電脳筆写『 心超臨界 』

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( H・ジャクソン・ブラウン・Jr. )

歴史を裁く愚かさ 《 ヴァイツゼッカー来日発言への疑問――西尾幹二 》

2024-07-16 | 04-歴史・文化・社会
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ドイツも日本と根本的にはあまり変わっていないはずなのに、ドイツ人は自分たちはナチスから解放された、だからいまのドイツは昔のドイツではないと、じつにぬけぬけと、ヴァイツゼッカー前大統領はいっております。しかし、そんな馬鹿なことはない。ドイツにはナチスに至る前史がある。そして、ナチス以降のナチスから断ち切れていない戦後史があります。あるからネオナチが出てくるのではないですか。そういうことを考えても、ヴァイツゼッカーさんのいっていることは大嘘っぱちです。


『歴史を裁く愚かさ』
( 西尾幹二、PHP研究所 (2000/01)、p264 )
終章 日本人の自己回復

◆ヴァイツゼッカー来日発言への疑問

ヴァイツゼッカー前ドイツ大統領が昨年(平成7年)も日本にまいりまして、名古屋で講演がありました。これはNHKが再三にわたって教育テレビで放映したので、皆さまもあるいはお聞きになったかもしれませんが、驚くべきことをこの中で発言しています。

すなわち、ヴァイツゼッカーさんは、「ナチスの12年間はドイツ史の例外である、あれはナチ党という暴力集団に短期間、ドイツの歴史が占領されただけだ」という、したたかな自己防衛の論理を、招待講演で展開して帰っていきました。大した鉄面皮ですが、こういうことをぬけぬけと主張するのが、じつは世界の常識なのです。

前大統領には1985年5月8日、ドイツ降伏40周年に際しての有名な記念講演がありますが、あの中で彼はしきりに、ドイツはナチスから解放された、という言葉を使う。解放されたというからには、ドイツ国民はナチスの推進者でも、協力者でも、参加者でもなく、犠牲者であり、被害者であったという言い分になります。つまりナチスとドイツは別だ、だから、ドイツはナチスから解放されたという言い方になるわけです。

フランスがナチスから解放され、ポーランドがナチスから解放され、オランダがナチスから解放されたのは、よく知られております。しかし、ドイツがナチスから解放されたというのは一寸妙です。納得いきません。なぜならば、ナチスはドイツ国民の大半に支えられたのであり、約2千万人近いナチ協力者は罰せられることもなく、戦後に西ドイツ社会に復帰しているからです。

わが国のケースを考えれば、皆さまお分かりと思いますが、アメリカ占領軍は解放軍ではありませんでした。紛れもなく占領軍でした。われわれはアメリカに解放されたのではありません。

昭和20年9月5日、首相、東久邇宮は8月15日の陛下の詔勅を拝して、「終戦の決断はひとえに陛下の大御心によるものであって、われわれ国民は陛下に戦争継続の努力が足りなかったことを謝らなければいけない」と述べています。

つまり日本人のその時の気持ちは、日本人が国際的犯罪を犯したとか、戦争責任を負っているとか、陛下がその責任者であるとか、そんな考えは毛の先ほどもなかったのです。そういう考えが入ってくるのは後になって、外からです。連合軍がそういう考え方を潮のごとく流す。

ドイツも日本と根本的にはあまり変わっていないはずなのに、ドイツ人は自分たちはナチスから解放された、だからいまのドイツは昔のドイツではないと、じつにぬけぬけと、ヴァイツゼッカー前大統領はいっております。しかし、そんな馬鹿なことはない。ドイツにはナチスに至る前史がある。そして、ナチス以降のナチスから断ち切れていない戦後史があります。あるからネオナチが出てくるのではないですか。そういうことを考えても、ヴァイツゼッカーさんのいっていることは大嘘っぱちです。

ところがどういうわけか、この人が大好きな人が日本には多くて、彼を聖者の如くに、平和の使徒であるかの如くに扱います。NHKの教育テレビは特にそうです。NHKは最近どうしたんでしょう。疑問に思ったことはありませんか。特定の民放がおかしいという話ではない。NHKはある種の集団に占領されているんじゃないかと、最近、私は猜疑心を抱いているくらいです。
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