今回の旅が北海道をぐるっと一周をするという壮大なものとなったのは、日本100名城に根室半島チャシ跡群が含まれていることに他なりません。
どう考えても守備範囲から外れるどころの騒ぎではないのですが、ライフワークを完遂するためには避けられない道です。
結果的に納沙布岬でいい経験ができましたし、一つのきっかけと考えれば前向きにもなれます。
しかしそんな前向きな心をへし折るかのように、国の史跡に指定をされながらも手抜きが目立ちます。
いくつかあるチャシ跡の中でも代表的なのはヲンネモトチャシ跡ですが、納沙布岬から徒歩で20分ほどのところにあるとの事前リサーチとは裏腹に30分近くを歩く羽目となりました。
しかも一本道ではありながらも途中に案内板が全く無いのは不親切すぎますし、さすがに20分以上も歩いて何もないと不安になるのは人の常でしょう。
近くで昆布を干していた方に道を聞いたことで迷うことなく行き着きましたが、もし聞かずに歩いていたら手前の別れ道でどっちに行くべきかを迷ったに違いありません。
どうやら道案内だけではなくチャシ跡の整備も以前はいい加減だったらしく、観光客からの苦情が殺到をしたことでようやくに重い腰を上げたとは地元の方の言葉でした。
それにしても枝分かれの道をかなり歩いてから最後の最後になってのこの看板、ほとんど意味がありません。
その看板に従って気を取り直して歩いて行くと、草原に踏み固められた道が続いています。
これが整備をされてのものであれば、それ以前はどんな状態だったのかとゾッとしてしまいました。
あるがままを残すために手をかけないというのも一つの選択肢ではありますが、ものには限度があります。
不安になりながらも進んでいくと、ようやくそれらしき説明板に行き着きました。
ちょっと場にそぐわないぐらいの立派なもので、まだ新しいようにも見えましたのでこれが苦情により手当てをされたものの一つなのかもしれません。
それなりの説明がされているのですが、申し訳ないながらも自分にとっては守備範囲から大きく外れていることを再認識しただけのものでしかありませんでした。
それでも広がる草原のどこがチャシ跡なのか、それが分かっただけでもラッキーだったのかもしれません。
もしこの説明板が以前は無かったのであれば、ただ呆然と立ち尽くして終わってしまったであろう自分が容易に想像がつきます。
よくぞ苦情を言ってくれたと、先人の方々には感謝感激雨あられです。
さらに歩いて行くと、同じくチャシ跡を示す杭が立っていました。
こちらも新しいものですので最近に整備をされたものの一つだと思われ、逆に言えば以前はこれすら無かったのであればお話にもなりません。
もちろん以前にも何も無かったわけでもないでしょうが、今ですらこの程度ですから大体の想像はつきます。
そしてこの階段を登ったところがトップの写真で、もう少し行けそうな感じもあったのですが裸足にサンダルでは躊躇をするには充分すぎるぐらいの草の茂りっぷりです。
ここに至るまでの道の踏み固めに比べると雲泥の差で、大抵の人がここで諦めてしまったのでしょう。
この先に櫓でもあれば踏み進んだでしょうが、チャシ跡のためにそこまでの冒険はできません。
とりあえずは説明板の案内に従って、史跡に指定をされている平坦面を写真に撮って以上終了です。
なぜにこれが史跡なのかがよく分かりませんし、よくぞ見つけたと誉め称えたい気分にもなります。
こちらは帰り道に撮った全景の写真です。
ひょこっと立っているように見えるのが、先の階段の上にあったチャシ跡を示していた杭です。
世間的にヲンネモトチャシ跡として紹介をされているのはこのアングルがほとんどで、上からの写真ですとただの草原にしか見えませんので当然のことなのでしょう。
いろいろとネガティブな気持ちがもろに出た書きっぷりとなってしまいましたが、根室市観光インフォメーションセンターの担当者の愛想の悪さが拍車をかけています。
日本100名城のスタンプを借りるときにもいかにも面倒くさそうでしたし、質問にもほとんど答えてくれませんでした。
これはいろいろな意味でよくないと考えて、後から訪れる人のためにも苦情をびっしりと書いて観光客の声みたいなところの箱に入れておきました。
件の担当者が耳に痛いことを闇に葬るかのような行動に出てはいないことを願うとともに、自分が助けられたように少しでも役立ってくれればと思います。
【2011年9月 北海道の旅】
でっかいどー北海道
でっかいどー北海道 旅情篇
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でっかいどー北海道 史跡巡り篇 函館の巻
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