【2018年成績】 143試合 4700打数 534得点 1159安打 打率.247 207二塁打 35三塁打 78本塁打 510打点 124盗塁 486四死球 888三振
もう伝統にすらなりつつある貧打は今季も解消できず、投手陣を見殺しにする試合に飽き飽きしたシーズンでした。
昨年に比べれば打率は1分ほど上がって得点も1割程度増えましたが、ここぞというところで得点できないことでの競り負け、あるいは序盤にリードをしても中押し、だめ押しができないことでの逆転負けと勝負弱さが目立ったのは繋ぐ野球の限界、一発で流れを変えることができないのが最たる理由でしょう。
井上が覚醒したもののペーニャをリリースしたことも響きソフトバンクの半分以下、5位のオリックスにすら3割近くも少ないホームラン数ではどうにもならず、それでも得点数でオリックスや楽天に見劣りしなかったのは盗塁数を大きく増やした走る野球によるものですが、しかし走る野球と長打は攻撃の両輪、片側のみでは前に進めずぐるぐる回るだけです。
それもあってかホームランラグーンを導入するという愚策は投手陣をさらに追い詰めるだけのような気がしますし、野球がつまらなくなる危惧への不安の方が強く、これ以上に見るのが辛くなる野球になってしまえばかさ上げの観客動員数がどうなるのか、それはそれで興味があったりもします。
春季キャンプからとにかく走れ、とケース打撃でもアウトになるのを気にせずに走りまくっていたのは意識を変えることが目的だったのでしょうから、そういう意味では目標の143には届かなかったものの昨年より5割以上も増えて、また企画数がリーグトップだったことからして一定の成果はあったと思います。
盗塁王争いをした中村は15、藤岡も13とリーグで最多、二番目の失敗も、これを糧に活かしてくれれば勉強代ですし、相手バッテリーに与える影響を考えればロッテの攻撃のイメージを変えられたのではないかと、オープン戦のときのようなダブルスチールは決められませんでしたし、華々しかった春先に比べれば中盤戦以降はやや勢いを落としたところもありましたが、それでもこれまでのような発作的な走りではなくチームに根付きつつあることは大きな収穫です。
ただ一方でバントが相変わらずに下手でミスるとサインを変えるのも西村ロッテ、伊東ロッテと同じだったのが残念、スリーバントをさせる、失敗を繰り返すようであればレギュラーであっても交代させる、ぐらいの厳しさを見せなければ自己犠牲たるバントに身を入れる選手などはいないでしょう。
盗塁もバントも得点圏に走者を進めてプレッシャーをかけることに変わりはなく、査定も含めて球団、ベンチの姿勢を改めなければ改善しそうにもありません。
肝心の打撃については金森打法への回帰に懸念がありましたが前回就任のときほどに金森コーチが一様に押しつけているような雰囲気はなく、模範生だった荻野も昨年中盤ぐらいからの前で捌くスイングに大きな変化はありませんでしたし、とは言いながらも鈴木のような生真面目な選手には多少なりとも影響があったようには思います。
それでも引き付ける意識があってこそプルヒッター中村の変化、あるいはセンターから右方向への打球こそが持ち味の井上の台頭に繋がったのでしょうし、全体として早打ちの印象は否めませんが四死球が増えて三振が大きく減っているのも手元までしっかりとボールを見るようになったことによるものであれば功罪相半ばと言ったところか、その金森コーチの一年での退任が何を意味するのかが気になりますが、これもホームランラグーン導入への対策の一環なのかもしれません。
新任の河野コーチは長打に意を置いた指導をするとの評もあるようですし、筒香を育てたとの肩書きが重そうな大村コーチとともに大砲育成が急がれます。
攻撃の作戦面では左打者が多い陣容であるにせよ左対左に意を介さないスタメンが多かったのは好印象で、これはもう慣れの問題ですので継続をお願いしたいです。
地味に響いたのは守備の乱れ、開幕から暫くはノーエラーが続いて鳥越効果と喜んだのもつかの間で、スローイングミスや野手の連携ミスによる落球などエラーなどはそんなものなのですがつまらないプレーが目立った一年でもあり、サードベースマンになりきれなかった鈴木などその配置にも疑問があった守備陣でした。
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