新たなる門出に相応しい、井口尽くしの引退試合でした。
劇的なサヨナラ勝ちで井口はもちろんのことファンも気分が高揚して、最高の一日だったと思います。
これで選手としての井口は幕を下ろしましたが明日からは指導者としての井口の幕が開きますので、ロッテファンの期待どおりの一歩を踏み出す井口であってくれればと願います。
当日券の販売はありませんし、引退記念グッズも先行販売や昨日の一般販売がありましたので朝早くからファンが殺到をするようなことはないと思っていましたが、しかしグッズを求めるファンはTシャツのときほどではなくとも長蛇の列で、かなり早くから並んでいたのでしょう。
かく言う自分も必要もないのに9時前に到着、試合までの5時間で気持ちを高めていきます。
その舞台設定は里崎、サブローのときと同じで、こなれてきた感じがあります。
まさに撮影スポットで一時間もしたらこういった絵はがきのような写真は撮れませんでしたので、早めに来て結果オーライでした。
前日のナイターが終わったときには既に出来上がっていましたので、夜のうちにこなした人もいたようです。
正面に大型モニターが、また等身大パネルの展示もいつものとおりでした。
モニターにはプロ入りからメジャーでの活躍、そしてロッテでのプレーの映像が流されていましたが、試合中はパブリックビューイングとしてファンが盛り上がったようです。
パネルはダイエー、ホワイトソックスのものもありましたが、ロッテ以外に興味はありません。
試合前のウォーミングアップに登場をしただけでスタンドからは拍手と歓声、浦和で練習をしていただけのことはあり軽やかな動きを見せてくれました。
またキャッチボールもして、守備練習もしましたので当然に守るだろうと、サブローのときのように内野をぐるっと巡るかと思いきや結局はDHのままで守備機会はなし、延長戦に入ってからスタンドから「伊東さ~ん、井口ファーストだよ、ファースト!」の声が何度も上がりましたが最後に伊東監督が両手で×印、本人がダメだと言っていると口の動きで分かりましたが、当初からの予定だったのか、打撃で走り回ったことが理由だったのか、いずれにせよちょっと残念ではあります。
その守備練習では福浦と話し込む姿が目立ちました。
石垣島でずっと二人で練習をしてきた「盟友」ですので、先にユニフォームを脱ぐ身として語ることがあったのでしょう。
またペーニャやパラデスとも会話をしていましたが英語だったのか、どこか遠慮がちなペーニャと積極的なパラデスが好対照でもありました。
井口の背番号6も、この日で見納めです。
ロッテのミスターと言えば背番号8ですが、初芝から引き継いだこの背番号6もロッテでは大看板です。
次は誰が背負うことになるのか、大型ルーキーなのか、活躍をした選手へのご褒美となるのか、どちらにせよ一日も早く次のチームの顔が登場してくれることを願いましょう。
そしていよいよオーダーの発表です。
いつものガッチャマンではなく、これまた定例化されつつあるかつての紹介ムービーをずらりと、口から火を吐くパターンを撮り損なったのが痛すぎます。
中断をしてしまったポニーキャニオンのロッテDVDですが、井口の引退記念で復活をしてくれることを願ってやみません。
注目の打順は六番でした。
一打席でも多く立たせるための一番、あるいはチームの顔としての四番、そのどちらかであろうとの予想をしていましたが、背番号に引っ掛けたのかもしれません。
これが結果的に劇的なシーンをもたらしてくれたのですから、伊東監督はGJです。
試合前の練習のときだけだと思っていた「全員が井口」の背番号6のままに試合が始まったのには、かなり驚きました。
これまでNPBでこういった例があったのかどうかを承知していませんが、おそらくは栗山監督の了解をもらってのことでしょうからありがとうございます、とても嬉しかったです。
いかにもペラペラな感じがちょっとあれでしたが、チームが一体となって井口を送り出す気持ちが出ていて感動ものです。
一体ということではファンも同じ、さすがにこちらの「全員が井口」はちょっと不気味ではありましたが、これもいい企画です。
入場時に配られた表が井口、裏が背番号6のボードを使い分けての応援、珍しくも参加をさせていただきました。
本人は自分の顔でスタンドが埋め尽くされているのを見てどう思ったのだろう、なんて余計なことを考えつつ、福浦のときにはまた斬新なものをお願いします。
歴史に残るであろう九回の同点ツーランは、南や大谷がきっちりと抑えていれば回ってこなかったであろう四打席目でのものですから不思議な巡り合わせです。
ストレートしか投げられない日本ハムの投手陣には気の毒ではありましたが、しかし一打席目のヒットもそうでしたが分かっていても140キロ台後半のストレートをあれだけ痛烈に、あそこまで飛ばせる選手がロッテにどれだけいるのか、井口が傑出した選手だったことを記憶に刻みつけるに充分すぎる一発でした。
ベンチに戻ってから笑顔満面の井口の隣で涙を流す清田、その清田がヒットで出塁をしたからこその同点劇でしたので、これも深い師弟愛によるものだったのでしょう。
そうなれば勝つと負けるとでは大違い、キャプテン鈴木のサヨナラヒットに感謝感激です。
歓喜の輪の中心はヒーローの鈴木ではなく井口、容赦ないお茶攻撃にびしょ濡れになりましたが心地よかったでしょう。
その井口だけではなくペーニャやパラデスまでもが参加をしたWE AREができたこともいい思い出になるでしょうし、やはり野球は勝たなければダメです。
セレモニーは映像から始まります。
よくぞここまで撮ってきた、とビックリのホワイトソックスのオーナー、当時の監督や同僚のコメントには他の選手とは格が違うところを痛感させられました。
小久保、鳥谷、西岡、川崎、お約束の王会長で締めくくっての贈る言葉には「次は指導者として」がふんだんに、その言葉に応えることが恩返しになります。
選手からは井口が入団をした年、またロッテに移籍をした年のワインが贈られました。
選手会長で二度の首位打者を獲った角中をしてこの握手、井口がどれだけ凄い存在だったのかが分かるシーンです。
スタッフを代表しての前里ブルペン捕手は青学大での井口の一年後輩だからなのでしょう、感極まった表情が全てを物語っています。
里崎のときもサブローのときもそうでしたが、井口もこれだけの長い挨拶をしっかりとした言葉で語ってくれたのには感動をしましたし、凄いことだと思います。
自分であれば舞い上がってしまって覚えてきたものが真っ白になってしまうでしょう、いろいろな思いが巡ったのか時折に詰まりはしましたが、それも含めて伝わってきました。
骨子だけ準備をしてこの場で考えての挨拶だったのかもしれません、指導者として必須なアイテムですので羨ましいです。
おそらくは深読みに過ぎるのでしょうが、次期監督がほぼ決まったかのような報道がある中で、一塁側ベンチを向いて「選手の皆さんには」「ロッテはこんなチームではない」とあたかも所信表明のようなものもあり、選手たちもその思いで聞いていたのではないかと思ったりもしています。
引退即監督は苦難の道、しっかりとしたビジョンは持っているようですが理想と現実とのギャップに悩むこともあるでしょう、しかしファンは長い目で見るだけの耐性はあり長期的な視点でのチーム作りを井口監督に期待をしていますので、じっくりと新しいロッテを作り上げてください、お願いします。
そんな井口ロッテの組閣として、それを暗示するかのような花束贈呈ではありました。
小久保はともかくとして柴原の外野守備走塁コーチとしての三塁コーチャー、石垣島にも来た斉藤和の投手コーチ、井口の人脈からしてダイエー閥はありそうです。
今岡が二軍監督に、なんて報道もありましたし、球団ではなく井口主導であればフレッシュなスタッフが揃いそうです。
それはそれとして、福浦や里崎SA、サブローSAが登場をしなかったのがやや寂しく、また残念でもありました。
場内一周は紙テープのみ、紙吹雪は後始末が大変ですので球団と応援団との話し合いで取りやめとなったとの話も聞きましたが、滝のような紙テープで充分だと思います。
FWではファンとハイタッチ、言葉を交わすシーンもビジョンに映っていましたし、これも井口の人柄でしょう。
またサヨナラ負けという悔しさがありながらも最後まで残ってくれた日本ハムファンには感謝の言葉もありません、ありがとうございました。
そして胴上げ、何度も、何度も宙を舞いました。
試合中のそれとは違って黒の井口Tシャツ、は帰りに「緊急販売です」と商魂たくましいところを見せてくれましたが、それであればユニフォームとともに選手が着たものをチャリティーオークションでもやればいいのに、サイン入りであればかなりの金額が集まるでしょう。
それにしてもすっかりとチームに馴染んだペーニャ、井口ロッテの軸として来季の大活躍を楽しみにしています。
最後は記念撮影、アクシデントで途中降板となった涌井も元気に姿を見せました。
また一緒に野球をやりましょう、とは井口へのメッセージでしたので、きっと来季もロッテのエースとしてチームを引っ張ってくれるでしょう。
こういったところで選手がどこにいるか、なんてのを面白く見たりもしています。
今日はお祭りのようなものですので奮発をして人生で一番に高いハンバーガーセット、1800円です。
井口アメリカンバーガーは背番号6にちなんだ6種の具材、そのうちハッシュポテトの存在が気になっていましたが意外に美味でした。
井口のカードとロッテのヘルメットがついての値段で、単品としても750円の観光地価格ではありましたが、今日の勝因の一つに違いありません。
来場者配布グッズは井口ボードと、マリーンズマガジンの引退記念号です。
ボードはマガジンとの比較で巨大さが分かると思います、傷まないように持ち帰ってくるのに苦労をしました。
さすがにこれはヤフオクの出品は無いと思っていたのですがマガジンとともにさっそく出品が、引退記念グッズの転売屋も元気なようですし、千葉県民になってよかったです。
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