電脳筆写『 心超臨界 』

明日への最大の準備はきょう最善を尽くすこと
( H・ジャクソン・ブラウン・Jr. )

柔道は相手を制するだけでいい――高野重好

2024-07-14 | 04-歴史・文化・社会
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パラオは第1次世界大戦中に日本に占領され、太平洋戦争の終了まで約30年間、日本の統治下にありました。ところが日本だけは他の欧米各国とは異なり、、搾取される側の立場に立って、パラオの復興を図り、独立を指導したといいます。パラオの国旗が日の丸にそっくりなのは、パラオを統治した日本への尊敬の念が込められているからです。


◆柔道は相手を制するだけでいい――高野重好さん

「柔道のこころ⑨――パラオの挨拶『黙想!』」
( 2006.05.26 朝日新聞 「ニッポン人・脈・記」)

常夏の島、ミクロネシアのパラオ共和国。人口2万の小さな国で、すれ違う若者たちが「黙想!」と日本語で挨拶を交わす。目を閉じるわけではない。「こんにちは」の代わりに使っている。彼らには共通点がある。日本人から柔道を習った仲間であることだ。

高野重好(たかのしげよし・33)が彼らの先生だった。05年7月まで丸2年間、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員としてパラオに派遣された。福井大学大学院を出て柔道3段の腕前。現地での初めての柔道の指導者として迎えられ、警察学校で逮捕術や護身術として教えた。

派遣当初、パラオでは柔道を見たこともない人たちがほとんど。柔道家も、畳みもない。しばらくはTシャツと短パンで練習した。

投げ技や寝技をひと通り教えると、初歩的な質問がきた。「なぜ柔道にはパンチやキックがないの?」。高野は教えた。「柔道は相手を痛めつけるのが目的ではないんだ。相手を制するだけでいい」。これから警察官になろうとする者にとって、逮捕術の心構えとなる言葉だった。

パラオの若者たちは教えを素直に聞き入れた。練習の始めと終わりには正座して目を閉じる。高野が 張りのある声で「黙想!」と号令する。

「なんで黙想するの?」と聞かれた。丁寧に答えた。「目をつぶって考えてごらん。柔道ができるのもいろんな人たちのお陰だよ。心を落ち着かせて感謝するためなんだ」。この日本語が、ふだんはパラオ語を使う警察官の卵たちのお気に入りになった。

ホームステイ先に小学生の女の子が2人いた。長女がユキエ、次女がサチコ。彼女たちの祖母が日本を慕い、日本風の名前をつけたと聞いた。

パラオは第1次世界大戦中に日本に占領され、太平洋戦争の終了まで約30年間、日本の統治下にあった。今でもほとんどのお年寄りが日本語を話せる。高野はいたるところで日本語を耳にした。招待客は「特別お客さん」。ビールのテレビCMでは「おいしいね。一番ね」と流れる。仕事のあとで、一杯行こうか、と声を掛けるときは「ツカレナオース?」。疲れを治すという意味だ。
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