サヨナラ負けを食らっていたらいろいろなものが終わってしまったかもしれず、生きた心地がしない九回裏でした。
西野はまさにマッチポンプ、フォークがバウンドをしたことが理由か悪手としか思えないスライダーの選択もダメ、田村も四苦八苦のリードだったでしょう。
さすがにスライダーは使えないと判断をしたのかストレート、カーブ、フォークの組み立てに戻して、そしてバウンドを嫌がってのフォークが高めに浮いたのが結果オーライ、走者を出そうが点を取られようが勝てばよし、とどこぞのお方に幕張の防波堤の極意を伝授されたかのような逃げ切りでした。
ただやはり西野は今のままではしんどい、ストレートで押すのか見せ球にするのかが定まらず、伝家の宝刀が足を引っ張り、一斗缶を背負ったようなピッチングが続きそうです。
涌井も今ひとつでした。
立ち上がりはストライクとボールがハッキリとしていて、しかし力でねじ伏せるという本来の涌井スタイルと言ってしまえばそれまでですが、球数がどんどんと増えていってせっかくのリードをあっさりとフイにするピッチング、それでも勝ち越しを許さないのがエースたる所以なのでしょう。
相変わらずに前の打球に思い切れない角中、根元との接触寸前の間が悪かったのか自らのフィルダースチョイス、併殺におあつらえ向きなピッチャーゴロをファーストに悪送球する田村と守備の破綻で絶体絶命だった二回のピンチ、これを眉一つ動かさずに無失点で切り抜けるところなどは素敵すぎます。
尻上がりに調子を上げての7回2失点、清田が言っていたように白星をつけられなかったのは残念、また申し訳なく、ごめんなさいとしか言いようがありません。
そして東浜から2安打しか打てなかった打線、例年どおりに低空飛行の体勢に入りました。
2試合連続のデスパイネのアーチは当然に大きな一発でしたが、その後の打席の振り回しを見れば素直に喜んでいいのかどうか、またKBOでは脚力もアピールをしていたもののここまで盗塁ゼロのナバーロのセーフティバントは今江並みのガッカリ、そんなものは望んでいません。
このナバーロ、やはり不思議ちゃんなのか守備が大好きなだけなのか、一塁ベース付近のフライでも押しのけて捕球をしにくるプレーに内野陣はナバーロが近づいてきたら譲るような動きを見せ始める中で、そんな空気は分からない平沢に、ショートフライに当たり前のように近づいていったナバーロも苦笑いでした。
ただ結果的に最後の打者となった今宮の打球、打った瞬間は抜けたかと思ったところでセカンドベース寄りに守っていたことと併せてファインプレーは言い過ぎか、角度的に難しいプレーでしたので鈴木は責められませんが鶴岡の打球をセカンドに送球しなかったことへの不満を体全体で見せていたことからしても、守備への意識は高そうです。
そして平沢、試合前に伊東監督は大差のゲームになれば、とその出場機会について語っていたようですが、同点の六回に中村の代打でプロ初打席を迎えました。
中村が東浜の外角低めの変化球に全く合っていなかったのも理由なのでしょうが、膠着状態を打破したい、そんな閃きが伊東監督にはあったのかもしれません。
残念ながら三振デビューでしたが見逃しではなく空振りだったことを前向きに、8球も投げさせましたし、九回の一死二塁ではそのまま打たせたかったな、とは贔屓目ではありますが、何かやってくれそうな雰囲気がありますので週末の地元でのスタメンを期待したいです。
とにもかくにも決勝タイムリーはパシフィックを救った一打、どうやら今季の清田は記録よりも記憶でいくつもりなのか、久しぶりに画面を見ながらガッツポーズな夜でした。
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◆5月12日(木) ソフトバンク-千葉ロッテ8回戦(ソフトバンク4勝3敗1分、18時1分、ヤフオクドーム、32,020人)
▽勝 内 15試合3勝
▽S 西野 15試合2勝1敗10S
▽敗 スアレス 11試合1勝1敗
▽本塁打 デスパイネ8号(東浜)、内川6号(涌井)
▽バッテリー
千葉ロッテ 涌井、内、西野―田村
ソフトバンク 東浜、スアレス―鶴岡