素敵なぐらいにニュースのない静かな一日、きっと明日の平沢の地元デビュー、それもスタメンでの出場の前の静けさなのでしょう。
そうなればベンチに下がるのは中村なのかナバーロなのか、昨日を考えれば中村なのでしょうがこちらもドライチ、ここまで我慢をして起用をしてきただけに複雑と言えば複雑、かと言ってようやくの来日初アーチ、低空飛行に苦しむ打線から不発気味ながらも大砲を外すわけにもいきません。
春季キャンプでのあれは何だったのか、そんなナバーロはセカンドに固定のようですから鈴木はサードなのか、今後のことを考えれば平沢との二遊間を見たかったりもします。
ふたを開けてみれば結局はベンチスタートかよ、が実際のところ濃厚なのでしょうが、開幕前のそれと同じく試合前の夢想は自由自在、スタメン発表まであと13時間です。
顔 FACE |
D県警シリーズの三作目は連作短編集で、第一弾にも登場をした「似顔絵婦警」が主人公です。
その前作で失踪事件を起こして半年の休暇を経て復帰をしたのが広報担当であり、そして電話相談窓口、捜査一課の刑事と次々に短期間で異動を繰り返していきます。
一貫して描かれているテーマは男社会の警察内部での「男尊女卑」であり、露骨さ、陰湿さ、男性目線でも女性目線でも、いろいろと考えさせられる作品となっています。
物語としてはやはり横山秀夫らしい重苦しさがありながらも軽やか、と言ってしまうと矛盾ではありますが、どこか明るい気持ちにさせられます。
それは挫折を繰り返しながらも主人公が一歩ずつでも前に進もうとしているのが理由ではないかと、これは成長物語でもあるのでしょう。
ミステリーとしては読み解くための材料があまり撒かれていないのでそういう意味での楽しみはもう一つですが、なるほど、とやられた感のある仕掛けは心地よいです。
余韻を残して読み手それぞれのアフターストーリーを考えさせる、そんな締めくくり方も深みを持たせているのかもしれません。
この魅力的な主人公が脇役でもいいので登場をしてくれれば嬉しいのですが、次はいよいよ本丸の64(ロクヨン)です。
2016年5月13日 読破 ★★★★★(5点)