電脳筆写『 心超臨界 』

悲しみは二つの庭を仕切るただの壁にすぎない
( ハリール・ジブラーン )

人間通 《 権限――谷沢永一 》

2024-07-04 | 05-真相・背景・経緯
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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権力を分散させて一極集中を阻止し、分割分離された権限が相拮抗(あいきっこう)している構図を宜(よろ)しいとする性向が、実力によって下から起こった鎌倉(かまくら)幕府の成立以後では、政治史の縦糸(たていと)となっている。あの会社はあの専務で保(も)っている、などという評判が生まれたらよほど警戒せねばならぬ。急いで目に立つ補佐役の顔を揃(そろ)え、名の通った相談役を置き、合議制で事が進行していると見える体制を整えなければならない。人を人とも思わぬ、という言い立てが、我が国では有力者を批判する場に最も通例の公式なのである。


◆権限

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p150 )

司馬遼太郎が指摘しているように、我が国では絶大な権限を一身に集中したかに見える指導者(リーダー)は、殆(ほとん)ど例外なく非命に斃(たお)れている。少くとも戦国期以後はその成り行きが顕著である。織田信長、井伊直弼(いいなおすけ)、大久保利通(おおくぼとしみち)、星亨(とおる)、原敬(はらたかし)、いずれも暗殺者の手にかかって倒れた。暗殺という魔手を肯定するのではない。また暗殺は多分に真当(まとも)な理由から逸(そ)れた偶発事(アクシデント)である。原敬を刺した犯人は安定政権を妬んだのではなく、史上最初の皇太子(昭和天皇)外遊を佳(よ)しとした宰相を憎む右翼の指金であったと謂(い)う。しかし万事を掌握していると広く世に認められた人物は必ず憎まれた。一身に全責任を背負って事に当るという型の人物は好まれない。彼奴(きゃつ)は何物にも拘束されないで自由気儘(きまま)に事をおこなっていると見るや否(いな)や、そこにはなんらかの邪(よこしま)な事情が伏在するに違いないと想像する。裏に何かある、と勘繰りの念を幾重にも働かせるのであろう。

権力を分散させて一極集中を阻止し、分割分離された権限が相拮抗(あいきっこう)している構図を宜(よろ)しいとする性向が、実力によって下から起こった鎌倉(かまくら)幕府の成立以後では、政治史の縦糸(たていと)となっている。あの会社はあの専務で保(も)っている、などという評判が生まれたらよほど警戒せねばならぬ。急いで目に立つ補佐役の顔を揃(そろ)え、名の通った相談役を置き、合議制で事が進行していると見える体制を整えなければならない。人を人とも思わぬ、という言い立てが、我が国では有力者を批判する場に最も通例の公式なのである。
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