司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

「任期満了退任」の文言 その2

2012年07月24日 | 役員

なにやら一人でヒートアップしているような気もしないでもないですが、昨日の続き^^;

何が違うかっていうとですね。。。
これ、たぶん、司法書士の業務用ソフトに入ってるひな型なんです。
でね。。。どうしてそういう文章かと言うとですね。。。
まぁ、「ちょっと失礼だな。。。」と個人的には思っているのですが、司法書士が依頼を受ける会社って、原則として招集手続なぞちゃんとしない会社ばっかり、という前提があるようなんですね。

招集手続をしないなら、当然、株主サンは候補者が誰かなんて知らないのです。
だとしたら、取締役会で候補者を選任していたとしても、株主総会で突然「候補者ダレソレさんを選任したいんですが」とは言えません。
だから、まずは選任方法(誰を選任するか)ってところから、株主総会に諮る。。。というシナリオが議事録ひな型になっているというワケ。

確かに世の中にはそういう会社サンもあり(通常は役員=株主ですので、通知してないって言っても、株主は候補者を知ってる、つまり、出来レースなのですが)、そういう会社の議事録ならば、良く考えられているなぁ~と思います。
昔、そういう議事録を見てて、ふと「ナンデこんなまどろっこしいことをするのか?」とギモンに思いましてですね。。。ヨクヨク考えてみた結論。

ですが、世の中にはそんな会社ばっかりじゃないし、司法書士のクライアントさんだってそういう会社ばっかりじゃないです。
ウチの事務所とて、そういう会社サンもありますけれども、でも、同族会社でも、ちゃんと招集手続を踏んでいる会社だっていっぱいあるのだし。。。みんなが「ソンナモンダ」ってのはな~んかね~。。。

ですからね。。。招集手続をキチンをやっている会社ならば、議事の経過と要領が正しく記載されてはいないでしょ!?と思うんです。

ウチの事務所はおカネがなくて専用ソフトがないモンですから、負け惜しみに聞こえるかも知れませんが^^; ソフトがないからこそ、一字一句真剣に考えなきゃならず、悪いことばっかりではありません。
(あ、ちなみに、今のソフトの事情は良く分かりませんので(ワタシの知っている時代はかなり昔^^;)、変わっているのかも知れませんが。)

ただ、招集通知を出される会社サンは、議事録の原案はご自分で作成されることがほとんどなので、業務用ソフトの文言を使っているのは見たことがありませんけどね。

。。。というわけで、自己満足の世界かも知れないけれど、今後のこともあるし、シナリオだってきっとそうなっているだろう。。。と思い、バッサリ直させてもらった。。。という次第。

しかしね。。。ワタシのように、こんなオシゴトばっかりしている司法書士じゃないと、こんなヘンチクリン(←じゃないと思うけど)なことは、考えないのでしょうか?
でもでも。。。たぶん、この会社サンは議事進行のシナリオを作っていると思うんですよね。グチグチ。。。

とにかく、思い切り直させいただき、メールで送信したところ、「こんなんで大丈夫???」というお問い合わせが。。。
内容については、また明日♪

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「任期満了退任」の文言 その1

2012年07月23日 | 役員

おはようございます♪

定時株主総会での役員改選の登記申請も大体落ち着いた頃だと思います。
今年は、気のせいかも知れませんが、何やら例年よりも混んでいたような。。。なんで?気のせい?

。。。ってことで、ちょっとタイミングがずれてしまいましたが、役員変更登記のハナシ。

先日、あるコトでご相談を受けまして、会社が作成した議事録の原案をワタシが若干修正してお返ししたのです。
差し障りがありそうなので、相談の内容は伏せておきますけれども、ま、通常の定時株主総会議事録であります。

どなたが原案を作成したかは存じませんが、結構大きな会社サンでして、しかも株主サンも大勢いらっしゃいます。
もちろん、キッチリ招集通知も発送していますし、株主総会もちゃ~んと開催しています。

だけどね。。。それにしてはどうも腑に落ちない議事録。。。

本当はワタシごときが口出しすべきではないのでしょうけど、おせっかいな性分なんでしょう。。。
相談されたこととは直接的には関係がなかったのですけども、せっかくですからね~。。。今後のこともあるでしょうし。。。
バンバン修正してしまいました^^;

まずは、監査報告。
監査役には業務監査権限もあるのに、計算書類の監査結果しか報告していません。
こういう監査役は株主総会の席上での監査報告が義務付けられているわけではありませんが、監査報告する以上、業務監査権限のある監査役の監査報告にしましょうよ♪ って思いまして、修正しました。

次に、役員の選任議案。
以前の記事にも書いたかもしれませんが、議事録ってのは、議事の経過と要領を記載するモノですよね。
招集通知をキッチリ出して、ソレに基づいて役員を選任する場合っていうのは、通常でしたら既に「候補者は●●氏であります」って通知しているのですから、「招集通知に記載した候補者を選任しても良いデスか?」ってだけのことになるはずなんです。

しかし、何故か「取締役の選任方法につき諮ったところ、出席株主から議長に一任したいとの発言があり、一同これを了承したので、議長は下記の者を指名し。。。ウンヌン」というような書きっぷり。

これは違うだろ~! と勝手に憤り^^; 、直しました。

何が違うかっていうとですね。。。
明日に続く♪

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全ての日本における代表者の退任公告 その2

2012年07月20日 | 渉外関係

おはようございます♪

ではでは、昨日の続きです。

ご相談があったのは、こういうことでした。
「この外国会社は、営業所が2箇所あるんですが、日本における営業所はどちらを記載すれば良いのでしょうか?」というモノ。

そうそう、たまにあるんですよね~。。。こういうの。。。。

日本における営業所というのは、日本の会社に例えると「支店」です。
日本の会社が外国に支店を設ける場合と同じように考えるワケです。

日本の会社が外国に支店を設置する場合もなんかちょっと違和感があるのですが、相手は外国なので、「支店所在地における登記」なんて制度が存在しなければ、当然のことながら登記は出来ません。そのため、本店所在地では、支店が外国にあっても登記が強制され、支店所在地は支店のある国の事情による。。。ということになるわけです。

外国会社の方はその逆で、本国には登記制度がなくても、日本に営業所を設ける以上、登記してくださいってことになるのです。

。。。ま、とにかく、日本では登記が強制されるのですけども、支店(類似)の登記をすることになりますよね。
あ。。。今は支店の登記事項が減りましたので、違うトコロが結構ありますけど、考え方としてはそういうこと。
なので、支店間の主従関係はないってことです。

主従関係がない(実質上はどっちが大きいとか。。。あるかも知れませんケド)ので、日本における営業所が2箇所存在する場合、どちらを書いても良いってことになります。
(つまり、どっちかを書けば、特定できるってことだと思うんですけどね。。。)

なんてことをお話ししておりまして。。。これ、実は公告のハナシだったのですが、そういえば。。。「んっ???」と思いました。

実は以前から、ちょっとギモンに思っていた、「すべての日本における代表者の退任公告」ってヤツのこと。
(ずいぶん前にさらりと書いたことがありますが、今一度。)

これね。。。住所はどこを書くんだと思いますか?
今の他社事例だと、みんな日本における営業所を書いておりますけれども、どうしてそれで良いのだろうか???
と言いつつ、ワタシも右へ倣え(=赤信号みんなで~。。。のクチ^^;)なわけですが、本店でなくって営業所っていうのはどういうワケでしょうね~???

官報の記載例を確認しますとね。。。
やっぱり、日本の営業所の住所を書くように見えます。
例えばコレ ⇒ http://www.kanpo-ad.com/sa54.doc

そっか。。。けど。。。外国会社の場合、「同一商号、同一営業所」 ってのは、認められるわけです(あ、でも、法務局によって見解が異なる可能性があるので、念のため。)。
つまり、日本の会社と同様にダメなのは「同一商号、同一本店」なのであって(もし、外国の法律でそういうのが認められている場合はどうするんだろう。。。というギモンはあるにはあるけど。)、同一営業所というのは、「本店」が異なればそれで判別できるから構わない、という考え方。

けれども、そういう状況だとしても、公告には営業所だけしか載せなくて良いのなら、(事実上、可能性は非常に低いわけですが)どっちの会社の公告なんだか分からないってことになりませんかね~?

日本の営業所を書けというのは、「公告を見た債権者が連絡を取るため」という理屈なんでしょうけども、本来は本店と営業所を併記すべきなんだろうと思うんですよ。。。

ま。。。ね。。。それだけマイナーなコトなんだろうなぁ。。。^^;
そこまで考えてない。。。のか。。。本店も載せるとなると、公告料も上がっちゃうし。。。ってことなのか。。。

やっぱ、なんか解せないデス。

コメント (3)
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全ての日本における代表者の退任公告 その1

2012年07月19日 | 渉外関係

おはようございます_(_^_)_

先日、久しぶりに「外国会社の営業所廃止」の案件を受託いたしました。
久しぶりだったので、改めて「それで良いのかなぁ~?」と思うことがあり、ご紹介してみたいと思います。

「外国会社の営業所廃止(閉鎖)⇒(注)」というのは、実際は正しい表現ではありませんで、本当は「全ての日本における代表者の退任」と表現されていますね。
外国会社の営業所設置義務が撤廃されたことにより、「営業所を廃止(閉鎖)した = 日本からの撤退」ではなく、日本における代表者全員が退任したとき(登記が効力要件になってマス)が日本からの撤退時点になる、とされたからなんです。

(注: ずいぶん前のことで恐縮ですが、営業所設置義務撤廃前の「営業所の廃止」は、営業所設置義務の撤廃と同時に「営業所の閉鎖」という表現に変更されたようです。改正前とはちょっと意味合いが違っちゃったんで表現を変えたのでしょうかね?営業所だけを閉鎖して、日本における代表者個人の住所に登記をするという案件は扱ったことがないので、全然気付きませんでした。ま、大したハナシじゃないんですけど、念のため^^;)

ま、コレ自体は会社法施行前の商法改正のときからのハナシなので、特に珍しいことはないのですが、一応おさらい。

営業所廃止(=便宜、全ての日本における代表者の退任手続のことを指します)の手続きは、会社の解散ととても良く似ています。

日本法人の場合は大雑把ですが、①株主総会における解散決議⇒②定款に定めた公告方法による解散公告、知れたる債権者に対する債権申出催告⇒③清算人による債権取立て、債務の弁済⇒④残余財産確定、分配⇒⑤清算結了登記  という流れになっております。

一方、外国会社の場合は、①本国での営業所廃止決定(準拠法による)⇒②定款に定めた公告方法による「全ての日本における代表者の退任公告」、日本国内の知れたる債権者に対する催告⇒③全ての日本における代表者の退任の登記(効力発生)

似ていますけど、ちょっと違うところ。
会社の解散・清算の場合は、会社が消滅してしまうけど、外国会社の場合は、会社は外国にあるってこと。
そのため、債権者保護手続きに関しては、どちらかと言うと、組織再編の方に似ています。

催告期間は1ヶ月だし、催告の内容も「異議申述催告」です。
コレに対し、解散の場合の催告期間は2ヶ月、催告の内容は「債権申出催告」です。

異議申述催告というのは、「外国会社が日本から撤退しますよ~!」というお知らせ。異議が出たら、その債権者に対して弁済等をしなければなりません。

コレに対し、債権申出催告の方は、「アナタの当社への債権(と額)を申し出てくださいね。」というモノ。

ついでに言うと、官報公告の場合の掲載場所も違いまして、解散公告の方は「号外」、外国会社の方は「本紙」です。
そのため、申込期間も前者の方が時間がかかります(前者:2週間程度、後者:1週間程度)。

そうは言っても、日本から撤退するのですから、極力、日本での債権・債務はキチンと清算されていましてね。
事業譲渡をする場合もありますし、ホントに事業を畳むこともありますが、実務上は、最後の登記申請の時点では、「知れタル債権者は存在しない」状態にするようです。

。。。というわけで、今回のケース。
まず一つ、ご相談を受けたことがあります。
続きはまた明日♪

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優先配当と普通配当 その4

2012年07月18日 | 株主総会

おはようございます♪

種類株式発行会社であるクライアントさん、イロイロ不安はあったようなのですが、しかし。。。
無議決権株主サンたちが株主総会に出てこない。。。ってことで、例年よりも気が楽だったりもしたようです。

で、その無議決権株主サンって誰?ってことですが、従業員持株会+α

昨年までは持株会自体が無かったモノで、株主の数は多いわ、従業員サンにイロイロな事柄を開示しなくちゃいけないやらで、相当大変だったみたいです。それに比べると、今年からは、株主の数は激減、従業員の皆様方へのポーズも必要ない。。。

さらには、グループ会社の株主総会も何社かまとまっていて、そっちもやらないといけないし。。。
結局、招集通知案を拝見したのは、株主総会招集決定の直前でした。

結果。。。。。。。マズイ。。。どうするっ!?

ま・ね。。。マズイって程のことじゃないけど、普通の内容だったんです。
えっと。。。今までと同じってことです。。。

種類株式発行会社なんだけど。。。良いのかしら?

配当財産の種類 金銭 総額金●●円
配当財産の割当てに関する事項 1株につき金●円
配当の効力発生日 ●月●日

あ、昨日書きましたように、結果的には、普通株式とA種類株式の配当金は同額です。
。。。とすると、種類ごとに書き分ける必要はないのだろうか。。。?

条文はこうなっております。↓

(剰余金の配当に関する事項の決定)
第四百五十四条  株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額
 株主に対する配当財産の割当てに関する事項
 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日
 前項に規定する場合において、剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる
 ある種類の株式の株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類
 前号に掲げる事項のほか、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容

ふむふむ。
つまり、株式の種類によって配当額が異なる場合(普通株式のみ無配の場合を含む)は種類ごとの書き分けが必要だけれども、そうじゃなければ、種類ごとにしなくても良いってことのようですね。

ただし、モンダイはもう一つ。
配当を受ける権利のないB種類株式にも配当することになっていたこと^^;

これはさすがにマズイです。
そして、次回からの定型となるように。。。ということも考慮し、結局イロイロ修正することにいたしました。

配当財産の種類 金銭 総額金●●円
   内 訳 普通配当金総額  金●●円
        A種優先配当金総額  金●●円
配当財産の割当てに関する事項 
        普通株式1株につき金●円
        A種類株式1株につき金●円
配当の効力発生日 ●月●日

そういえば、こういう剰余金配当議案も初めてでした。

定時株主総会ならでは。。。
とにかく、株主総会招集決定の取締役会にも間に合い、無事、定時株主総会と種類株主総会を終えられたそうです。
良かった良かった♪

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