0 荻野忠寛 投手 25歳 年俸1200万円
【2007年成績】 58試合 1勝3敗1S 防御率2.21 53回 43被安打 2被本塁打 13与四球 2与死球 35奪三振 被打率.223
ルーキーながら右の中継ぎとして藪田の後継と目されるようになるほどの活躍を見せてくれました。
藪田と並ぶチーム最多の58試合の登板で防御率が2点台前半、川崎と成瀬に次ぐ被打率の低さが彼の今季のピッチングを物語っています。
正直なところ、彼がここまでやるとは思っていませんでした。
嗜好として小柄な投手があまり好きでないと言うのもありましたが、特徴のなさからその活躍を想像できなかったというのが正直なところです。
ドラフト候補に挙がった時から彼について回ったのは「多くの変化球を駆使する技巧派投手」という評価で、実際にプロに入ってからも評価に違わぬピッチング内容でした。
記憶されている方もいらっしゃるかと思いますが、彼が初めて1軍で登板した時の私の評価は芳しくないものでした。
背水の陣 (4/17 オリオン村)
多彩な変化球という評価は逆を言えば決め球を持たないことの裏返しではないか、という懸念通りの投球内容で、何を投げてもファールで粘られるという私から見れば散々なデビューでした。
僅か2年で見切られた酒井や鈴木の二の舞になるのではとの心配すらしました。
その後の登板も粘られて打たれるの繰り返しでしたが、それでも期待されて起用される理由があるのではないかと思い、逆に問題は里崎のリードではないかとの指摘もしています。
一発の威力 (4/20 オリオン村)
とりあえず思ったことは言ってみるもので(笑)、プロでも珍しい大きなカーブを武器と見定めてからの活躍はご存じの通りです。
予想外だったのは緩いカーブを武器にしたことで、逆に140キロに満たないストレートもカーブとのコンビネーションにより生き返ったことです。
またそのストレートですら手元で微妙に動くことで打者のタイミングを外すことができるようになり、成瀬と同様に出所が見づらいフォームも手伝ってか打者に思い切ったスイングをさせないピッチングができるようになりました。
ルーキーをシーズン序盤から大事な場面で起用し続けたベンチの采配も、この荻野の特徴を見いだした結果であるのであれば大ヒットだと思います。
課題も当然ですがあります。
慣れられたこともあるのでしょうが、シーズン終盤にやや逃げの投球が目立ったことが気になっています。
アウトコースへの変化球が外れてカウントを悪くしてしまい、結局ストライクを取りにいったところを痛打されるケースが目立ち始めました。
力でねじ伏せるタイプではなくコンビネーションでかわすタイプの投手は打者に慣れられると厳しいのは確かで、今まで打ち取れていたボールをヒットにされることもある程度は仕方がないことです。
しかしだからこそ逃げるのではなく、逆に内を攻めることでストライクゾーンを大きく使うことが荻野には求められることだと思います。
神田が1軍に定着できず、また藪田の動向も不透明である中継ぎ陣を見れば、来季は荻野を右の中継ぎのエースとして考えなければならないのが今のロッテのスタッフです。
2年目のジンクスがシーズン終盤にきたと考えれば課題が早くわかったことでラッキーであり、今年の結果に浮かれることなく今のポジションを盤石なものにできるかどうかの試金石となる来シーズンに向かって気持ちを引き締めてくれることを願っています。
【オリオン村査定】 1200万円 → 2500万円 (△108%)