電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが家族を選ぶのではない
家族は神からのあなたへの贈り物
あなたが家族への贈り物であるように
デズモンド・ツツ

人間学 《 反復連打の効用——伊藤肇 》

2024-08-13 | 03-自己・信念・努力
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生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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「功成り名遂げて身を退くは天の道なり」と老子にあるが、なかなか、そうはいかぬのが凡人の哀しさである。〈何もかも、すべて自分を中心に動いている。俺は決して独裁者ではない。だが、自分のつくった世界のまん中にはやはり坐っていたい。それくらいのわがままは許してくれてもいいではないか。でなければ、何のためにここまで事業をのばし、財界活動したのかわからなくなる〉そんな自問自答をくり返すのが、権力の座にある者の晩年のパターンである。


『人間学』
( 伊藤肇、PHP研究所 (1986/05)、p201 )
第7章 側近の人間学

◆反復連打の効用

「功成り名遂げて身を退くは天の道なり」と老子にあるが、なかなか、そうはいかぬのが凡人の哀しさである。

〈何もかも、すべて自分を中心に動いている。俺は決して独裁者ではない。だが、自分のつくった世界のまん中にはやはり坐っていたい。それくらいのわがままは許してくれてもいいではないか。でなければ、何のためにここまで事業をのばし、財界活動したのかわからなくなる〉

そんな自問自答をくり返すのが、権力の座にある者の晩年のパターンである。

もう既に亡いが、王子製紙から出ていた日本商工会議所会頭の足立正が、その会頭の椅子に固執して、顰蹙(ひんしゅく)を買ったことがある。しかし、相手があまりにも大長老で、「辞任勧告」という鈴を猫の首につけにいく人間がいなかった。といって、放っておけば、弊害がでてくることは明らかだった。いや、現実に出つつあった。

どういう方法でやったかというと、小手先の細工は一切ぬいて、ストレートに足立をたずねて、ズバリときりだした。

「君のためにも、財界のためにも、今が一番のひき時だと思うが、引退の決意をしたらどうかネ」

いかに親友とはいえ、決して愉快な言葉ではない。足立はぷいと横をむいたまま、とりつくしまとてなかった。

今道はそのままひきさがった。ところが翌日、また押しかけていって同じ言葉をくり返した。全く脈はない。次の日、また訪れた。

こんなことを十日間もくり返しているうちに、「わかった、やめるよ」と足立がいった。

足立の辞任が新聞発表された直後、今道にあったら、しみじみした調子でこんなことをいった。

「もし、あの場合、足立がうまくやめてくれればボクの男が売れるとか、永野重雄を会頭に昇格させることによって、永野に恩が売れるとかの打算や私心が、ほんのちょっぴりでも自分にあったら、この交渉はとてもうまくいかなかっただろう。ボクは心底から、辞任するのが足立のためであり、日本財界のためである、と信じきって動いたからこそ足立も感じてくれたのだと思う」
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