電脳筆写『 心超臨界 』

現存する良品はすべて創造力の産物である
( ジョン・スチュアート・ミル )

不都合な真実 《 中国重視でも「抗中」が必要だ――神谷万丈 》

2024-06-23 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散記事『榎本武揚建立「小樽龍宮神社」にて執り行う「土方歳三慰霊祭」と「特別御朱印」の告知』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


日本の安全を脅かす中国の行動のうち、最も顕著なのは尖閣周辺での公船の活動だ。11月26日の時点で、中国公船による尖閣周辺の接続海域の航行は今年に入ってから307日で既に過去最多だ。中国の警備船が日本の領海内で日本の漁船を追尾する事件も発生し、中国政府は自国領海で違法操業する日本の漁船への対処だと主張した。今回東京で王氏も尖閣について「自国の主権を守っていく」と述べるなど、挑発はぎりぎりのところまでエスカレートしている。


◆中国重視でも「抗中」が必要だ――神谷万丈・防衛大学校教授
(「正論」産経新聞 R02(2020).12.02 )

日中関係の安定は重要か。国際問題の専門家なら、ほぼ全員がイエスと答えるだろう。11月24、25日に中国の王毅国務委員兼外相が日本を訪れた際、会談した菅義偉首相、茂木敏充外相、加藤勝信官房長官が、いずれも日中の安定した関係が地域として国際社会にとって重要だと強調したことに、異を唱える向きも少なかろう。

  日本外交の究極的目標は

確かに日本にとって、地理的に近接する世界第2の大国との間で良好な関係を安定的に保てるならばそれにこしたことはない。新型コロナが猛威を振るい続ける中で日中という世界有数の大国が強調できれば、アジアと世界にも多くの貢献ができるだろう。加藤官房長官は王氏に対し菅政権が日中関係を重視している旨を伝えたというが、むべなるかなと思う。

だが、日中関係の安定が重要だということは日本が何をさしおいても対中関係の安定を優先すべきだということを意味しない。日本外交の究極的な目標は、自らの安全と繁栄を確保することであり、その基礎となってきたリベラルなルールを基盤とする国際秩序を守ることだ。もしある国の行動がこれらの目標の達成の妨げとなっている場合には、求められるのは決然とした対抗姿勢だ。そして中国の場合、遺憾ながら近年、日本の安全を脅かし、自由や法の支配を重視するリベラル国際秩序を弱めるような行動が目立っている。

日本の安全を脅かす中国の行動のうち、最も顕著なのは尖閣周辺での公船の活動だ。11月26日の時点で、中国公船による尖閣周辺の接続海域の航行は今年に入ってから307日で既に過去最多だ。中国の警備船が日本の領海内で日本の漁船を追尾する事件も発生し、中国政府は自国領海で違法操業する日本の漁船への対処だと主張した(*)。今回東京で王氏も尖閣について「自国の主権を守っていく」と述べるなど、挑発はぎりぎりのところまでエスカレートしている。

  ブログ注(*):王氏の主張に対し何も反論できない茂木外務大臣
         に対し、「国を売るつもりか」との批判あり!
    https://www.youtube.com/watch?v=-mU0-NXLyYU
    拡散保存版『「尖閣諸島;動かぬ証拠」完結編
    *茂木外務大臣の無知を糺す』第313回【水間条項TV】


  力ずくの動き看過できない

尖閣をめぐるこうした行動は、世界での中国による「力による現状変更」の試みの一環だ。多年世界の平和と繁栄の土台となってきたリベラル国際秩序の下では、世界最強の米国を含め、大国も小国も国際的なルールや約束を尊重し、力任せの行動を控えることが原則となってきた。ところが中国は近年、力ずくでの国益追求の動きを強めている。自国起源の感染症が世界を苦しめ続ける中で、中国は尖閣以外にも、南シナ海では新行政区(南沙区、西沙区)の設置宣言により実効支配強化を図り、中印国境では45年ぶりに死者の出る紛争を引き起こし、ブータン東部の領有権も主張し始めた。

こうした力による現状変更の動きが看過されれば、リベラル国際秩序の将来は危うい。日本にとって居心地のよかった国際環境が失われかねないということだ。

中国は、価値の面からも既存の国際秩序への挑戦を強めている。その典型が香港での国家安全維持法の施行などによる民主派への弾圧だ。北京は香港問題は中国の国内問題だというが、中国は香港の返還に際し、外交・防衛を除く分野で高度の自治を50年間維持することを世界に約束している。中国のような主要国により国際的な約束が反故(ほご)にされることは、リベラルでルールを基盤とした国際秩序の根幹を揺るがす。

中国の対外姿勢がこのようなものである限り、日本は、それに断固として対抗していかなければなるまい。これは「反中」とは違う。日本にとっての中国の重要性を認識し、日中関係が友好的で安定的になるよう願うことは重要だ。だが同時に、日本の根本的な国益を損ねる中国の行動には決然と立ち向かい。「抗中」を貫かなければならないということだ。

  民主主義諸国連携を主導

約80の民主主義諸国から300名もの政治、軍事の指導者や安全保障のエキスパートが集まり、民主主義国にとっての安全保障上の課題を話し合うハリファクス国際安全保障フォーラムという大きな年次会議がある。11月にオンラインで開催された今年の会議では、バイデン米政権の登場が世界に与える影響とともに、リベラル国際秩序への中国の挑戦に対し、民主主義諸国がいかに連帯して立ち向かうべきかが議論の中心になった。米欧諸国に先駆けて、国際社会にとっての中国のリスクにたいして警鐘を鳴らしてきた日本は、盛り上がりつつある民主主義諸国の抗中連携の機運を主導できる外交を展開すべきだろう。

日本経済にとっての中国の重要性を考えると、抗中には限界があるとの反論もあろう。だがこれに対しては、最近言葉を交わす機会のあったある香港の民主派指導者が、「確かにビジネスは重要だが、世の中にはカネおりも大切なものがある。日本には、アジアの民主主義国として中国問題でもっと発言し行動してほしい」と訴えていたことを紹介しておきたい。

日本にとって最も根本的な国益とは何かを考え、それを守るために行動する。日本の対中外交にはそうした決意が求められよう。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 不都合な真実 《 オバマ政権... | トップ | 伸びない芝を開発する――松井邦夫 »
最新の画像もっと見る

04-歴史・文化・社会」カテゴリの最新記事