科の医師なんて誰もいないのに、である。これが、グアム移転後の在沖海兵隊の状況を示しているものであることは、お分かりいただけるであろう。


代替施設が沖縄に作られたとして、それはどんな施設になると思うか?
標榜だけは、内科、外科、脳外科、産科、小児科、とか書かれていて、設備や手術室等についても、総合病院と同等ということだ。しかし、実際の医師はどれだけ配置されているかといえば、殆どが幽霊医局員である。名ばかり、ということだな。所属とか、名簿には記載されているけれど、殆どがそこにはいないのだ。で、年に1回か2回くらい各科の医師たちがやってきて、「何か活動をやっている」ということだけを見せる、ということになる。

こんな医療施設に多額の資金を投入して、今後も永続的に維持せよ、なんていう話になるのか、ということだ。設備を総合病院なみにしておくのは、既得権益を守るためだけではないとすれば、一体どんな合理的理由があると言うのであろうか?

設備を要求する側こそが、その答えを知っているだろう。その説明を行うべきである。



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