オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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これぞ野球の不可思議さ

2011-09-11 23:36:16 | 千葉ロッテ

人はそれぞれに他者に犯されたくはない距離感を持っており、その範囲内に入ってくるものに対しては無意識に身構えると言われています。
今日に納沙布岬から見た北方領土はあまりに近く、根室の人たちからすれば生理的な拒否反応を示しているのでしょう。
歴史的、政治的な経緯があるのでしょうから難しいことは分かりませんが、まさに自分の目であの距離感を見てしまうと四島返還にこだわるのではなく歯舞諸島と色丹島の二島返還を足がかりに国後島の三島返還を基本線にしてもいいのではないかと、そんなことを感じた納沙布岬でした。

ロッテファンからする不快な距離感に最下位が含まれているのかどうかは、実は微妙な気がしています。
私などは川崎時代の暗黒を経験しているだけにCS圏内に入れないのであれば、中途半端な4位ではチームの根本的な改革ができないので最下位の方がいいと軽く言ってしまうのですが、例えば千葉移転を契機にファンになられた方の距離感はまた違うのでしょう。
そしてオリオンズから初期マリーンズを経験しているベンチとベテラン選手たち、2005年以降に2度の日本一を経験した中堅から若手の選手たちの距離感がそれぞれにどんなものなのか、そのあたりが負けが込んできたときの行動に如実に出てくるのではないかと、その是非はともかくとしてちょっと興味を持っています。

話がそれましたが、今日の試合です。
この3連戦で6得点18失点ながらも2勝1敗で久しぶりの勝ち越しをするのですから、野球は数字では語れないスポーツであることを痛感します。
ソフトバンクからすれば面白くもない展開だったでしょうが、似たようなことは多く経験をしているロッテですからたまには逆もいいじゃないかと、さらには諦めきれない史上最弱の下克上に向けたプロローグにでもなってくれれば言うことはありません。

渡辺俊は本人も言っていたように零封をしたのが嘘のような8回8安打に立ち上がりは先頭打者を出して得点圏に走者を背負ってのピッチングでしたので、これはもう夢か幻かとは言い過ぎでしょうが、よくぞ抑えてくれたとの一語に尽きます。
ただ走者を出しながらものらりくらりとかわすのが渡辺俊のスタイルではありますので、そういう意味ではらしい投球内容であったとも言えます。
また前日に打ちまくったソフトバンク打線のスイングが大きくなってしまったであろうことも想像に難くなく、それを恐れての昨日に中盤から主力を引っ込めた秋山監督だったのでしょうが、タイミングを外すことが命の渡辺俊を相手にしたことでの相乗効果に抗しきれなかったということなのかもしれません。
何にせよ全体的にはようやくに形になりつつある渡辺俊が、これまた本人の言葉のとおりに貯金を作ってシーズンを終えることができるかどうかは来季の戦力構想に大きく関わってくるところですので、球団が例によって無謀な複数年契約に走るかどうかも含めて注目のオフになりそうです。

打線は攝津に5安打で1点しか取れませんでしたので渡辺俊を援護したと胸を張れるわけもなく、伊志嶺の足がもたらした勝利にホッと一息といったところでしょう。
あれで本塁憤死ともなれば頭から決めての走塁であった伊志嶺が、あるいは壊れた信号機と上川コーチが責められることもあったかもしれませんが、打球の飛んだ位置と跳ね方を考えれば当たり前すぎる走塁ではありました。
ただそれでも伊志嶺、あるいは岡田あたりでなければ無理なプレーではありましたので、長距離打者が不在のチーム事情を考えれば西村監督が目指す野球が基本的には間違っていないことを証明した勝利とも言えますし、ベンチでこぶしを握りしめている姿が目に浮かびます。
ともなれば前監督がそうであったように発作的に盗塁が増えることに継続性がないことをどう克服をするのか、とにかく今は経過よりも結果が大事な岡田や伊志嶺が30盗塁をマークすることはチームにとっては必須、必然でもありますので、是非とも足のある選手を揃えるだけではなく育てることも考えて欲しいです。
これにはあれだけ重用をしながらも今はすっかりとベンチの置き石と化してしまった工藤が代表的とも言える、選手起用の不細工さの改善が含まれることは言うまでもありません。
今週の6試合のうち4試合が9人野球で1試合平均にすると10人に満たないという素敵すぎる選手起用には開いた口がふさがりませんし、いつも揶揄をしている高校野球ですら負け試合ともなればもっと多くの選手がフィールドに立ちます。
チームとして育てなければならない選手、今で言えば伊志嶺や角中、そして高濱などを我慢して使い続けることは問題ありませんが、うるさいくらいに耳にタコ状態でしょうが井口とカスティーヨに里崎あたりのフル出場はいい加減に何とかしてもらいたいです。
その6試合で3勝3敗ながらも勝った試合は全て完封勝利という、逆に言えば点を取られれば勝てないと投手に思われても仕方がないような貧打、勝負弱さを見せているマリングリング打線なだけに尚更ですし、成績が伴っていない選手をフル出場させる理由が見つかりません。

それでも今日の勝利に貢献をした伊志嶺や守備で魅せた岡田、浦和で結果を残して戻ってきた高濱などの楽しみな選手は、ずっと推し続けてきた角中だけではありません。
これまでであれば浦和で1割台に低迷をしていた高濱を我慢をして使うことでクリーンアップを打つところまで引き上げるようなことは考えられませんでしたので、牛歩であっても少しずつでも何かが変わってきていると思いたいです。
老藪田の頑張りにも頭が下がりますし、ベテランと若手のバランスがいいチームが強くあり続けることは他に例を挙げるまでもありませんので、そこに中堅どころがどうそれを支えていくのか、野手で言えば大松と今江の踏ん張りが全てのように思えてなりません。
やはりここは大松なり今江をキャプテンに指名をして、もっと積極的に前に出るよう後ろから突き飛ばすぐらいの施策が望まれます。
せっかくの勝ち試合なのに愚痴ばかりのようで申し訳ないながらも、あまり素直に喜べる白星でもなかったので、また悪い癖が出たとでも思っていただければ幸いです。



  1 2 3 4 5 6 7 8 9
ソフトバンク 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8 0
千葉ロッテ 0 0 0 0 0 1 0 0 X 1 5

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◆9月11日(日) 千葉ロッテ-ソフトバンク20回戦(ソフトバンク11勝8敗1分、13時、QVCマリン、21,346人)
▽勝 渡辺俊 21試合7勝7敗
▽S 藪田 45試合1勝2敗28S
▽敗 攝津 21試合11勝8敗

▽バッテリー
千葉ロッテ 渡辺俊、藪田―里崎
ソフトバンク 攝津―山崎

 

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