司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

合同会社設立の際の代表社員の就任承諾書 その6

2017年11月10日 | 商業登記

おはようございます♪

早速前回の続きです。

取締役会非設置の株式会社が定款で代表取締役を定めた場合と、合同会社が定款で代表社員を定めた場合。。。。チョットだけ違うのはですね。。。
合同会社の場合、社員の就任承諾のような考え方は「ない」のですよね~。。。コレに対して、株式会社の場合は、少なくとも取締役の就任承諾行為は「要る」。。。^_^;

つまりね。。。株式会社の方は、取締役として就任承諾をしたコトについてはご本人作成の(あるいはそれと同等と評価される)書面の添付が要求されるワケです。しかも、そこには個人実印の押印が求められ、印鑑証明書の添付も義務付けられております。

一方、合同会社の社員として加入するためには、定款に社員と定められ、さらに出資金を払い込む。。。というコトになりますね。。。。これが紙の定款でしたら、定款規定として社員の住所氏名が記載され、各社員の記名押印が必要になる(実印の押印は不要)。。。。のですケドも。。。。

電子定款の場合には代理人が作成するもんだから、少なくとも登記の場面においては 「本人が社員に加入するという意思」を直接的に確認するスベがない。。。。。(-_-;)

。。。ということはですよ!?。。。そもそもご本人が「(代表権を有する)社員に加入する意思がある」。。。ってコトを証する書面は、設立登記申請の際には一切添付されない。。。ってハナシだよねっ!?。。。(@_@;)

定款作成に関しては、社員の委任に従っているわけだから、社員の意思に沿わない内容である筈がないのだし、登記の際に定款作成の委任状が添付書類にならないという点は、決着が付いているハナシではあるんですケドね~。。。。

ソコが株式会社とは決定的は違いなのかなぁ~。。。と思います。

 

。。。。ま、そんなこんなでグルグルと考えました。。。(~_~;)
ちなみに。。。先日の合同会社の設立登記に関しては、何のギモンもなく、代表社員の就任承諾書なるモノを添付せずに登記は受理されておりマス。

元々ワタシはですね。。。各自代表の場合って、社員全員が当然に代表社員になるに決まってる。。。だったら、定款に代表社員に関する定めがあろうがなかろうが、就任承諾書が要るハズないっ!!。。。って思っていたんです。

なので、当初はですね。。。各自代表だったら、絶対に代表社員の就任承諾書は要らないケドも。。。。社員が複数人いて、定款で一部のヒトを代表社員に定めた場合はどうなの???。。。っていうギモンだっただったんですよ。

だけど、細かく考えていきますと。。。んっ??あれっ???。。。電子定款のモンダイは社員として加入した事実が直接的に証明されないコトなんじゃないの???!!。。。と思えて来ました。
そうなると、もはやコレ、「各自代表か定款で定めた代表社員か」。。。という区別じゃない??。。。(~_~;)よね?

ただね。。。そうだとしたら、やっぱり、直接選定方式による代表社員の選定の場合、「代表社員の就任承諾は不要」という点はハッキリすると思うんです。
そして、社員が加入した事実が、ご本人によって直接的に証明されないという点もね。。。モトモトそんな書面は登記の添付書類にはなってませんのでね。。。実質的には若干のモンダイは残るのかも知れませんが、それは致し方なし!!
実体上の手続きとしては、定款作成の委任は各社員が行う必要があって、たまたまそれが登記の添付書類にはなっていないダケ。。。と考えるべき。。。なのでしょう。

紙定款の場合は就任承諾書が要らないケド、電子定款の場合は要る。。。のは、「そもそも就任承諾したことを証する書面は必要」。。。なケースであるハズ。
ただし、就任承諾したことを証する書面は(紙定款の場合)定款の記載をもって代えることもできる。。。だから、その場合には別途就任承諾書を添付する必要がない。。。ってハナシだよね!?(^_^;)

。。。ということですんで、やっぱりね。。。定款で直接定められた代表社員については就任承諾行為は不要。。。だから、電子定款の場合でもモチロン(登記の際に)就任承諾書の添付は不要。。。との結論に達しました。

ま、確かに何となぁ~くキモチ悪いな。。。って感じはいたしますよねぇ~。。。しかし、先日の一般社団法人のケースも同じですが。。。「立法趣旨に照らして考えるとどうなのか?」と、「法律の規定上はどのように解されるか?」という点をある程度すり合わせる必要があるのだろうな。。。と思います。

そんな細かいコトまでイチイチ解説はされないものだから、ヒトによって考えることが違ってしまい、見解も異なる。。。という事態に陥るのかも知れません。

ワタシといたしましては。。。あぁ~だ、こぉ~だ。。。と考えながら書いていましたので、だんだんと頭の整理ができて何となくスッキリしたような気がします(~_~;)

異論がある方もいらっしゃると思いますんで、ドシドシご意見をお聞かせくださいね~♪
それから、皆様の体験談などございましたら、是非是非教えてくださいマセ  m(__)m

コメント (7)    この記事についてブログを書く
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7 コメント

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Unknown (東京SH)
2017-11-10 12:14:47
先生の深いお話、勉強になります。
私は、やはり持分会社の社員は、株式会社の取締役等とは異なり、会社とは委任の関係でなく、会社の構成員なので、普通に出資して会社に加入し、社員や代表社員になるについて就任承諾という行為はなく、ただし、特に定款の定めによる社員の合意によって特定の社員を代表社員に選定するときに限ってその人の代表社員の就任承諾が必要と考えたところです。
そのため、社員の加入の際も、民商782条通達や法務省のHPの雛形(専門家には評判がよくない面もありますが)に記載のとおり、定款変更についての所定の社員の同意書(持分譲譲渡の場合は譲渡契約書も)だけ添付するが、定款の定めに基づく互選により,加入する社員を代表社員に選定すると場合に限り、併せて、その選定を証する書面及び就任承諾書を添付すべし、と思っておりました。しかし先生の前回のコメントで、設立後の社員の加入のケースでは、実務上、加入社員の加入の意思を証する書面の添付が求められるケースが非常に多いようだとのことで、揺らいでおります。
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Unknown (charaneko)
2017-11-10 13:23:34
東京SHさん、コメントありがとうございました。

持分会社の社員と会社の関係については、ご見解のとおりだと思います。

ただ、今回のハンドブックの記述や、「社員加入の定款変更に関する総社員の同意書に加入社員を含める」というような記載例(←書式精義など。解説はないデス)があったりするからか、法務局としては「就任承諾書的な加入意思の確認書類」を提出させたいようですね。

「加入の事実を証する書面として何を添付させるのか」というハナシかな??とは思うモノの、いかんせん解説がないので、ある程度法務局の言いなりなトコロがありますし、この件では戦闘態勢に入り難い(~_~;)

モヤモヤしますねぇ~ ^_^;
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Unknown (金子登志雄)
2017-11-14 05:53:24
 設立時社員であることを「加入」と表現することにはいかがなものかと感じました。

1.株式会社の場合は所有と経営が分離しているので、定款で経営側を定めた場合には、経営側の就任承諾が必要です。

2.持分会社の場合は、「所有=経営」ですので、経営従事の証明は不要です。株式会社でも所有者側の発起人かどうかの証明は不要です。

3.社員ABCのうち、定款でAを代表社員に定めた場合は、BCから代表権を剥奪したので、Aの就任承諾は不要です。

4.念のため、登記記録上は業務執行社員と代表社員の枠が分離され、前者は入社、後者は就任と登記されますが、互選規定がない限り、正しい意味の就任ではありません。

 ………と偉そうに書いていますが、年に1回あるかどうかの仕事でしたので、初回の経験をもとに、いままで何も考えずに就任承諾書を添付していました。反省中です。ご教授ありがとうございました。
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訂正 (金子登志雄)
2017-11-14 06:00:40
訂正です。
業務執行社員は「年月日入社」でなく「年月日加入」という登記原因でした。
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Unknown (charaneko)
2017-11-14 12:02:21
金子先生、コメントありがとうございました。
合同会社に関しては、ワタシも取扱い件数自体は少ないので何となくモヤモヤしていて、思いつくままに記事を書いておりました。

今回のハナシは、事務所で補正になりそうになった件が発端で、周りのヒト達にも意見を聞いてみたりしたのですが、就任承諾書を添付しているという方が思いのほか多く、ちょっと整理してみたいな。。。と思った次第です。

適当でない表現もあったようで、失礼いたしました。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
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Unknown (東京SH)
2017-11-20 09:35:18
お世話になっております。
ご参考までですが、ハンドブックの記載につきまして出版社に照会しました結果、筆者に照会したところとして「設立時の定款で各社員の記名押印がない、たとえば代理人が作成した電子定款の場合、代表社員の就任承諾書は必要かについてハンドブックの該当箇所は,その要否を直接論じておらず,解釈の余地があると思われ、管轄登記所にお尋ねいただきたい」旨のご回答をいただきました。
 なお、書店で見ただけで持ち合わせておりませんが、「持分会社の登記実務(補訂版)」(青山修氏)68ページには印鑑押印の留保なしに定款で代表社員を定めたときはその就任承諾書は不要と書かれていたと記憶しております。
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Unknown (charaneko)
2017-11-20 12:53:20
東京SHさん、コメントありがとうございます。
わざわざ照会してくださったんですね~。。。ありがとうございました。

互選代表の場合以外に、代表社員の就任承諾書が必要とするのは、理論的に難しいとは思いつつ。。。(~_~;)
気にしすぎだったのでしょうかね~。。。
それにしても、補正にかける法務局が多いというのが困ったモノです。
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