電脳筆写『 心超臨界 』

人生は歎き悲しむよりも
笑いとばすほうが人には合っている
( セネカ )

不都合な真実 《 郵便貯金と簡保マネー開放――堤未果 》

2024-05-23 | 05-真相・背景・経緯
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散記事『榎本武揚建立「小樽龍宮神社」にて執り行う「土方歳三慰霊祭」と「特別御朱印」の告知』
■超拡散『南京問題終結宣言がYouTubeより削除されました』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


アメリカからの指示を受けた竹中郵政民営化担当大臣はしっかりとその期待に応え、それまで誰も手をつけなかった郵政民営化は、小泉政権下であっさりと実施された。それまで安全な日本国債で日本国民のお金を運用していたゆうちょ銀行は、米系企業の株式や債券に投資する比率をどんどん上げ始め、ゴールドマン・サックスの勧めるリスク商品に投資するようになった。


◆郵便貯金と簡保マネー開放のための民営化

『株式会社アメリカの日本解体計画』
( 堤未果、経営科学出版、p51 )

(ブログ注:原文中の太字箇所を赤字で表記した)

皆さんご存知のように、日本郵政公社から郵便貯金事業等を引き継いだゆうちょ銀行は、民営化する前の段階で、すでに郵便貯金とかんぽマネーの合計340兆円という、莫大な預金を持っていました。

ゴールドマン・サックスは、以前からこれに目をつけていました。

「ゆうちょ銀行を早く民営化してマーケットに開放しなさい。その貯金を手に入れ、運用したい」と虎視眈々(こしたんたん)と狙っていたのです。

その窓口として白羽の矢が立ったのが、金融大臣を経て経産大臣に就任し、当時郵政民営化担当大臣に任命された、現大手派遣会社パソナ会長の「竹中平蔵氏」でした。

とはいえ「郵政民営化」は、小泉政権の規制改革の目玉政策でしたよね?

だから竹中氏が先頭に立って、「郵政事業を開放して、民営化せよ」と旗を振っていても、国民はまさかその裏でアメリカからの要請があったとは、夢に思わなかったのです。

要請したのは誰だったのか?

ゴールドマン・サックスの、ロバート・ゼーリック副会長でした。

ゼーリック氏から竹中平蔵氏へ送られたある手紙の存在が明るみに出たのは、2005年8月、まさに「郵政民営化」を問うあの解散総選挙の前月に行われた、参議院特別委員会でのことでした。

民主党(当時)の櫻井充参議院議員が、竹中郵政民営化担当大臣に、こんな質問をしたのです。

「竹中大臣、あなたは今まで、アメリカの要人と民営化について話し合ったことはありますか」

この質問に対し、竹中大臣はきっぱりとこう否定しました。

「いいえ、一度もございません」

そうですか、では・・・と言って、櫻井議員がその場で読み上げたのが、ロバート・ゼーリック氏から竹中大臣に宛てた手紙だったのです(第162回国会 参議院 郵政民営化に関する特別委員会より:以下要約)。

「竹中さんおめでとうございます。あなたは金融大臣としてよいお仕事をされ、それが新しい任務につながったのですね。この任務を小泉首相が貴方に託した事は我々にとって非常に心強く、貴方には以前と同様の決意とリーダーシップを期待しています。
 保険、銀行、速配業務において、競争条件を完全に平等にすることは、私たち(米国)にとって根本的に重要です。郵貯と簡保を、民間とイコールフッティング(同条件)にすること、つまり、これらについて今までの規制や保護、政府保証を廃止して、民間と同じ条件にしてほしいのです。具体的には以下について、貴方を後押し致します。

①民営化開始の2007年より、郵貯・簡保業務にも民間と同じ保険業法、銀行法を適用すること。

②競争条件が完全に平等になるまで、郵貯・簡保に新商品や既存商品の見直しは認めないこと。

③新しい郵貯・簡保は相互扶助による利益を得てはならない。

④民営化するプロセスの途中に、郵便局には一切特典を与えてはならない。

⑤民営化のプロセスの途中で、米国の業者も含む関連業者に口を挟む場を与え、その意見は決定事項として扱うこと。

 これらの改革に取りかかる際、私の助けがいる時は遠慮なくおっしゃってください。
 貴方は立派な仕事をされました……新たな責務における幸運を祈念致します。
貴方と仕事をするのを楽しみにしております」


手紙で触れられているのはあくまでも郵便貯金と簡保のみ、明らかに日本国民の貯金340兆円を、ピンポイントで狙いうちにした指示でした。

まさに内政干渉の極みといったこの事件、そこにいた議員たちは皆ショックを受け、室内はざわめきで一杯だったそうです。

この手のことになると日本のマスコミは一斉に「報道しない自由」を行使して沈黙しますから、翌日の朝刊にはこの委員会のことどころか、竹中氏の「竹」の字すら載っていませんでした。

郵政民営化法案は心ある愛国議員たちによって参議院では一旦否決されます。

その翌日、ワシントンの広報誌であるウォール・ストリートジャーナルはこんな記事を出しています。

「これで我々が望んだ3兆ドルは、しばらくお預けだ。が、しかし、小泉政権は頑張るに違いない」

ええ、頑張りました。

とりわけ、アメリカからの指示を受けた竹中郵政民営化担当大臣はしっかりとその期待に応え、それまで誰も手をつけなかった郵政民営化は、小泉政権下であっさりと実姉されたのです。

07年には郵便局会社・郵便事業会社・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の4社に再編され、15年には東京証券取引所第1部に上場、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険も同様に、日本郵政から株が売り出されました。

それまで安全な日本国債で日本国民のお金を運用していたゆうちょ銀行は、米系企業の株式や債券に投資する比率をどんどん上げ始め、ゴールドマン・サックスの勧めるリスク商品に投資するようになったのです。

竹中氏を後押しして郵政民営化の実現に貢献したゼーリック氏は「大金星」を上げ世界銀行総裁、国務長官と順調に出世の階段を登ってゆき、13年には再びゴールドマン・サックスへと舞い戻り、国際戦略アドバイザー統括責任者という輝かしい椅子を手に入れたのでした。

ウォール街関係者との間でこの郵政民営化が話題に出ると、

「小泉政権が郵便局の貯金を差し出し、次に彼の息子が農協の貯金をウォール街に捧げてくれる」

などいう不吉な言葉が出てきます。

350兆円の郵便貯金の次にウォール街が喉から手が出るほど欲しいのは、600兆円と言われる農協の貯金、そして私たちの老後を支える、130兆円の年金です。小泉進次郎議員が熱心に進める「農協改革(解体)」が完全に民営化路線なのは偶然ではありません。親子二代で貢献しています。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 不都合な真実 歴史編 《 教科... | トップ | 脳も宇宙の変化した一部分――... »
最新の画像もっと見る

05-真相・背景・経緯」カテゴリの最新記事