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デビュー40周年につき石川ひとみのシングル曲を語る企画 その7(ひとりぼっちのサーカス)

2018年05月01日 | 石川ひとみ

 シングルとしては第4弾で、発売は1979年4月21日。この月の初めから人形劇「プリンプリン物語」で声優としてもデビューし、この曲のキャンペーンとプリンプリンの準備とで相当多忙な頃であったと思われます。

 この曲は谷山浩子さんの作詞作曲で編曲は大村雅朗さん。谷山さんというと「お早ようございますの帽子屋さん」とか「ねこの森には帰れない」とか「恋するにわとり」とかメルヘンチックな印象が強いですが、斉藤由貴さんに提供した「夜のブランコ」とか相当どっぷりとした悲しい恋の歌も当然あります。

 それでこの曲もかなり悲しい恋の歌ですが、実は私にとっては一種「悪魔のささやき」と言えます。というのも、前作の「あざやかな微笑」もマイナーコードの曲だったし、これはこれで「なんでまたこんな悲しくて暗い歌を彼女に歌わせるんだ!」と怒ってたわけですが、実際聞いてみるとこれが出来は相当いいんですわ(笑)。

 サビの歌声なんぞは、まだデビューから1年も経ってないほぼ新人の歌唱と思えないくらい魅力的だし、歌詞もメロディーも良く「ナイフに鏡」なんてとこは耳に残るフレーズであり、大村雅朗さんのアレンジのイントロも凄くいいです。それを考えるとこれをシングルで売り出そうとしたスタッフの気持ちもわかることはわかります。わかりますが…ということで。

 実はこの曲はリリース当時テレビで見た記憶がありません。ほぼヒットしなかったということもありましょうし、私がその4月に高校に入学し環境が大きく変わったのでゆっくりテレビ見る暇も無かったと思いますし。そういえば、なんか知らんけど高校入学後最初のゴールデンウイークにはカフカの「変身」を買ってきて読んでた記憶があります。あれは今も気持ち悪くて嫌いな話ですが。(だったらなぜ読む?)

 それが最近某動画サイトで当時の歌番組での歌唱を見ると、生で聞いても結構いいですね。暗い悲しい曲ではありますが、彼女は結構笑顔で歌ってるのでそこは救いです。「あざやかな微笑」の頃はかなりポッチャリしてましたが、多忙のためかこの曲ではちょっとスマートになって美しさはアップしてます。それだけにヒットしなかったのは残念と。あとは、レコードでのアレンジが素晴らしすぎると歌番組でのビッグバンドの演奏とは落差が出てしまうということも申し上げておきましょう。当時の歌番組ではカラオケより生演奏が主でしたしね。

 ということで、次回はいよいよ「ハート通信」です。


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4 コメント

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哀愁ソングの名作 (コスモス)
2018-05-03 10:53:37
谷山浩子さんは、絵本好きな少女がそのまま大人になったような
どことなくメルヘンチックな香りがするイメージがありますが、
その歌声は時としてすすり泣いている様なビブラートを聴かせた
メランコリーさが漂います。

その谷山浩子さんが創ったこの曲ですが、実は管理人様がここで
テーマに掲げてのをきっかけに初めて聴いたのです。
そして石川ひとみさんによる歌声も。
そして改めて思ったのですがひとみさんは実に卓越した歌唱力を
持っていますね。
こういう曲って歌いこなすのが難しいのではないですか?
少なくとも昨今、グループで歌っている女の子達はどうでしょう?
でも管理人様や生粋の石川ひとみファンにすれば
「なぜマイナーコードのメランコリー路線ばかりなの?」
と言いたくなるでしょうが、私は、ひとみさんのカラーにフィット
しているような気もするんです。

(そして異論があるのを承知で言わせて頂きますが)
と同時にあの童顔が、それと相反してせっかく染め上げたカラーを
中途半端なアイドル色にしてしまっているようにも思えるのです。
いかにもあの当時のアイドルど真ん中といえるルックスだからこそ
ひとみさんは世に出たのでしょうが、歌が上手いばかりに
直球ど真ん中のアイドルソングを歌わせて貰えず大ブレークまで
至らなかったとするのは勘ぐり過ぎでしょうか?
(後にそれが「まちぶせ」で成就するのですが...)

そして谷山浩子さんの「ひとりぼっちのサーカス」
(谷山さんオリジナルの曲名は「サーカス」)も良い曲ですね。

 さあ目を覚ませ人形たち

を聴いた時、「くるみ割り人形」の続編のような気がしたんです。
「話し相手は1人の部屋に置いている人形だけ」そんな乙女心の儚さ、
寂しさがそこはかとなく漂う哀愁ソングの名作だと思います。
そしてそれを素敵なアレンジで演出する、大村雅朗さんの手腕も
いつもながらさすがですね。
(谷山浩子さんのセルフカヴァーも素晴らしい)

そうした名曲、名アレンジにアシストされた石川ひとみさんの歌声は
決して大ヒットしなかったかもしれませんが、今こそもっと聴かれて
「シンガーアクトレスとしての石川ひとみ」の再評価となって欲しいです。

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王道と一線を画したアイドルソング (KAZU)
2018-05-04 07:13:02
このこの曲に限らず、ひとみさんの初期のシングルは、いかにも70年代感が満載ですよね。
改めて歌番組でこの曲を歌っているひとみさんを動画サイトでいくつか探してみると、バックでミニスカート姿のスクールメイツが華麗な踊りを披露するのが絶対に似合わなさそうな、場末感が滲み出たセットなりシーンが多いし。
80年代のアイドルソングから入った者としては、最初にこの曲を聴いた時に、「何でアイドルにこんな曲歌わせたの?」とツッコミたくなりました(笑)

しかし聴けば聴くほど、この曲に限らず「あざやかな微笑」や、後の「秋が燃える」や「オリーブの栞」なんかにしても、結構嵌っているというか、ひとみさんのルックス、声質、歌い方どれを取っても、ある意味妙に合っている感じがするんですよね。
何だか、愛おしくか弱い女性を、荒々しくひん剥いていたぶってヒイヒイ言わせてみたくなるような、男の奥底に秘められたサディスト的な征服欲みたいなものを余計に掻き立てられる感じがして(^^;;

片や全く同時期にプリンプリン物語のヒロイン役としても出ているのですから、結構なギャップですよね。
当時小学生になったばかりの私が、この曲には全く気を留めなかった筈です(^^;

「まちぶせ」までブレイクを待たなければならなかったのは、私もコスモスさんがご指摘されている通りだと思います。
あの通り、デビュー当時からルックスと歌の両方で「天が二物を与えた」ような完成系に近い状態ですから、売り出す側もあれこれ欲が出てしまい、一筋縄には行かなかったのではないでしょうか。

あと、ひとみさんのデビュー当時の年齢が影響しているような感じもします。
当時のアイドルは、というか今でもなお、大方中学や高校在学中の頃からデビューするのが定石ですが、ひとみさんは高校を卒業した後のデビューなので、ひょっとすると「純アイドル」という路線で売り出すのは分が悪いと考え、「一風変わったお姉様アイドル」というような売り方を模索していたのかもしれません。
「純アイドル」で言えば、まさしくど真ん中で石野真子さんがいましたからね。
歌唱力では圧倒的な差がありながら、セールスでは王道の真子さんの方が評価され、数々の新人賞的なタイトルの美味しい所はほとんど真子さんに持って行かれた気がします。

しかしながら、ひとみさんの曲は、この曲に限らず、噛めば噛むほど味が出る、という言葉がまさに当てはまると思います。
昔の私のように、単なるアイドルソングとしてナメた態度で聞き流してしまえば、良さは絶対に分からないと思います。
逆にネガティブに言えば、中高生の心をくすぐるようなアイドル王道のキラキラソング、又はちょっと背伸びした格好いい系ソングとは一線を画していて、取っつきにくいと思われる曲が多い(特にシングル)ので、結局これがセールスに影響したのかと・・・(- -;
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哀愁です (ハイパパ)
2018-05-06 23:12:52
>コスモスさん

お聞きになりましたか。やっぱいいですよね~。今となってはこれも一つの通過点とか思いますが、当時としては「これでアイドル生命が終わったらどうすんだ!」とか思う人もいたことでしょう。ルックスいいし歌も上手いし、いろいろやれそうだということでこの曲にしたのでしょうが…。まぁその後約40年歌手として続いてるわけですし、これも一つの作品として。
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たしかに王道ではなく (ハイパパ)
2018-05-06 23:17:08
>KAZUさん

プリンプリンを始めた頃ですからかなりのギャップですよね。ただし、おっしゃるように歌声には嵌ってるのでこれをシングルとして売り出そうとしたスタッフの気持ちもわかります。たしかに当時人気にアイドルは石野真子、榊原郁恵、ちょっと遅れて高見知佳とか元気いっぱいのアイドル全盛でしたから、その辺との差別化ということはあったかも。まぁ今だから冷静に分析したり語ったりできますけどね(笑)
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