仙台での乱戦が続いているかのような取って取られての4時間57分は、あまり記憶にないぐらいの長時間で尻が痛くなりました。
両チームで34安打15四死球の25得点、こんな泥仕合のようなことをやっていればソフトバンクに追いつけ、追い越せなどは夢のまた夢です。
それでも勝つと負けるとでは大違い、先発が三回途中でKOをされてからの継投で打たれてもじっと堪えた伊東監督と、早め早めの梨田監督との差が延長に入ってボディーブローのように効いた結果ではないかと、延長12回を意識すれば今季初の2イニングを投げさせなければならなくなった松井裕を捉えてのサヨナラ勝ちでした。
それにしても初回に4点を先制して今日は楽勝か、と思った自分が甘すぎました。
とにかく今日のスタンリッジはコントロールに苦しみボール先行のピッチングで、苦し紛れの置きにいったようなボールが高めに浮いてあっという間の6失点です。
ここまで粘り強く投げても打線の援護がなく勝ち星に恵まれていませんでしたが、持ち慣れない点に舞い上がってしまったかのような乱調でした。
挙げ句にボークまでやらかしてマウンド上でカッカしてしまえばイニング途中での降板もやむなし、打線が追いついてくれたことで黒星が付かなかったのが不幸中の幸いです。
あまりに打線との歯車のかみ合わせの悪さが嘆かわしいですが、次回はきっちりと修正をして借金を返済しましょう。
リリーフ陣も藤岡が4失点、大谷が2失点、益田、内、松永も走者を背負っての苦しいピッチングで、唯一の三者凡退が不振を極めている西野だけというのも皮肉なものです。
壊れかけた試合を立て直して欲しかった藤岡はスタンリッジの流れに飲み込まれたかのように制球が定まらずに四苦八苦、大谷も浦和で打ち込まれていたのですから一軍は時期尚早だったのではないかと思えるようなストレートの軽さがとにかく心配で、中継ぎ陣は疲労もあるのでしょう、暫くは厳しい展開に覚悟が必要そうです。
それでも益田以降は守備にも助けられての無失点リレー、悪いなりにサヨナラ勝ちのお膳立てをしてくれました。
今日はとにかく打線がよく打ってくれました。
楽天投手陣がロッテのそれに輪をかけたかのような制球難で9四球のプレゼント、しかも5イニングは先頭打者へのそれですから自滅と言えなくもありませんが、そのプレゼントに遠慮をすることなくの13得点はネバーギブアップ、最後まで諦めなかった粘りには拍手しかありません。
初回に二死から「ヘルメットのつばの裏に戒めの言葉」の清田がライト線にツーベース、すかさずデスパイネの先制タイムリーに角中の今季初アーチで終わらずにナバーロのスリーベースに鈴木のタイムリー、まさに電光石火の4得点が今日の打撃戦の幕開けでした。
あっさりとスタンリッジが逆転を許してもすぐに追いつき、その後も失点を重ねるリリーフ陣に萎えてしまってもおかしくはないところで最大4点のビハインドを跳ね返しての逆転勝ちですから、明日の唐川は不安に今夜は眠れないかもしれませんが、まさにチーム一丸、全員野球での勝利と言ってよいでしょう。
核弾頭が沈黙でしたがクリーンアップで8安打5打点、さらには鈴木が4安打5打点と下位でしっかりと回収をしてくれたのが大きかったです。
ナバーロも久しぶりのマルチヒット、守備でも前進をしていたところからバックをしての好捕もあり、可能性があればチャレンジのエラーも前向きに考えてよいのではないかと、代走に抵抗をするなど「野球をやりたい」といった姿勢が見て取れるのは好印象です。
なぜ今江でそこまで一二塁間を空ける、と気になるセカンドベース寄りの守備位置ではありますが、結果的に先日のソフトバンク戦でも西野を救い、今日も抜けたと思ったウィーラーの打球に「なぜそこにいる」と小坂ばりの忍者ぶりでセカンドベース後方で正面で捕球をしての併殺ですので、よし、としなければなりません。
そして殊勲のサヨナラヒットの井口、ベテランがこういった仕事をしてくれるとチームは盛り上がりますから、明日もいぶし銀の活躍をお願いします。
そして平沢がプロ初先発、高卒ルーキーのスタメンとしてはロッテでは西岡以来、その前は今江ですから、チームの顔としての第一歩を踏み出しました。
打撃は二打席連続三振と結果を残せませんでしたがしっかりとバットを振っていましたし、その前向きさを失わなければ近いうちにプロ初ヒットは打てるでしょう。
前に出る気持ちが守備では好結果に繋がったのが三回、五回のファインプレーで、三回はセカンドベース右に抜けていく打球を飛びついてのキャッチ、すかさずトスで走者を封殺、五回はぼてぼての打球に前進をしての捕球からダイビングスローで俊足の聖澤に内野安打を許さず、いずれも難しいバウンドを処理してのそれでした。
最初のゴロはバタバタの足踏みをして、フライはQVCマリン特有の風を計算に入れられずに危うく落球とぎこちないところからのプレーですので、順応性は高そうです。
明日もスタメンに起用をされるかは分かりませんが、機関紙の報道を前倒しにしての今日ですからベンチで地蔵にさせるようなことはないのではないかと、その体つきからしても一軍はまだ早いとの考えに変わりはありませんが、もう暫くはその一軍で見てみたい平沢です。
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◆5月14日(土) 千葉ロッテ-楽天9回戦(ロッテ6勝3敗、14時、QVCマリン、18,418人)
▽勝 松永 17試合2勝
▽敗 松井裕 18試合2敗7S
▽本塁打 角中1号(レイ)、ウィーラー6号(スタンリッジ)
▽バッテリー
千葉ロッテ スタンリッジ、藤岡、大谷、益田、内、西野、松永―田村
楽天 レイ、濱矢、ブリガム、金刃、福山、青山、松井裕―嶋