司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

優先配当と普通配当 その3

2012年07月17日 | 株主総会

おはようございます♪

え~っと。。。今日は、優先配当のコトであります。

いわゆる優先株式ってモノは、「優先的に配当しますよ♪ その代わり議決権ありませんケド。。」という内容。

普通株式よりも配当金がたくさんもらえる。。。って感じますが、ドッコイ!そんなことはありません。。。
この事実を実感して、何となく割り切れないモノを感じました。

では、どういう設計になっているのかというと、まず、優先株式は普通株式よりも先に1株あたり金10円(仮)の配当を受けることができる、とされます。これ、配当を受ける順位において、普通株式に優先するという内容。

そして、普通株式は、優先株式に10円を配当した後は、10円(優先配当額)までの配当を受けることができます。
そして、10円を超えて配当する場合は、普通株式と優先株式同額の配当を受けることができます。

具体的なケースにあてはめますと、こうなります。
(※「優先配当金」とは優先株式1株あたりの配当金の額、「普通配当金」とは普通株式1株あたりの配当金の額、というつもりです。通常ですと、普通株式に優先して配当を受けることができる額のことを「優先配当金」と呼ぶことが多いのですが、今回はそっちの意味ではありません。予めご了承くださいませ。)

優先配当金10円の場合 普通配当金10円(まで配当できます)
優先配当金15円の場合 普通配当金15円
優先配当金20円の場合 普通配当金20円
優先配当金5円の場合 普通配当金0円
(不足額5円は翌期以降に累積しません(翌年の定時株主総会で優先配当額が15円(10円+不足分5円)にはならないってこと)

いかがですか?
基本的には優先株式と普通株式の配当額は同額になるように(同額にするつもりで)設計してあることがほとんど。
しかも、議決権のあった時代から、毎年同じ程度の配当を行っていたという実績のある会社サンばかりなので、配当額自体は議決権がないからと言っても、以前より増えることはなさそうなんです。
「優先」と言われると、何だか得するような気がするのに、実はそうじゃないなんて。。。何だかな。。。と思うのはワタシだけでしょうか?

。。。というわけで、優先株式を発行したとはいえ、結局、配当金自体はそれまでとほぼ同じ。
この点もイチイチ株式の種類によって額が異なるケースを想定しなくって良いので(10円以上配当するならば)、分かり易いといえば分かり易い。

で、今回の会社サンも、そんな内容の優先株式があります(A種類株式)。
なので、種類株式発行会社にしては、わりと単純だとは思いますが、それでも、ちょっと心配だったようでしてね。
「いつもの司法書士サン」じゃなく、ワタシ共にご依頼いただきました(変更登記もありまして)。

その後、議案書などが出来上がり、拝見したところ。。。
「あれっ!?」
続きはまた明日~ =3

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優先配当と普通配当 その2

2012年07月13日 | 株主総会

おはようございます♪

気になっていること。。。
それ、定時株主総会のことなんです。

種類株式を発行する会社サンというのは、依頼が継続しないことが多いんですよね。
つまりね。。。いつもは決まった司法書士サンに依頼をするんだけど、今回(種類株式の発行など)はレアな案件なんで、慣れているヒトにお願いしよう。。。ということ。
役員改選の登記なんかは、「いつもの司法書士」がいなくって、会社の担当者の方が法務局に相談しながら、登記するということもあるみたい。

いつもの司法書士サンがいる会社は、特に心配はしないけど、いない会社はすごく心配です。
特に、種類株式発行会社になって初めての定時株主総会。。。大丈夫???って思います。

けれども、押し売りってワケにも行かないし、とにかく「こういう風にやってくださいね」とか「何かあったらご連絡下さいね」とか、お伝えすることはしていますけど、あちらも気を遣われるでしょうし、スポット的なご依頼の場合、事後的な相談。。。というケースはマレなんです。

以前の記事にも書きましたが、種類株式ってモノは、発行して登記できたら終わり♪ ではありませんよね。
会社の方々が、種類株式の内容や定款の規定内容を理解し、それに従って株式事務をやっていかなければなりません。
でも、モノによっては、相当に複雑な株式の内容を目にする場合もあり、「こんなにしちゃって、大丈夫?!ワタシだって、何だか分からなくなりそうなのに。。。」なんて思うのです^^;

しかも、法務局の方に定時株主総会のやり方を教えてもらうわけにも行かないでしょうし。。。
非公開会社特有のコトですので、他社事例を参考にすることも難しい。

というわけで、種類株式発行会社になること自体は会社にとってメリットのあることだとしても、その後の手続きは、できるだけ単純になるように。。。ってことも、種類株式の設計上のポイントだろうと思っております。

さて、ハナシを戻しまして、今回の会社サン。
種類株式の内容はどのようになっているか、ということですが
↓ ↓ ↓
普通株式 普通配当あり、議決権あり
A種類株式 優先配当あり、議決権なし(無配の場合は議決権復活)
B種類株式 配当なし、議決権なし(復活条項なし)、拒否権付(株主総会の決議事項全部)

定時株主総会を開催する場合には、優先配当をしている限り、普通株主サンだけを招集すれば良く、B種類株式にかかる種類株主総会はもれなく開催しなければならない、となってます。
余計なことを考える必要はありません。

議決権が復活するケースに該当するかどうか、ってこともあるのですが、 これにもちょっとしたカラクリ(?)があるんです。
続きはまた来週~♪

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優先配当と普通配当 その1

2012年07月12日 | 株主総会

おはようございます。

またしても、配当のハナシでございます。
思いがけないネタがあっちこっちにあるモンですね。。。

え~。。。今回は、昨年、種類株式発行会社になった会社サンのハナシでございます。
種類株式発行会社になって初めての定時株主総会だったのですが、結果はいかに!?

種類株式発行会社って、世の中にどれほどあるモノかは存じませんけれども、コンサルタントさんなんかは好きみたいデスねぇ^^;
なので、そういう方々が色んな使い方を考案し、その結果、近年、特に非公開会社がイロイロな種類株式を発行されているんだろう。。。と思います。
しかしですね。。。こういうオシゴト。。。色んな落とし穴もあるし。。。嫌がる同業者の方も多いようで、結局、ある程度は集中しちゃうってことでしょう。。。とすると、外国会社みたいに、「絶対数は多くないケド、あるところにはいっぱいある」だけなのかも知れません。
ワタシ自身は。。。といえば、そこそこ好きです。もちろん、大変ですし責任も重いケド。。。

種類株式ってのは、それこそ、目的に応じて色んな設計ができるので、「一般的には~。。。」なんてことは言えないのですが、事業承継対策(節税目的!?)として使われる場合は、大体こんな感じかな。。。って気がします。

それ。。。普通株式と議決権のない優先株式という組み合わせ。

現社長(=大株主)が事業を承継するに当たっては、相続税のモンダイをクリアしなければなりません。
そのために、所有する株式はなるべく減らしたいけど、支配権は維持したい(=持株比率は下げ、議決権比率はそのまま)ってことになるようです。
その目的を達成するために、株式を第三者に譲渡とかするのですけれども、譲渡先の株主サンに議決権を行使させてしまうと、ご自分の議決権比率が下がってしまうので、上手くありません。
そこで、種類株式登場。

オーナーさんは議決権を持ち、外部株主サンには議決権を持たせないという設計です。
ですけども。。。外部株主サンだって、引き受けたくて引き受けるってワケでもない(こともある)ので、議決権を剥奪される代わりに何らかのメリットが必要ってことになります。そこで、優先的に配当を受けることができる権利を与えるのですよね。

つまり、昔ながらの優先株式のような感じです。
議決権復活条項(優先配当できなかった場合は、議決権を行使することができるようになる条項)も付いていることが多いです(全く同じではないけど)。

そして、プラスα。
取得条項付にしたりするのですが、プラスα 部分は、会社の事情によって異なると思います。

昔ながらの優先株式ならば、ワタシ達から見ればすごくシンプル。
だけど。。。実は気になっていることがありましてね。。。
何かというと。。。明日に続く♪

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剰余金の配当と源泉税 その6

2012年07月11日 | いろいろ

おはようございます♪

なんだか話の内容がどんどん違う方向へ。。。?
ですが、一応続きってことで^^;

実は、配当の件はもうちょっと前にやるかも。。。ってハナシもございましてね。
そのときは、「中間配当で、配当財源は別途積立金で、というのはダメですか?」ってご相談。
それが可能なら、取締役会の決議だけで出来るしね。。。

しかし。。。ん~。。。別途積立金かぁ~。。。
別途積立金ってのは、使途を決めずに積み立てたおカネ。
その他利益剰余金の仲間ではありますので、分配可能額には含まれマスよね。
が、株主総会で剰余金の処分の決議をしてあるわけですよ。(結果、その他利益剰余金の内訳が、「別途積立金」と「繰越利益剰余金」になってます。)
たぶんね。。。繰越利益剰余金が普通預金で、別途積立金は定期預金みたいなもんじゃないでしょうか?
定期預金ってのは、自分のおカネでありながら、金融機関のヒトに「何にお使いになるんですか?」とか、散々訊かれるらしいし。。。
とりあえず使い道はないけど、無駄遣いしないように、お財布を分けて取っとくおカネっていうイメージです^^;

使途を定めて積み立てたおカネは、もともとの予定にしたがって使うことが出来ますケド、任意積立金はどうなんだろ~?
普通だと株主総会の承認を得て取り崩すってことになるようですが、配当するときもそうなのかしら。。。?

。。。株主総会の決議が必要な気もするし。。。要らないような気もするし。。。
さらに、決議が必要だとしても、剰余金の配当を株主総会で決議するのなら、別途剰余金の処分の決議をする必要はないんじゃないの?って気もします。

。。。とグズグズ考えていたら、ちゃんと書いてありました。会社決算ハンドブック(商事法務) 749ページに。
ハッキリと言い切ってはいないのですけれども、「任意積立金ってモノは、通常は配当減資には充てないモンです。。。」というようなコトが書いてあります。
「あ、やっぱりそうなんだ。。。」
ってことは、再度剰余金の処分の決議をして、別途積立金を繰越利益剰余金に戻した上で配当するのでしょうね。

結果をクライアントさんにお伝えすると、「じゃあ、やめておきます」だそうで、その後のタイミングを見計らい、今回の実施となりました。

それにしてもねぇ~。。。
会社法が施行されてから、計算マワリのハナシが増えてきました。
こちらとしては、「それ専門外!」って思うのですが、税理士さんって、会計にはあまり詳しくない方もいらっしゃるようで(まぁ、税理士さんも計算に関しては専門ではないのでしょうからね。。。会社サンにはそうは言えないでしょうけど)、ワタシ達にも「ご意見を伺いたい」ってことがホントに増えました。

なので、この辺もアタマの痛いモンダイであります。
でも、頼りにされるのは嬉しいもんな~。。。がんばろ!! 

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剰余金の配当と源泉税 その5

2012年07月10日 | いろいろ

おはようございます♪

早速昨日の続きです。

準備金の減少額が確定したんで、資本金及び資本準備金の減少公告の原稿を作成しましてね。。。
入稿しようと思ったのですが。。。「んっ?」何かイヤ~な予感が。。。

そうそう、そういえばそういえば、最終の貸借対照表(BS)を確認させてもらってなかったことに気付きました。
えっと。。。間接的に知っているつもりになっていましたけど(というのは、議事録に「準備金●●円のうち●●円を減少し。。。」と書いてあったから)、それを基にしたのですけれども、減少する準備金もすごく細かい数字だし、減少前の準備金も細かい数字だし、念のため。。。ってことで、これから承認するBSを送っていただいたワケです。

すると。。。「おやっ?数字が合わない~!」
大体ですね、BSの金額ってのは、千円とか百万円とかで切り捨ててあるじゃないですか。
なので、それ以下がどうなってるか分からないのです。
でもやっぱり、「減少する資本準備金の額(①)+減少後の資本準備金の額(②)=BSの資本準備金の額(③)」になるはず。。。ですよね!?
③の数字は千円未満は不明でしたが、①②は円単位が判明していたはずだから。。。

まさか、切り捨て方が間違っているのではないでしょうね~。。。^^;
仕方がないので、ご面倒をお掛けして大変申し訳なかったのですが、円単位の数字を教えてもらうことに。

結果、ワタシが把握していたつもりの金額が誤っていたことが判明!
ぃや~。。。間一髪とはこのこと。
かなり焦りました。

(減少後の金額って、公告するのが必須ってワケじゃありませんが、公告する以上、誤りはマズイって意味です。念のため^^;)

やっぱり、思い込みは危険!
再確認した出来事でした。

さて、公告関連で、もう一つ覚えたことがあります。
それは、決算公告の直後に減資等の公告をする場合の日程のこと。

公告方法が官報の場合で、決算公告をしてから減資等の公告をするときって、中2営業日くらい空ければ良くって、決算公告の掲載前でも減資等の公告を入稿することができますが(決算公告の掲載頁はブランクで)、今回の会社サンは公告方法が日刊新聞でした。

こういう場合、定時株主総会で決算承認をするんで、決算公告は株主総会の翌日以降になりますね。
では、減資等の公告はいつならできるのか。。。

これですね~。。。
公告方法が官報の場合とは違い、決算公告の掲載頁まで確定した内容で入稿しないといけないのだそうです。
つまり、公告方法が官報の会社さんであれば、総会の翌日=決算公告、その3営業日後=減資等の公告となりますが、それ以外の会社サンの場合は、総会の翌日=決算公告、その6営業日後=減資等の公告 って感じです(代理店によっても、混雑具合によっても多少異なるようなので、ご注意下さい)。

ま、言われてみれば、当然ですが。。。
これも初めてのことだったと思います。

。。。というわけで、かなりお題と内容が違ってきているんですけれども、また明日♪

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