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2011年通信簿 シーズン総括 野手

2011-10-25 23:05:07 | 千葉ロッテ

昨年はリーグトップの.275に708得点と強打を誇った打線が、今季は.241に432得点と最下位に沈みました。
もちろん低反発球の影響でリーグ全体でも.270の3858得点から.251の2945得点と投高打低の流れは明らかだったのですが、それにしてもロッテ打線の凋落が目立ちます。
話題となった中村よりも少ない46本塁打は実に昨年の126本塁打から60%を越える減少であり、これが40%弱の得点力低下に拍車をかけたと言えます。
それであればバントをするなどして得点圏に走者を送ることで少しでも点に繋がる作戦を取るべきでしたが、リーグ最少の119犠打ですからお話になりません。
また盗塁も数こそ増えたものの得点に結びつくような積極的なものは少なく、ただ打者に任せただけの無策との誹りは免れないでしょう。

球団史上初の2桁アーチを放った打者が皆無という悲惨な状況は、昨年に功を奏したと言われていた金森打法が裏目に出たとの評価がもっぱらです。
実際問題として手元まで引き付けてボールを見極めた上で叩くという金森打法には、どうしても鋭いスイングスピードが求められます。
そうでなければ振り遅れて詰まってしまうことが必至で、その象徴でもあったのが井口に弟子入りをして一番に金森打法を取り入れた竹原の崩壊でした。
誰でも井口のような適性があるわけではなく、それでも昨年はそれなりにボールが飛んでくれたことで形になりはしましたが、今季からの低反発球で脆さが露呈をしました。
ただ打てないだけではなく力ない打球があまりに多く、これほど情けない気持ちになったのは初めてかもしれません。
しかしだから金森打法がダメだとは短絡的に過ぎますし、要はそれに適しているかそうでないかを考えずに一様にお仕着せたことが悪かったのだと考えます。
大松などは前で捌くからこそ飛距離が出ていたものが、まるで竹原を見るかのような詰まった打球が目立ちました。
ホームシックという論外な金泰均はアウトオブ眼中としても、この大松の不振が締まりのない打線になってしまったことの最大の原因でしょう。
また3年連続して春先の好調から夏場以降の失速を繰り返した井口の学習能力の無さが、さらに事態を悪化させました。

そんな中で核弾頭として岡田と伊志嶺が打線を引っ張りました。
岡田は開幕前は清田に後れを取って控えと見られていましたが、終わってみれば全試合出場ですから見事としか言いようがありません。
育成枠からの叩き上げがこれだけ頑張ったのですから、他の高給取りは顔を上げられないでしょう。
また伊志嶺もサブローの離脱で一気に出番が増えたことで活躍の場が広がり、ルーキー30盗塁は小坂以来の快挙です。
この両人は経験が浅いだけにベンチの指示でのプレーが多かったと思われますので、その枷が外れるであろう来季にどういった姿を見せてくれるかが楽しみです。
そしてようやくに開花の兆しを見せた角中、故障もあり期待を裏切った清田、戻る場所は外野でしかない荻野貴とのハイレベルな競争が注目をされます。

故障者や不振で浦和に送られる選手が続出をしてどうにもならなくなった中盤以降にようやく出番をもらえた地蔵さんたちは、しかし結果を残せた選手はいませんでした。
プロ初アーチを放った細谷は恒例の故障で離脱をした上に自分の立ち位置が理解できてないかのような大振りが目立ちましたし、神戸も同様です。
プチ覚醒がフロックかどうかを確認することもできずに2年間が経過をした塀内はすっかりと錆び付いてしまったようで、背番号23が泣いています。
田中は出番が増えたことで逆に捕手としての限界を見せてしまい、渡辺正も頭打ち感が強烈すぎました。
根元が使えばそこそこ活躍ができるのではないかと思えたこと、高濱が素質の片鱗を見せてくれたこと、これだけが心の支えと言えます。
経験を積む場をなかなか与えてもらえなかったことには同情をしますが、自分が何をすべきかを分かっていないのではと感じさせる選手が多いのには閉口をしますし、ここまでコーチがどういった指導をしていたのかが手に取るように分かってしまうのが腹立たしくてなりません。

相変わらず野手の頭数が絶対的に足りないチーム事情が競争心を殺ぎ、また行きすぎた主力主義がモチベーションを奪っていることは否めません。
しかしそれでも実際にプレーをするのは選手自身ですので、来季に向けて死に物狂いで練習をしてもらうしか生き残る道がないことは分かっているはずです。
トレードさえ成立しないであろう顔ぶれが中堅どころに名を連ねている現状を球団、ベンチは憂うべきですし、これだけやったのだからと選手が胸を張れる来季であることを願います。

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23 コメント

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STARTING OVER (RL隼)
2011-10-25 23:39:38
リーグ最少の119犠打・・・そうでしたか。盲点でした。規則的に初回の先頭打者が出た後だけ送るスタイルで、中盤以降での中軸?には送らせないな~打者任せやなとは思ってみていましたがそれ程とは。来年には西村さんに柔軟性を出してほしいですね。バリエーションという言葉を教えてあげたい。

≫経験を積む場をなかなか与えてもらえなかったことには同情をしますが、自分が何をすべきかを分かっていないのではと感じさせる選手が多いのには閉口

まさに厳しい言葉ですが同感です。確かに主力主義、怪我時の穴埋め、9人野球の合間に控え選手が試された感はありますが、その中でも役割をはき違えたような大振りや雑なプレー、無気力とまでは言わないまでも淡々としたところには共感できません。

卵が先か鶏が先でこうなったかは知りませんが、ロッテだからスタメンといえる選手やロッテだから首のつながっていると思われるであろう野手には猛省を秋のキャンプから見せてほしいものです。

あと首脳陣は投手同様、未来創造のために休養と経験を上手く使ってとお願いするです。
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Unknown ()
2011-10-25 23:40:30
だいたいにおいて、監督コーチよりは主力選手の方が年俸が高い訳で。チーム不振の責任はまず選手に向けられるべきだと思います。
そうだとしたら、首脳陣は必要なのか?という疑問は生じますが。。。
極論と言われるのを承知で申し上げるならば、一軍にはコーチは不要と思っています。選手が自分で練習して自分で結果を出し、その分の金をとる。それができない人はチームを去る。それだけの、全くシンプルなことだと思っています。
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2011年キーポイントとなった試合 (おざわ)
2011-10-26 00:15:33
2011年キーポイントとなった試合を3つあげておきたいと思います。

①5月20日 千葉ロッテ0-2横浜(千葉マリン)
交流戦の失速を決定づけた試合。須田、大原慎、牛田、江尻、山口という若手主体の横浜投手陣に2安打完封負け。金沢と細谷が全く機能せず、荻野貴、サブロー、金など故障者の離脱を埋められず。

②6月15日 巨人2-3千葉ロッテ(東京ドーム)
交流戦の低迷から復活を予感させた試合。この2連戦、岡田が好守連発、9回2死から伊志嶺の逆転2ラン。若手の台頭で可能性を感じた。交流戦中盤でソフトバンクと日本ハムが抜けたが、8月まで3位をキープするモメンタムを作り出した試合。

③8月26日 オリックス3-1千葉ロッテ(ほっともっと神戸)
4連敗で5位後退
。マーフィーが復帰2戦目で試合を作るも、守備が乱れて4失策。打線は千葉ロッテ戦以外でほとんど働かなかったマクレーンに抑えられ沈黙。最後は酷使の伊藤が打たれてジ・エンド。9月の大失速を予感させた今季のワーストゲームの1つ。

ほかにも、オールスター明けで失速を招いた西武ドームの4連戦や、今季の実質的な終戦を決定付けた9月2日からの千葉マリンでの楽天3連戦などがありますが、上記3試合を選びました。

今年は本当に苦しいシーズンだったことが思い出されますね。
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Unknown (しげお)
2011-10-26 00:33:32
元々勢いづくと止まらないがダメなときは枕並べてオヤスミなチームなので今年はその極地に達した感じでしょうか?やはり西岡が抜けたのが大きかったですね。戦力としてはもちろん性格的に、ああいうヤンチャな感じの選手がほしいです。今の選手は大人しい、気持ちを出さないタイプが多いように思います。こんな時こそ今江に存在感を出してほしかったのですが…性格的にそんなタイプではないのかもしれませんが、来年は無理やりにでもキャプテンに指名してチームを鼓舞する役目を担って貰いたいです。戦力的には長距離砲が2人ほしいです。個人的には大松には期待薄なので新外国人ファーストとDHで。宝くじみたいなものですが、ヤクルトのバレンティンのようなバッター1人はほしいですね。あとショートは高濱をかつて福浦を育てたように使い倒してほしいです。
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Unknown (モス)
2011-10-26 01:56:44
犠打の数自体は去年より増えてます。よそがバーンと増えたから、ロッテが少なく見えるだけでは。それだけよそが1点にこだわる野球に転じたということですか。
今季は犠打チャンスが少なかったと思います。的場やテレンコ遊撃手グループらの8、9番は塁に出ませんから。この「死の8、9番」のおかげで犠打が2、3割減っただけでしょう。打線の中で2人が機能しなければ犠打も割引となります。表面上はリーグ最少犠打ですが、この数字1点を拠り所に犠打を用いない無策と結論づけるのはいかがでしょうか。
盗塁はリーグ3位。成功率はリーグトップでした。「得点に結びつくような積極的なものは少なく」とのことですが、盗塁は成功すれば走者得点圏ですし、すべてが得点の可能性を含んでいます。荻野貴を欠いてリーグ3位なら健闘ではないかと感じました。
低反発球と金森理論を語る論調はあちらこちらで散見しましたが、打球が詰まる詰まらないの問題だけでしたらポイントをずらせば対応できるはず。それより審判がストライクゾーンを広く取り、縫い目が高いボールになって変化球がキレたことが大きく、ロッテには「俺が」「俺が」という打ちたがりが多いため悪球打ちの引っかけ凡打が増えたのが成績不振の一因だったと思います。
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打撃コーチは必要 (パンテーラ)
2011-10-26 02:15:59
ロッテ打撃陣は12球団で唯一、統一球対策ができなかった球団として記憶されました。
個別指導は不要かもしれませんが、こういう対策はコーチが研究すべきだと思います。
金森コーチが残留ということは大松は来年も苦しみ、悩み続け、最後は竹原のように…。
その竹原ですがオリックスの打撃指導が合うのか、ロッテでは考えられないほどホームランを打ちました。
コーチ変われば打つのかな?やはり打撃コーチは重要なポジションだと考えます。
投手同様、野手も育てられない以上、こちらも荻野、清田のような社会人出身者を獲得するしかないとは…。
「一に編成、二に育成」ロッテ永久スローガンです。
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Unknown (ぷりな)
2011-10-26 02:25:18
チームがやりたがっている試合運びの型を実践できるのは、序盤のスタメンが揃っているときだけ。彼らに準ずるレベルでその型を実践できるメンバーを育てたり、型を構成する1ピースを1人の選手でできなければ複数を組み合わせて達成したりということができていないにも関わらず、型にこだわる。チームの強さは、レギュラーよりもむしろバックアップの質で決まることを痛感させられた今季でした。

オリオンさんやここに集う方々のおっしゃる「育てる」というのは、「出場させて経験を積ませる」という意味だと私は認識しています。日頃の練習や指導や二軍戦は必要不可欠な土台ですが、「一軍の試合に必要な」経験と判断力と度胸は、一軍の試合に出場することで養われ維持されると考えています。確かに、一軍の試合に出場させても、それを練習や相談、試合中のシミュレーション、次回の出番へとフィードバックできる人とできない人がいます。それを見極めるためにも、サブメンバーを適宜出場させることが必要だと思います。

>経験を積む場をなかなか与えてもらえなかったことには同情をしますが、自分が何をすべきかを分かっていないのではと感じさせる選手が多い
状況に応じて、チャンスメーカーモード、チャンスプロモーターモード、ポイントゲッターモードの切り替えができる選手、少ないですね。荻野選手がいなくなった痛手は、その俊足以上にフレキシブルさの点でなのかもしれません。
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Unknown (クエンチ)
2011-10-26 03:33:33
ショートに関しては二の矢、三の矢、四の矢を放っていましたが・・。根元、渡辺正、高浜、細谷、高口、早坂、塀内。特に高浜、細谷なんか我慢して使っていたと思いますが、結果は出ませんでした。細谷なんか、2カ月に1本しか出ない本塁打を毎打席狙っているようなブン回しとしか見えませんでしたし。
ショートは荻野貴の続投もあるんでしょうか。ドラフトと秋季キャンプで方向性が見えますね。
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RL隼さんの仰る様に… (沖縄野球)
2011-10-26 05:55:23
病的なまでに、ノーアウト一塁なら
送りバントをしてたように
感じましたが…
いやはや、まさかの結果ですね。

確かにバントミスも
多々目にした覚えもありますので
秋期キャンプでは、
その辺も含めた基礎の徹底的なら
鍛え直しを希望します。


そして自分も
その病的な采配者は
来期も荻野をショートで
使うんであろうとの不安が
まったく以て拭えません(涙)

井口の首にも鈴は必要でしょうが、
まず采配者の首に鈴ですね(皮肉)
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野手陣 (ちょろ)
2011-10-26 06:32:50
統一球の影響を大きく受けたのは巨人かと思いましたが、シーズン途中からロッテがそうだったのかと気づくシーズンでした。
機動力野球を掲げても、チーム盗塁数がリーグ4位と奮わないし、外国人野手もなかなか機能せず、若手も起用しても結果が出ないと悪い結果が目立ちますな。
終盤になってもベテランの起用が目立つ辺り、若手をなぜ起用しないというより、若手が出場出来る力が身についていないようにも思えました。
投手陣同様に地力が付いていないし、こちらも来季に向けて徹底して鍛えないと駄目でしょう。
加えてフィジカルも鍛えられるコーチも実績ある人選もしてほしいですな。
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